第28話 ストーカー

ある日の学校帰り。



「エリス様、あれはミレーネじゃないですか?」


少し先に歩いているミレーネの後ろ姿が見えた


「あのウェーブの掛かった金髪はミレーネよね?一緒にいるのは...アルトかしら?」


「アルトさんっぽいですね。ミレーネは用事があるって言っていたのに。」



ボクは少し嫌な予感を覚えた。

光属性を奪う為に何かを企んでいるアルト。

今後、光属性を習得するミレーネ。


2人が一緒にいるって事は、何か企んでいるの?


「フレア、申し訳ないけど、先に帰ってて。」


「エリス様...やっぱり気になるのですか?」


フレアはボクの光属性持ちも気が付いてたし、アルトの違和感に気がついてるみたいだった。


「うん...アルトはダメよ」


「ですね。ミレーネには釘をさしますね。」


「ボクからも言うけど、お願いね」


「エリス様。頑張って下さい」


「がんばるわね!」


ボクは2人の後を追うようにした。


「エリス様、待ってください。」


「どうしたのかしら?」


「学園では髪の毛を結んでますが、いつもの様に髪の毛を下ろしましょう。どっちも素敵ですが、普段見せていないお姿を見せると、アルトさんも喜びますよ」


「どうして喜ばせるのかしら?」


「男子のハートを奪うためには必要ですよ!」


「え??ち、違うわよ!そんなんじゃないから!」


「はいはい。頑張ってください!!」



フレアは勘違いしたまま、嬉しそうに走って行った……


剣術を習ってるフレアに足では敵わない……

まぁ、帰ったら誤解をとこう。



こっそりと2人を追うと、やはりアルトの家に向かっていた。あの時のボクと同じように裏庭で魔力のコントロールの練習?


アルトはボクの時のように魔力のコントロールを教えていたようで、暫く見ていると、回復薬をミレーネに飲ませていた。



あの回復薬は飲みやすくて、少し魔力が回復したような気がするのよね。


ただ...離れて見ていると、回復薬を飲んでからアルトと魔力が繋がった?


もしかして、あの回復薬って魔力を循環させて溢れださせる効果があるのかも知れないわね。


アルトの目的は光属性を身に付けること。

そして勇者になる?

未来のエリスを孕ませるようかことをしたのは何故かしらね?


それ以外は2人を見てて特に変わったことはない。

ボクの時もそうだったけど、ミレーネの魔力の循環は良くなってるしアルトがちゃんと教えてくれてるのは確かなようね。

自分でも実感があるから、手応えがあるのはミレーネの顔を見ていたらわかる。



(ねぇママ、あの人何してるのかな?)

(しっ!見ちゃダメよ。)



えっ?


走り去る親子を見て我に返った。


木の影からアルトの庭を覗いてるボクって……

前世でゆう所のストーカーじゃない!


違うっ!ボクはストーカーじゃない!!

ミレーネが心配で……



「あっ!エリスさまだぁ!!どうしたんですかぁ??」


我に返って木の影から出てしまった事で2人に見つかった...

アルトもこっちを見て手を上げてるし。


「た...たまたまよ?たまたま通りかかっただけよ」


「そうか、俺の家は待ち外れなんだけどな。何か用事でもあったのか?」



ヤバい!ストーカーって思われちゃう...


「そ、その...ほらっ、あれよ!次の休みにモンスター討伐に行こうと思ってたから下見よ。そう下見!!」


「へぇ、エリスは冒険者ギルドに登録してたんだな。登録してなきゃモンスター討伐しても素材は売れないし、街の外に出る事も大変だぞ。」


「えっ...」


知らなかった...


「エリスさまっ!次の休みは私も行きます!!」

「ミレーネも行くのか。なら俺も……」

「ダメよ!」

「えっ?」

「女の子同士で泉に行こうと思ってるから...男子はダメよ?」

「そうか、水浴びするのか。なら仕方ないな」



なんとか、誤魔化したけど。

街の外に出られないんだ...


ヴィンスネーク公爵に相談したらなんとかなりそうよね。

その前にフレアとシャルとクロエにも声を掛けてみよう。




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