第4話
なんか彼の任務関係とかいう人が来て、なんかの証明書とか、写真とか。置いていった。
写真のほうは。
落ち着いてから見てくださいって。
後悔している。
落ち着いて、って言葉の意味が。
15秒前の私には、分かってなかった。
彼がずたずたになってる写真だった。
顔が。
彼の顔が。
おそろしいほどに、無感動な私がいた。
かなしいとか、こわいとか。そういう感情は湧かなかった。
彼がいないという事実に。
なぜか。
納得してしまっている。
そこからは、簡単だった。
彼に、はじめて会ったとき。告白したとき。
彼の顔ではなく。彼の、その、儚そうな感じに惚れたのかもしれない。さわると消えてしまいそうな、そんな感じに。私は、引き寄せられたのかもしれない。
それが、分かっていたから。彼がいつかいなくなると、心のどこかで、理解していたから。だから、衝撃を感じない。
ぱりぴ陽きゃぎゃるじゃなくて、ただのサイコパスだった。ひとめぼれで一緒になって、彼がいなくなっても無感動で。なんなのだろう私。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます