469. マクファーレンと八天座の島に配置するキブリンキ・サルタスの数
謁見が終わったら会議室で具体的な内容を詰めていく。
公王陛下から許可が出たため、マクファーレン国内各地にキブリンキ・サルタスを連れて行かなければならないからだ。
各地となると結構時間がかかるし、大変だな。
八天座の島に行くのも遅れてしまう。
どうしたものか。
「リリィ。お前がマクファーレン国内を回る必要はないぞ」
「え? いいんですか、ヴァードモイ侯爵様」
「私の責任で貸し出すことになっている。私が直接連れ歩いて命じることができることを示せば、相手も安心するだろう」
「……それもそうですね。じゃあ、国内はヴァードモイ侯爵様にお任せしてもよろしいでしょうか?」
「任せろ。お前はマクファーレン国内に散らばるキブリンキ・サルタスと、八天座の島に向かうキブリンキ・サルタスの説得に集中せよ」
うん、やっぱり頼りになるな。
それぞれどれくらい必要なんだろう?
八天座の島も多すぎれば脅威と見なされそうだし、難しいよね。
ビャク様はどう考えているんだろうか?
「総数ですか? おおよそ、50から100ほどお借りできれば助かります。もちろん、最初の年からこれだけの数を揃えていただく必要はございません。最初は希望された従魔たちだけで十分です」
八天座の島は最大100と。
マクファーレン国内はもっと多くて、領地の大きさにより一カ所20匹とかほしいところもあるそうだ。
でも、さすがにその数を用意することはできないから、最初は数匹ずつ送り込むことになる。
今年の秋も希望者が来てくれることに期待だね。
「配置計画はこれでよいな。あとはリリィがどう動くかか」
「そうですね。私は一度キブリンキ・サルタスたちを集め、今回の件を話して希望者を募る予定です。そのあとは……八天座の島に行くべきでしょうね」
「そうだな。国外に出る許可も公王陛下からいただいた。一度、国外に出てみるのもよいだろう」
「それは助かります。リリィ様は国賓としておもてなしいたしましょう」
「いや、さすがにそこまでしていただかなくても……」
国賓とかそういう柄じゃないんだけどね。
キブリンキ・サルタスたちを貸し出すならその契約主としてあいさつは必要だろう。
はじめだけでもきっちりとあいさつをしておかなくちゃ。
久しぶりに振袖の出番かな。
私はあまり人前に出ないから着て歩くこともないんだよね。
死蔵するにはもったいないから、今回の旅で使わせてもらおう。
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