第25話 近い未来の夢
「エリス。君は特別な力があるようだね。俺の目に狂いは無かったようだ。」
「アルト……あなたは一体……?」
「気にしなくてもいいさ。俺と君は結ばれる運命にはあるんだ。ボクの言う事を聞いてきたら、君はもっと高みにいけるんだよ?」
「アルト……」
これは夢?……だよね??
処刑ルートじゃなく。近い未来のボク?
それになんとなく分かる。ボクはアルトに惹かれている。
理由はきっと、魔法の訓練なんだろう。
ボクの魔力の流れを教えてれてるのだと思う。
そして場面は変わり、また第三者目線。
訓練で疲れ果てて寝ているボクがいた。
それをベッドの隣に立って見ているアルト。
「エリス……準備は整った。君は素晴らしいな」
アルトがエリスの服を脱がせて、魔法薬?
それを身体に塗った。
ボクの身体は光り輝き、魔力が身体全体に巡り。
アルトの魔力と反応してアルトの身体へと入り込んだ。
「はははっ!やっと光属性を手に入れる事が出来た!素晴らしいぞ!!」
アルトは光属性を持ってないの?
ボクからその力を奪い取った。
それで勇者になった……
「もう少し、エリスには役立ってもらおう」
アルトがエリスの頭に手を当てて、洗脳してるの?
そこで夢は終わった。
薄暗い部屋の中。
隣のベッドにはアーニャが眠っている。
アルトはボクから光属性を奪って勇者になった。
多分、この先は処刑ルートに繋がっていると思う。
キーマンはアルト。それは確かだと思う。
なら、アルトに隙を見せないように気を付けたらいいって事ね。
でも準備とは一体なんなのかしらね。
その日から、学園でアルトに話しかけられてもボクは受け流すようにしてアルトとの距離を置くようにしていた。
それに最近は魔法の授業も始まったから、アルトに教えて貰わなくても魔力の流れとか教えてもらえるし。
「エリスさん、次は魔法の時間ですよ〜」
「クロエは一緒だったわね。シャルは剣術でしょ?」
「そうよ。私は魔法は苦手なのよ。最近はフレアも授業に参加してるし、あの子が特進クラスに来る日も近いわね」
最初はみんな、剣術や魔法を一通り習っていたけど、特進クラスは実習の時間は自分で選択出来るようになっていた。
他のクラスでも能力のある生徒は実習に混ざれるし、成績が良かったら特進クラスへ来る事も可能なんだよね。だだ、入れ替わりだから、特進クラスから去る人も当然いるし、そこは競走社会になっている。
特進クラスで卒業出来ると、就職しやすいし、国の騎士団や魔法師団への入隊もしやすくなるから、みんなその為に頑張ってる。
「はーい、みんな実習を始めるわよ〜集まって!」
ウェーブの掛かった金髪のロングヘアーの女性。
この人が魔法の先生のアンジェリカ先生。
どうも、この先生は好きじゃない……
だって……
(今日もアンジェリカ先生すげぇな!ワイシャツがはち切れそうだぞ)
(美人であのおっぱいは反則だよな。)
「今日は魔法の迎撃の授業よ。先生の作り出した魔法の玉を撃ち抜いてねぇ。 その為にはしっかりとしたコントロールが必要よ。」
魔法を唱える為に両腕を前に押し出して、巨乳のアピール……
前世なら男子と同じように喜んでいたかもしれないけど……
胸の小さなボクには嫌味にしか聞こえないんだよね。
「あと、今日はCクラスからも1人参加するわよ。仲良くしてね!」
(おぉ、めっちゃ可愛いじゃん!)
(エリスやクロエもいいけど、あーゆうのもいいな!)
紹介された生徒……
先生と2人で巨乳がならんでる……
まぁ、こっちは嫌悪感はないけど。
「エリスさまぁ!!やっとご一緒になれましたねっ!」
「ミレーネ、あなたも呼ばれたの?」
「はいっ!この前のCクラスの実習の時に特進クラスの実習に参加した時に言われたんですよぉ!」
「良かったわ!お互い頑張って特進クラスになりましようね!」
「へぇ、この子もエリスの友達なんだね。この間のフレアもだけど、君の周りには優秀な人がいるんだね。」
「あ、アルト...」
誘いにはやんわりと断ってるけど、だからと言って無視したりする訳じゃないから学校では話しかけられる事はある。
「はーい、いつまでも話してないで実習をはじめるわよ!」
アンジェリカ先生の呼び掛けで授業が始まった。
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