第18話 ランクアップ試験(F→E)

ここ数日の生活は、朝から数件ずつランクFの依頼をこなし、夕方近くに解体倉庫へ素材納品に行くという流れになっていた。


毎日大量の素材を納品するので、日中に狩っているという形にしている。実際は今までにアイテムボックスに入れていたものをマジックバッグに移しかえてるだけだけどね。


ランクFの依頼を10件こなすのに数日かかったが、無事に全部クリアした。これでランクアップ試験が受けられるはず。冒険者ギルドの受付を見ると、ミレイさんがいた。


「すみません、ランクアップ試験受けれたりしますか?」


「あらスグルくん。確かこの前説明しなかったかしら?あれからまだ数日しかたってないじゃない。依頼10件クリアしてからしか受けれないわよ」


「ランクFの依頼、10件達成しましたよ」


「えっうそ・・・ギルドカード貸して!」


ミレイさんにギルドカードを渡すと、受付でがさごそ操作し始めた。


「すごい、本当に達成できてる。この前登録したばかりなのに」


目を見開いたあと、頑張っている少年を温かく見守る感じで微笑んでくれた。


「それじゃあ約束なのでランクEへのランクアップ試験について改めて説明するね」


説明された内容はこうだ。

・受験資格は依頼達成数と素材納品数で受験の可否を検討。

・受験料は銀貨1枚

・筆記と実技で判断

・筆記は今から受験可能

・実技はランクDの方に依頼を出すため、翌朝以降に対応

とのこと。


なるほど。じゃあ筆記だけでも先に受けてしまおうかな。ランクEなのでそこまで難しくないはず。


「わかりました。筆記試験を今から受けれますか?」


「いいわよ。じゃあ受験料として銀貨1枚出してね」




ミレイさんに銀貨1枚を渡し、通路の奥側の部屋へと案内された。ここで筆記試験を受けるようだ。中にはすでに人がいて、女性の職員?が仕事をしていた。


「これが試験問題です。時間は特に決まってないけど、日が暮れたら終了ね。早く解き終わったらそこの職員に声をかけてね。大丈夫とは思うけど、不正はしちゃダメよ」


そう言って職員の前の席へと案内された。うん、これは普通に不正できないな。ランクEの試験だし大丈夫でしょう。さて、問題を解くとしよう。


『大銅貨1枚の串焼きがあります。所持金は小銀貨1枚です。2本買うとおつりはいくら?』


おぉ、これは小学生のお使いレベルの問題ではないか?まぁお使いが出来なければ、依頼も達成できないし、問題としてありといえばありか。


『辺境の森にいる魔物ランクGの名前をわかるだけ書きなさい』


これも簡単だな。常設依頼をこなした冒険者なら普通にわかるはず。


その後も簡単な内容の問題ばかりで、あっという間に解き終わり、目の前の女性職員に声をかけた。



筆記試験はこれにて終了。実技試験は明日の朝にギルドに来るように言われ、本日は解散となった。

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