第16話 王都への出発
屋敷の前に1台の馬車が到着した。
「エーリースーーー!!」
「お帰りなさいませ。お父様。」
お父様のクライバート領への復帰。
軽く会釈をしてから、ボクは横へ飛んだ。
ドテッ……
「な...何故躱すのだ?エリスよ。」
「むしろ、何故躱されないと思うのですか?」
「それは、お前とお父様が親子だからではないか!」
「エリスはもう15歳なのですよ?いつまでも子供ではありません。」
「ぬっ!反抗期というやつか?これが反抗期...お父様は寂しいぞ!」
「旦那様お帰りなさいませ。お荷物をお部屋へとお運び致します」
「うむ。ジョセフよ。長い間ご苦労であった。本日から領主として、俺がこのクライバート領を盛り立てていこう。」
ボクへの接し方と他の人への接し方は違うのはわかるけど。
このスイッチの切り替えだけは、いつ見ても凄いと思う。
「旦那様。この度はあたしも王都の学園に入学させて頂くことになり、感謝致します。」
「おぉ。フレアか。何も気にする事はない。お前には剣術を通してエリスの護衛としても期待しているからな。しっかりと剣の稽古に励むといい。」
「ありがとうございます。」
「エリスもだが、フレアよ、お前は剣士なのだろ?その割にはスカートが短すぎやしないか?剣士はズボンでも良いでは無いのか?」
「領内で開発したスパッツというものがあります。この格好の方が身動きがとりやすいのです。王都ではスカートの下にハーフパンツを履いていると聞きますが……」
「お父様!ハーフパンツは可愛くないですし、フレアは綺麗な足を出している方がいいのです。」
「しかし...怪我をしてしまわないか?」
両親を亡くしたフレアに対しても、お父様は父親として接している。そして、ボク程ではないが親バカになりつつある……
フレアは従者としての気持ちが強いから、ボクに拒否されたお父様の抱擁を躱すことはしない。
以前、ボクが引き離そうとしたら、お父様にヤキモチか?って言われたから、助け舟を出す事が出来なくなった。
というよりも、親に甘える時間の少なかったフレアは少し嬉しそうにしてるし、見守ってあげるべきなんだと思う。
「エリス、フレア!2人ともお父様とお風呂に入るぞ!」
「「嫌です!!」」
フレアがちゃんとNO!と言える子で良かった。
「フレア、来週にはボク達は王都に出発しますわ。しっかりと準備をしなさいね」
「かしこまりました。エリス様。」
「ジョセフよ、娘達が冷たくないか?」
「いえ、適正な反応だと思います。」
「お前までそう言うことをいうのか...」
「ですが、少しくらい親子の再会を楽しませてくれても良いとは思います」
「だろ?だろ??そうなんだよ!!」
お父様とジョセフの意見が妙に合いそうだから、無視してアーニャとフレアを連れて屋敷へと入った。
来週からはボクらは王都の寮に住むことになるし、準備しなくちゃね!
コンコン...
「エリス、お父様だ。少し良いか?」
「はい。」
1人で部屋にいると、お父様がやって来た。
「王都についたなら、ヴィンスネーク公爵にご挨拶に行きなさい。色々と手を回してくれたのだ。エリスからもお礼を言うのだぞ」
「はい。もちろんですわ」
「何かあれば公爵を頼るといい。まぁ、本人は公爵としてではなく、技術開発局の大臣として接したいらしいがな。」
「エリスにできる事があれば協力はします。」
「ふむ。公爵も王様も王都のスラムを改革したいようだ。クライバート領のように熟知した土地でも無いし、塀の中の土地は限られている。難しいとは思うが協力してさしあげなさい。」
「はい。出来うる限り努力しますわ」
「あと、このペンダントを付けて行きなさい。王都への通行手形の役割にもなるからな。」
青く輝く魔石の付いたペンダントをお父様から頂いた。
それから数日後、ボク達は王都に向けて出発した。
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