第12話 あれから3年
あれから3年。
ボクは14歳になった。
もちろん、身長も伸びたけど。
やっとブラジャーを付ける意味を少しだけ実感出来るようになった。
てか、処刑ルートのエリスはアーニャよりも大きかったし。
いつか、成長するよね??
まぁ、そんな事よりも。
ワインの街クライバートと呼ばれる程、ワインの生産が上手く行った。
小規模の学び舎だった学校はワイン、野菜、下着の利益で1年後には大きくなり、各職場への実習も行って良いサイクルが出来上がってきていた。
もちろん、既存の領民以外にもクライバート領へ引越ししてくる人達もいて、街も大きくなった。
スラム街?そんな物は存在しない。
利益が出た時に1番に改善したから、綺麗な街並みになってるし、男爵家の費用で孤児院も設立した。
自分で言うのもなんだけど、すっごく頑張ったと思う。
休みも寝る時間もあったから、前世と比べると肉体的な疲労はすくないわね。
たまに病んじゃうくらいな物で、上に立つものとして当然よね。
「エリスさまぁ!!お花が枯れちゃったのでヒールを掛けたら元気になりましたぁ!!」
「ミレーネは優しいから回復系の魔法も使えるのね。凄いじゃない!」
「私よりもエリスさまの方がお優しいですよっ!!」
学校の魔法の時間で能力を開花した同い年の女の子。いずれ聖女と呼ばれるミレーネもいた。
未来のエリスは反面教師...
ボクは最大限、ミレーネには優しくする事に決めた!
フレアとミレーネと仲良くする事でボクを捕らえる元凶が居なくなるのだもの。
ボクだって必死だよ!
「もぉ、ミレーネ?お花に優しくして花壇に入るのは良いけど泥だらけよ?お家に帰ってお風呂に入りなさい?」
「はいっ!エリスさま、また明日学校で会いましょうね!」
学校で……
お父様とクライフ様に投資をするかわりに、ボクも学校に通う事を条件として出された。
人財も育ったし、商業ギルドからの応援もある。
だから……15歳になったら、ボクも王都にある学校へと入学させられる...
忙しいけど、楽しいのに...
あとあとあとっ!!!
王都の公爵...技術開発局の大臣から圧力を掛ける魔道具と魔石を貰う事が出来た!
圧力を掛けて、それぞれの家に水道を通して、どの家庭でもお風呂を楽しめるという事を伝えると、目の色を変えて、すぐに貰えたらしい。
定期的に山にあるタンクに浄化魔法を掛けなきゃいけないけど、水汲みという重労働と無駄な時間を削減して働ける環境をつくった。
今後は王都にも水平展開するらしい。
そこで、技術開発局大臣の出した条件はボクの王都の学園への入学……
開発に携わるなら、聖女ルート...
いや、処刑ルートからは外れるし!!
ミレーネには頑張って聖女になってもらわなきゃね!
という事で、半年後に迫った王都出発の為に色々準備をしている。
連れていくのは、アーニャ、フレア、ミレーネの3人。
領民の皆もボクの王都の学園行きを応援してくれている。
お父様を除いて...
領内に男爵家の人間が居なくなることと、農地や配水施設の技術向上の為にお父様がクライバート領に戻ってくる事になった。
技術開発局クライバート支局。支局長という肩書きも増えたんだけどね。
全然考えていなかったんだけど、配水のお陰で農地も天候に左右される事が減った。
雨が降らなくても水を与えられるようになって領民たちはボクをおだててくるから、ちょっと歯痒い...
そして、ボクの知らない所では……
「ようこそおいで下さいました、ヴィンスネーク公爵」
「おう、学園長わざわざ出迎えすまないな。」
「滅相もありません。して、今日は技術開発局大臣としてのお目見えですか?」
「そうだ。来年度からくる者への待遇の話をな。」
「あの、クライバート男爵のご令嬢ですね。もちろん特進クラスを用意しております。なんせ、齢10歳からクライバート領を改革したクライバートの聖女ですから。高待遇をもてなしますよ。最高級の寮も作っております。」
「それがな?クライバートの話ではそうゆうのは好まないらしい。民と共に歩む精神をもっており、自身の料理も無駄を無くすために質素な物を好むらしいぞ。私利私欲よりも民の為。まさに聖女だ。ワシも見習わねばな。」
「なんと...ですが、特進クラスでなければ、そのような者には退屈でしょう。寮は通常の貴族の物を用意します。」
すでに聖女として認知され始めていたのだった。
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