491. 八座との会議 農業関係の話

 教育関係の話はこれで終了。

 議題は農業関連の話へと移っていく。

 つまり、主な発言者は私である。


「リリィ様にお願いしたいのは、とある村1カ所の水源確保と各地へキブリンキ・サルタスたちを配置しても構わないかの許可でございます」


「キブリンキ・サルタスたちの件は承知しています。八天座の島としても受け入れてくださるんですよね?」


「そこは闇の座である俺から話そう。昨日、牧場に行ったときコミュニケーションを取ってみたが、非常に知性が高く理性的なモンスターだとわかった。パルフェが懐いていることからも、本質は善なのだろう。よって、八天座の島で受け入れることについては問題ない」


 よかった、ちゃんと受け入れてもらえるんだ。

 あとはどのように扱われるかだけど、その前に水源確保をしてもらいたいという村について聞いてみよう。


「キリ様、水源確保が必要な村は1カ所だけですか? あとから増えても対処しきれませんよ?」


「そこは大丈夫です。神官たちと連絡を取り合い、水資源が枯渇しているのはその村だけだという話になっていますから」


 まあ、1カ所くらいならいいか。

 対価はまたあとで決めるとして、もう少し具体的な情報がほしいな。

 わかっている範囲でなにか変わったことはないんだろうか?


「変わったこと……。そういえば、村の水源が涸れる数日前に大きな地震があったと聞きました。そのあとから水の出が悪くなり、最終的には水源としていた池が涸れたのです」


 地震か……。

 そうなると、地質が変わったとか地中に亀裂ができたとかで水の流れ自体が変わってそう。

 タラトでそれに対処できるかな?


「タラト、水源の深さや場所が変わっていたとして元の場所に水を出すことはできる?」


『うーん、状況次第かな。僕も水そのものを操っているんじゃなく、水を凍らせて地面の中に穴を空けながら進ませてるわけだし、元の場所まで戻せる保証はないよ』


 やっぱりか。

 まあ、そうなるよね。

 できるできないは大事なことなので、しっかりと伝えると、キリ様は場所が移動しても構わないので水源の復活を望んでいるようだ。

 古い村とかになると水利権とかそういうものもあるって聞くけど、それは大丈夫なんだろうか?

 キリ様が想像しているような移動距離じゃないと思うんだよね。

 こればっかりは現地に行って出たとこ対応かなぁ?

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