第17話 ランクF依頼
受付にいるミレイさんに聞いてみた。
「すみません、ランクアップ試験受けれたりしますか?」
「あらスグルくん、この前冒険者登録したばかりよね?まだ早いんじゃない?」
「受験料が貯まりましたので、受けてみたいなと思いまして・・・」
冒険者ランクがEに上がれば、ランクFの魔物を納品できる。今よりもお金を稼ぎやすくなるはず。是非とも早急に上げたいな。
「銀貨1枚って、すごいわね!この前登録したばかりじゃない。まずは依頼達成数と素材納品数を見てみるわね。ギルドカードをお渡しください」
ミレイさんにギルドカードを渡すと、受付でなにやらがさごそと操作し始めた。魔道具でもあるのかな?
「あー、素材納品数はOKだけど、依頼達成数が足りてないわね。常設依頼以外の依頼を10件こなしたらまたおいでね。それにしても素材納品数がすごいわね」
そういってニコッと微笑み、ギルドカードを返してくれた。なるほど、常設依頼の素材納品だけではダメなのか。残念。
「わかりました、また来ます」
依頼票のある掲示板へと向かった。ランクFが受けられる依頼はあるかな。
『ランクF 掃除手伝い
報酬:大銅貨3枚』
『ランクF 買い物補助
報酬:大銅貨2枚』
『ランクF 荷物整理
報酬:大銅貨1枚』
『ランクF 配達
報酬:一件に付き銅貨2枚』
などなど。
いろんな依頼票があるけど、街のお手伝いという感じかな。まだ時間もあるし、とりあえずやってみよう。依頼票を1枚受付に持っていき、依頼を受けた。
まずは『掃除手伝い』からだ。依頼主のところへ行き、玄関を叩くと、おばあちゃんが出てきた。
「あらかわいい坊やだね。今日はどうしたの?」
「この依頼票を受けにきました」
「おぉそうかいそうかい。ありがとうね。庭の落ち葉を集めて捨ててほしいんだけど、頼めるかしら?」
「わかりました。落ち葉はすべて処分しても大丈夫ですか?」
「処分しても大丈夫よ。いっぱいあるからよろしく頼むね。木の枝葉も切りそろえてくれると助かるよ」
庭に行くと、そこには落ち葉が大量に落ちていた。庭の木の枝葉も無造作に伸びていた。おばあちゃんはもう歳なので庭の手入れが難しいのかも。スキルを使って、ちゃっちゃとやっちゃいますか。
「まずは《簡易結界》、そして《並列処理》《ウインドカッター》×10」
スキルを唱え、庭サイズの簡易結界を作り出した。今回使用するウインドカッターによる近隣への被害を防ぐためだ。そして合計10個の風の刃を作り、同時に操って余分な枝葉を切り落としていった。
「次は《収集》、《圧縮》、《プチファイア》」
足元に落ちてある枝葉が足元に集まってきたかと思えば、小さく圧縮されて手のひらサイズになった。その後、プチファイアにてチリチリ燃えて消え去った。
「よし、これでキレイになった」
今回の掃除では全部で6つのスキルを使った。作業時間は約1分。すごく早かったけど、消費MPはなんと約300!地道に手作業ですると、2時間ぐらいはかかっただろう。私は時間をMPで買ったのだ。賢い選択だと思いたい。
「作業終わりましたよ〜」
「あらあら、さっき庭に行ったんじゃなかったかしら?嘘をついたらいけませんよ」
早すぎたのだろう、疑われてしまった。逆の立場だったら私も疑ってしまうので仕方のないことだが。
「ちゃんと掃除しましたよ。いっしょにお庭に行きましょう」
おばあちゃんを連れて庭へと移動した。
「あらまぁ、本当にキレイになってるわ。疑ってしまってごめんなさいね」
無事に納得してくれたようだ。よかったよかった。依頼票におばあちゃんからサインをもらい、冒険者ギルドへと向かった。
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