479. 明日以降の予定
お土産を買って帰ったら、ちょうど八座神の神殿からの使者が来ていた。
明日の予定は移動だけになるらしい。
大港島の反対側にある街に行き、そこから船で
天候が荒れなければ、夕方には大社島に着く予定。
大社島まではそんなに離れていないみたいだね。
「皆様には大社島に着いたあと、港街で一泊。その翌日、八座神の大神殿がある八天座の街まで来ていただきます」
「わかりました。大社島に到着した日には向かわないんですね?」
「さすがに島に着いた頃には日も暮れかけているでしょう。街道は整備されておりますが、星明かりだけを頼りに進むのは不用心ですので」
八天座の街まではそこまで離れてもいないみたいなんだけど、それでも弾丸ツアーをする様な距離ではないらしい。
途中の道は平原と畑沿いらしく、見晴らしはよくても目標となる様な光源はないようだ。
急ぐ商人ならともかく、わざわざ招いた国のお客様を1日で呼び寄せる意味もないよね。
当たり前といえば当たり前か。
明日の予定を教えてくれた使者の人とコウロさんは帰っていき、私たちは宿にある一室でプリシラさんたちと今後の予定を話し合う。
今後の予定といっても議題はほぼ決まっており、こちらの回答も決まっているので、簡単な意識あわせだ。
「さて、明日の予定は決まったけど明後日以降も大体決まっているから話しておくわ。天候が荒れない限り、明後日は八天座の街まで移動する移動日。その翌日に八座神の大神殿で八座の方々と顔合わせをしてそのまま歓迎会。歓迎会から1日挟んで八座相手の会談よ」
「主な議題は商人向けの教育とキブリンキ・サルタスたちの貸し出しでしたよね?」
「そうね。使者の方からそちらの話も聞いたわ。どちらも八座の間で積極的に受け入れを進めることになっているようよ」
「キブリンキ・サルタスの件は問題なかったんでしょうか。一応、モンスターなのに」
「懸念は出たみたいだけど、キリ様とビャク様が後押しして信用してくれたみたいね。マクファーレン公国内にあるあなたの学校には八座神の神殿が併設されているわけだけど、そこからも問題があるという報告は上がっていないわけだし、学校によっては頻繁にキブリンキ・サルタスが出入りしているでしょう? モンスターである以上、人と同じ理屈で動かないにしてもわかり合える相手、ということで納得されたみたい」
ふむ、なるほど。
キブリンキ・サルタスたちは、耕してもいい土地と出入りしてもいい土地を教えておけばあとは好き勝手に農業を始めるから、確かに同じ理屈では動かないな。
周りに被害を出さないことを前提に農業をしているし、元々が温厚で隠れ潜むタイプのモンスターなので自分から勝手に農地を広げることもないし。
隠しごとはできないけど念話でコミュニケーションを取れるから意思疎通もできる。
基本、モンスターの魔石どころか肉も食べないので既に住んでいる住人の食い扶持を減らす恐れもない。
本当に益虫だな、キブリンキ・サルタス。
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