シェパード学園編

第19話 王都に着きましたわ


「お嬢様。王都に到着致しました。我々はクライバート領に戻りますので、王都でのご活躍を楽しみにしております。」


「大所帯での護衛を感謝致しますわ。帰り道も気を付けて無理をしないようにお願い致しますわ。」


王都へ続く門の手前で護衛の兵士と別れた。

流石にこの人数の兵士が王都の中に入る訳にもいかないから、ゆっくりさせてあげられなくて申し訳無いけど、お見送りをした。


門番にペンダントを見せると、すんなりと門を潜ることができ、1人の女性がボクたちを出迎えてくれた。



「エリスお嬢様。ようこそ王都スタンシーへ。お待ちしておりました。お久しぶりです。」


「アイリス様。お久しぶりです」


「お嬢様の開発した下着が王都では爆発的な人気になっているんですよ!騎士団の女性団員はスパッツを好んで履くようにもなりました。少しずつ水道も出来始めて、お嬢様の開発した物が王都に溢れかえりそうです」


自分の欲求のために作ったものが街に溢れるって素直に嬉しいわね。


「それはとても嬉しいですわね。皆様の生活のお役に立てて良かったですわ。」


「商業ギルドに技術開発局大臣のヴィンスネーク公爵がお待ちになられています。ご案内致します」



王都は中世ヨーロッパのような街並みで、クライバート領よりも遥かに大きく、そして人も沢山いた。


嫌でも目につく大きなお城...


「あちらは国王様のおられる、お城です。ヴィンスネーク公爵もクライバート男爵もこの中で働いていたのですよ。」


「お城って王様が住んでるだけじゃないのですね」


「そのようですね。国の重要な機関はお城の中にありますから。ここでスタンシアラ王国が成り立っているのですよ。」


「ギルドは違うのですよね?」


「はい!我が商業ギルドも冒険者ギルドも国とは違って独立した機関です。とはいっても、商業ギルドと冒険者ギルドは上で繋がっていますので、協力関係にあるんですよ。それもあって、それぞれの国に支部が存在してるんですよ!」



お城の周りの建物をみていると、花壇に水を散布していたりと、この辺りは水道が徐々に出来上がっているようだし、ショーウィンドウに下着が飾られていたり、ボクがこの世界来てから5年で少しずつ良くなってきている。そんな気がした。


飲食店や宿。

そんな商業施設が立ち並ぶ地域にも3階建ての大きな建物が見えてきた。



「エリスお嬢様。こちらが商業ギルドスタンシー支部です。ヴィンスネーク公爵がお待ちです。どうぞこちらへ」


煌びやかな装飾のある建物内。

階段を上り3階の応接室へと入った。



「おぉ、お前さんがエリス嬢か。ワシは技術開発局大臣のヴィンスネークだ。長旅ご苦労であったな」


「お初にお目にかかりますわ。ヴィンスネーク様。ダグラス・クライバートの娘のエリスですわ。お忙しい中のお迎え感謝致します。こちらは従者のアーニャ、フレア、ミレーネでございます」


「いやいや、エリス嬢のおかげで王都も明るくなったんだ。技術開発局としても新たな取り組みが出来て楽しいのだよ。それに、従者の者たちも疲れている中悪いな」



3人も緊張した面持ちで公爵にきちんと挨拶をしていた。



「今日はひと目見て挨拶をしたかっただけだ、あとは寮に行ってゆっくりすると良い。落ち着いた頃に技術開発局にも案内しよう。」


「ありがとうございます。楽しみにしておりますわ。」



公爵との挨拶を済ませて、アイリス様に案内されて王都の学園...王立シェパード高等学園へと向かった。



「お城って裏側も綺麗にしてるんですねぇ!!」

「裏側は演説とかをするのかもしれないですね。踊り場から見下ろす感じで広がる、広い敷地に人が集まれそうですよ」



ミレーネとフレアはお城を見て楽しそうにしていた。


「エリス様?どうかなさいましたか?」

「ううん、アーニャ、大丈夫よ...」



たしかに綺麗なお城で国を象徴する建物なんだけど。


あの広い広場……

処刑ルートのボクが処刑された所。


ボクの視界に広がる景色は忘れもしない、あの夢の背景と重なって見えた。


メイドである、アーニャはボクの貴族用の寮へと案内されて、ミレーネとフレアは一般の寮へと向かった。



「エリス様、片付けは私がやっておくので、少しおやすみ下さい。」


「えぇ。悪いわね。少し眠るわね」



気分が優れないまま、ボクは眠りについた。




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