494. 八座との会議 パルフェをどうするか
薬の話もこれで終了。
次の話題は、海を渡りたいといいだしたパルフェたちのことだ。
これについては闇の座であられるリク様より説明があるみたい。
「パルフェたちだが、海を渡りたい意思は固いようだ。遊びに行くつもりではなく、海を渡って仕事をしたいようだな」
「仕事、ですか?」
「パルフェの主な仕事は、車の牽引役や農作業の手伝いなど力仕事だ。パルフェたちには力もある。うってつけの存在なのだ」
確かにパルフェはとにかく力が強い。
キブリンキ・サルタスたちだと6匹でも引っ張れないほど力が強かった。
でも、パルフェたちはこの島にとっても大切な相棒のはず。
そんな簡単に外に出してもいいんだろうか?
「これはキブリンキ・サルタスたちを借り受ける対価の一部として考えてほしい。モンスターを借りる対価をモンスターで支払うのも筋違いだろうが、パルフェたちが行きたがっている以上、なんらかの理由付けは必要だ。マクファーレン公国が引き受けてくれるなら、ぜひ連れて行ってやってほしい」
「うーん。一応、私の上司であるヴァードモイ侯爵様やマクファーレンのテイマーギルドには連絡を入れていますが、そちらの結果待ちです。私の一存で連れて行くわけにもいきませんから」
「いや、それでも十分だ。感謝する」
そのあと、パルフェを引き取ったあとの注意点を説明された。
まず大切なのは、パルフェを殺さないこと。
パルフェを殺してしまうと敵扱いになり、言うことを聞かなくなるそうだ。
それにパルフェの肉は筋張ってて美味しくないんだとか。
どちらにしても、パルフェを飼育する上で殺してしまうことは御法度のようである。
次に、パルフェはのんびりしているが人に飼われている間は仕事をしたがるらしい。
一時的に保護してきたパルフェたちも、なにかできる仕事はないかとリク様に詰め寄っているようだ。
かといって、いきなり増えたパルフェの分まで仕事はないのでとりあえず遊んでいるように指示をしているみたいである。
それで、キブリンキ・サルタスたちと遊んでいたのか。
納得した。
それから、パルフェからは乳が取れ、それを加熱殺菌すれば飲むことができるし、チーズなどに加工することもできるらしい。
本当に乳牛である。
チーズに加工するには技術者が必要なので、もしパルフェがマクファーレン公国に来ることとなった場合、職人も派遣してくれるみたい。
いろいろと便宜を図ってくれて助かる。
パルフェについてはこのような感じで、反対する座もおらず、マクファーレン公国の返事待ちとなった。
パルフェ、連れ帰りたいなぁ。
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