第21話 特進クラス
王都に来て数日。
ボクたちはシェパード高等学園に入学した。
ボクは特進クラスと呼ばれる30人ちかくの生徒と学園生活を学ぶ事になる。
フレアとミレーネは通常クラスなんだけど、成績次第では特進クラスへ移ることがあるらしい。
どうせなら、3人で同じクラスになりたいし。
2人には頑張って貰わなきゃね!
1学年800人くらいかしらね。
その中で30人に入るのだもの。未来の事を考えたらフレアもミレーネも入れてもおかしくないわよ!
「はい、みんな席に着け。って着いてるか。俺は特進クラスの担任になるフロイドだ。まぁ担任っても俺が担当する事は剣術だけどな。この学園の中では貴族と平民も関係なく生徒だ。貴族の特権を使おうとすると退学も有り得るから気をつけろよ。まっ、とりあえずこの1年よろしく頼むぞ。」
なんか、王立の学園なのにずいぶんと軽い感じの先生ね。
学園内では貴族も平民もみんな平等だから、その位の対応がいいのかもしれないわね。
ボクは後ろの席なんだけど……
なんか、みんなチラチラと視線を向けてくるのよね...
女の子の制服なんて着るのは初めてだから、何かおかしいのかしら?
白いワイシャツも綺麗だし、襟のリボンもちゃんとついてる。
ブレザーも普通に切れているわよね。
もちろん、スカートも履いてるし。
どうしたのかしら?
「そうだ、後ろの席のエリス。お前、今日からクラスの委員長な。しっかり俺のサポートをやってくれ」
「え?わたくしですか?」
「そうだ。お前は実績を買われて学園の入学が決まったからな。ほかの奴らとは違って試験も受けてないだろ。しっかりクラスをまとめてくれな」
なるほど。
この視線は試験を受けていなくて、知らない人といった感じの視線なのね。
自分たちから言わない限り家系や出身の事も学園側からは言わないし、ボクがクライバート領を改革した事もみんな知らないのね。
普通に考えて入試ってあるもの、ボクは公爵のコネ……裏口入学と思われてるのかも知れないわね。
気を付けなきゃ。
先生が退出すると、隣の席の黒髪のロングヘアの女の子が話しかけてきた。
「あの...エリスさん。私はクロエです!よろしくお願いします」
「えぇ。わたくしはエリスよ。分からない事だらけなので、こちらこそお願いいたしますわ。」
黒髪に黒い瞳で可愛らしい顔をしてる。...日本人みたいで羨ましいなぁ。
「私はシャルロッテよ。シャルで良いわ。よろしくね。エリス、クロエ」
前の席の金髪の女の子が振り返って話しかけてくれた。この人も美少女だし。
それに、スラムの人や平民の一部の人は苗字が無いから、この学園では苗字は言わない事がルールなのよね。
「シャルさんもよろしくお願いします!私は田舎者だから...お2人のように美人さんが多くてビックリしちゃいました」
「クロエだって美人じゃない。でも、エリスには敵わないわね。みんな興味津々で見てるじゃない。」
「ほんと、お人形さんみたいですよね!」
「そんな事ないですわよ...」
(おい、エリスさんが笑ったぞ)
(このクラスに入れて良かった)
もしかして……
チラチラ見られてのって……
なんか緊張してきた……
退出した先生が戻ってきてドアから顔をだした。
「そうだ、忘れてた。エリス配るものがあるから着いてきてくれ」
「あ、はい!」
みんなボクを見てる…
領民とは違うし...慣れて無さすぎて人見知りのボクが姿を現してるよ。
「早く行かなきゃ先生が待ってるわよ?」
「頑張ってくださいね。エリスさん!」
「う、うん」
「おい、エリス早く来い」
「はいっ!」
ボクは急いで立ち上がって、机の間を通り抜けようとした。
ドンッ……
「いたっ……」
慌ててド派手に転んじゃった。
(白!)
(これが最近流行りの下着!)
(ぐへへっ...夜のオカズ……)
「エリスさん、大丈夫かい?」
「あっ、ありがとうございますわ」
起き上がらせてくれた男子……
「俺はアルトだ。よろしくな」
アルトだった。後に勇者認定されてボクを洗脳する、あのアルト!
「わたくしはエリスです...」
「ちょっとエリス大丈夫?」
「うん、シャルもありがとう」
「エリスったら、意外とドジなのね。顔を赤くしちゃって。あら?アルトを見たからかな??」
「ち、違うわよ。恥ずかしくて」
「ははっ。気を付けるんだぞ」
中身は40歳童貞。
なのに、アルトを見てドキッとしてしまったのは……
やっぱり...アルトは気を付けなきゃ。
ボソッと聞こえたけど、流行りの下着って認知されてるんだ!
アルトの事なんかより、クライバート産の商品宣伝の方が大切よ。
でも、ボクをドキッとさせるなんて。
アルトは一体何者なの?
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