476. お待ちかねの海鮮定食
「ラ・ポエダヌ・キッサー!{いらっしゃい!}」
あれ、聞き慣れない声なのに意味がわかる。
あ、これ、久しぶりの女神様チートだ。
こちらの話し言葉もわかるかな?
「こんにちは。食事いいですか?」
「ヌ? モリホ、ジンガ?{なんだって?}」
こっちの言葉はわからないのか、どうしよう?
「コリヨジャ。ショウホリホ{食事をしてもいいかと聞いているんですよ}」
「あ、コウロさん」
「こういうときのガイド役ですからね。通訳はお任せを」
「モイロ! ヤホザ、モンス?{もちろん! 後ろのモンスターたちも一緒に食べていくのかい?}」
「コウロさん、なんて言ってますか?」
「タラトやキブリンキ・サルタスも一緒に食べていくかと聞いているみたいです」
「え? 一緒に食べてもいいんですか?」
「この街は漁にテイムモンスターを使う漁師も多いので、テイムモンスターも普通に受け入れられているのですよ。さすがに蜘蛛のモンスターというのは珍しいでしょうがね」
まあ、蜘蛛のモンスターは海で働かないからね。
コウロさんに頼んでタラトたちの席も用意してもらう。
お勧めはなにかと聞いたら、海鮮定食だそうだ。
その日捕れた新鮮な魚を使い、刺身や焼き魚にしたものらしい。
刺身!
この世界で刺身が食べられるなんて思わなかった!
早速、コウロさんに頼んでもらったけど、本当に大丈夫か念を押される。
漁師町だからこそ生魚を食べるし、生魚を安全に食べる方法も知っているが、海外の人には抵抗があるんじゃないかと。
私はそんなこと気にしないから海鮮定食を頼んでもらった。
なお、アミラを含めたほかの人たちは焼き魚定食である。
タラトとキブリンキ・サルタスたちは生魚の切り身に挑戦してみるようだ。
タラトはともかく、キブリンキ・サルタスたちは珍しいと感じたが、せっかく新しい土地に来たのだからほかの仲間への土産話として食べてみるらしい。
注文を出してしばらく待っていると、ついに料理が運ばれてきた。
私の前には刺身を含む鮮魚の群れが並んでいる。
この赤っぽいけど虹色に輝いている刺身はなんだろう?
それから、白くてつやつやしているけど、光を反射して金色に光っている刺身も気になる。
あと、貝柱もあってこっちは真珠みたいに輝いている。
全体的になんだか神々しい。
それから焼き魚はなにか半円形の部分を焼いたものである。
こっちも脂がのっているのがわかり美味しそうだ。
全体的に健康でないと食べられそうにない食卓である。
さて、これらがなにかコウロさんに聞いてみるとするかな。
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