467. 光の座
ある程度まとまった話をキリ様は持ち帰り、八座の間で話あってもらうこととなった。
そして、半月後、また八天座の島から来訪者がやってきたようだ。
今回は事前にヴァードモイ侯爵様とプリシラさんにも話を持ちかけ、面会日を決めたらしい。
今度は誰が来たんだろう?
ヴァードモイ侯爵家の会議室に案内されほかの参加者の到着を待っていると、プリシラさんやアリゼさん、少し経ってヴァードモイ侯爵様と翼を持った女の人とキリ様、コウロさんがやってきた。
はて、この女の人は誰だろう?
「待たせたな。まずはそちらの女性を紹介しよう。八天座の島の光の座、ビャク様だ」
「ビャクと申します。今回は水の座の独断行動でお手数を煩わせてしまい申し訳ありません」
「いえ。私はリリィと言います。ビャク様、光の座は教育担当と伺いましたが、その光の座がおいでになったということは話の進展があったのでしょうか?」
「あなたがリリィ様ですか。こちらの大陸での教育機関に八座神の神殿を併設していただきまことにありがとうございます。水の座が持ち帰った話ですが、こちらの国が引き受けてくださるのでしたらお願いしたいと考えます」
「商業ギルドギルドマスターのプリシラです。今回の意見は八座の意思決定と考えてもよろしいのでしょうか?」
「もちろんでございます。私も民の教育、特に最近多くなってきた海の外へ向かう商人の教育には頭を悩ませておりました。本来であれば水の座が行ったことは褒められることではないのですが、問題解決の糸口を見つけてくれたことについては感謝しています」
「わかりました。八天座の島に向かう人材のピックアップは既に完了しております。あとは彼らの準備ができ次第、八天座の島へ向かわせることが可能です」
さすがはプリシラさん、行動が早い。
断られる可能性もあったのにもう人選を済ませてあるんだ。
できる人は違うなぁ。
「ありがとうございます。それから、リリィ様。もしよろしければ、あなた様の従魔をお貸しいただけますでしょうか?」
「えっ? いいんですか?」
「はい。水の座からは農業に関して多大な知識を有していると伺っております。農業振興のためにもお力添えいただければと」
「でも、キブリンキ・サルタスたちって読心術が使えますから隠しごとができなくなりますよ? あと、従魔とはいえモンスターはモンスターです。契約主である私が遠くにいる状態でも大丈夫でしょうか?」
「そこについても八座の間で話し合いは済んでおります。リリィ様は進んだ知識をお持ちのようですし、そのような従魔を従え国の各地に配備しているのに悪用しているという話を聞きません。何卒、よろしくお願いいたします」
うーん、こればっかりは私の一存で決められる問題でもないんだよね。
ヴァードモイ侯爵様と公王陛下の許可を取らないと問題が発生する。
そっちがどうなるか、本当にどうしたものかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます