第26話 魔法の実習
「あーっ!くそっ、当たらねぇ!!」
アンジェリカ先生が飛ばした無属性魔法の玉に当てる実習なんだけど、最初の男子は苦戦していた。
5メートルくらいの高さで動きもそんなに早くない。むしろノロノロ……
「ノーザン君、ちゃんと先生の玉を見てね。火属性魔法を大きくしてもいいのよ?」
「わかってますけど……多き過ぎたら先生の玉を破壊できないですよ。でも、ギリギリまでは!《炎の精霊よ、力を与えたまえ、ファイアーボール》…………当たらねぇ!!……あっ!1発当たった!!よしっ!!」
「良かったね。オレンジ程の大きさまで調整できるのは流石特進クラスに入っただけあるわね。じゃあ、次はCクラスから来たミレーネさんやってみようか。」
「はいっ、よろしくおねがいします!」
《エアカッター》
ミレーネの周りには空気が変わり、スカートが靡いた。
《エアカッター》
ミレーネは1つずつ確実にアンジェリカ先生の魔法の玉に命中させた。
「やったぁ!全部当てましたよぉ!!」
「ミレーネさん、すごいじゃない。上級魔法も使えるの??」
「いえ、まだ使えません。」
「魔力の循環を良くしたら、もっと魔法の種類を増やせそうね。それに詠唱も省略するなんて、随分と慣れているのね」
「はいっ!エリス様の魔法を見ていたら、理論さえ理解していたら詠唱は省略しても良いとわかったんですよぉ!!」
「ならエリスさんも凄いのね?先生は期待して見ちゃうわね」
「エリス様のアースボールはイチゴサイズにも出来るんですよ!」
「いや...わたくしはそんなに...」
「エリスさんには少し玉のスピードを上げて、こっちからも攻撃するからしっかりとお願いね。」
なんでボクだけ...
ミレーネも余計な事を言って、もぉ!あとでお仕置ね...
アンジェリカ先生の作り出した無属性の玉はさっきよりも早くなり、それがボクの方に攻撃してきている。
それをバックステップで躱して、簡単な魔法で玉に当てたらいいのよね?
《
1メートルくらいの岩の壁を作り出して、その壁に残された魔力を自分の身体と併せて循環させた。
玉はあそこね。
玉を到達点に設定して、アースウォールの向こう側から、アースボールを放った。
それは弧を描くように玉に向かって、全て命中させた。
「できたわ!」
周りは静まり返り、最初に口を開いたのはアルトだった。
「流石エリスだね」
「え?流石って普通じゃないかしら?」
「アースボールがあの小ささで威力がある事もだけど、まさかアースウォールから発射させるとはね。驚いたよ」
「アルト君の言う通りね。先生もびっくりしちゃったわ。アースボールもまるで生きてるみたい。」
「それは、到達点を定めたら追撃してくれるから
普通じゃないですか?」
「「……」」
みんな黙って苦笑いをしてる。
「そんなこと出来るのは熟練の魔法士とエリス様くらいですよぉ?当たるまで軌道をコントロールすることが難しいんです……」
「え?へへっ。たまたまよ...たまたま。」
「たまたまで出来たら魔法士はくろうしないわね。エリスさん、あなたは想像以上ね。じゃあ、次はクロエさん。やってみようね」
「はいっ!エリスさんみたいには出来ませんけど、頑張ります!!」
クロエは水魔法を使って、少し時間が掛かったけど全て玉に命中させた。
「やっぱり特進クラスね。学生で水魔法を使えるのはびっくりしたわ。あとはコントロールを学ぶと良いわね。次はアルト君、やってみようか。」
アルトは魔法で無属性の剣を作り出して、玉を切り裂いていった。
「アルト君は魔法剣をだせるのね。跳躍力も身体能力も持ち合わせていて、あなたも流石特進クラスのようね。」
「シャルロッテさん、剣術がお得意のようですが、貴女もやってみますか?」
「はい、私もやってみるわね。」
剣術なら学年で1番であろうシャル。
シャルもアンジェリカ先生と同じ無属性の玉を作って撃ち落としていった。
「剣術だけじゃなく、魔法も出来るのね。流石ですね。」
ボクも驚いたけど、アンジェリカ先生もシャルに驚いていた。
そのあと、全員やったけど、ちゃんと全てを撃ち落としたのは、ミレーネ、ボク、アルト、クロエ、シャルだけだった。
授業が終わる頃、アルトはミレーネを見つめていた。
「もう1人、特別な人材がいるとはね。」
ボクの耳にアルトの呟きが聞こえた。
1週間後、ミレーネとフレアは特進クラスへとやってきた。
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