128. ドリーブズゴーレムの制圧方法
冒険者ギルドにドリーブズゴーレムのもろもろを預けた翌日、私たちは今日もアリゼさんに魔道車を用意してもらいドリーブズゴーレム退治へと向かう。
昨日と違うのは冒険者ギルドからも魔道車が一緒に来ることだ。
そちらには冒険者ギルドの観測員が乗っている。
顔合わせで聞いた話によると、自衛も出来るギルド職員が3人、氷属性の魔法使いひとり、雷属性の魔法使いひとりの5人構成だ。
ギルド職員のうちひとりは魔道車に残って見張り番兼非常要員、残りは私たちと一緒にドリーブズゴーレムを倒しに行く。
戦力が2倍なったからと言って2倍の量を倒せるとは限らないのが頭の痛いところ。
でも、今日はお試しでもあるんだし、行ってみるしかないよね。
昨日ドリーブズゴーレムを倒したところはさすがに数が減っているだろう、という希望を込め少し離れた場所で森に潜ることにする。
もっとも、こちらも一時間歩かないうちにドリーブズゴーレムに取り囲まれたわけだけど。
「あー、やっぱり、ドリーブズゴーレムは周囲を取り囲んでから出現するのかぁ」
「そのようですね。リリィ様、昨日と同じように樹上から氷魔法を連射してください。トモアは離れた場所にいる個体を雷魔法で」
「わかりました」
2度目ということであまり慌てることなく対処していく。
ドリーブズゴーレムはゴーレムとしてみると速い方だけど、それでも一般的なモンスターとしては動きが遅い。
まあ、なにが言いたいかというと、いきなり周囲を囲まれてパニックを起こさず、しかも安全に倒せる見込みがあるならいいカモでしかないというわけだ。
実際、戦闘は2時間くらいで終わったし。
冒険者ギルドから来ていた観測員たちだが、最初の頃は慌ててなにも出来なかった。
でも、慣れてくると積極的に討伐に参加していたので、これが普通だと信じてもらえるだろう。
さて、魔石と残存していた核を回収した終わったところ、今度は冒険者ギルドの観測員たちが中心となってドリーブズゴーレムと戦いたいといいだした。
時間的には余裕があるし、彼らに手伝ってもらえたおかげで私たちにも余裕がある。
私たちにも魔石や核を分けてくれるらしいし、お手伝いをしようか。
場所は森の奥には入らず、街道と並行して移動した先。
一時間ほど移動したところでまたドリーブズゴーレムたちに襲われた。
今回は冒険者ギルドの観測員たちも慣れたもので、四方八方に氷魔法を放ちつつ、木の隙間から見える離れた個体には雷魔法を飛ばしている。
接近戦をするふたりは、ひとりが氷魔法で凍りついたドリーブズゴーレムの破壊役、もうひとりがまだ凍りついていないドリーブズゴーレムの注意を引きつける役を担っているようだ。
彼らもパーティとして機能しているので、私たちの出番はあまりなかった。
多少は危なっかしい場面はあったんだけどね。
さて、ドリーブズゴーレムの魔石だが、私たちが相手をしたときに集まった数が746個、観測員たちが集めた数が547個、あわせると軽々1000個を超える大収穫だ。
逆をいえば、この森にはそれだけドリーブズゴーレムが密集しているわけで……。
冒険者ギルドの観測員たちは、私たちに魔石を観測員が集めた分のうち200個ほど渡すと慌てて帰っていった。
これからギルドで討伐隊を編成するんだろう。
私たちがどう動くかは未知数だけど、商業ギルド的にどうしたいか次第だね。
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