第9話 新たな従者フレア

「お嬢様?あたしはどうなるのでしょうか?」


「フレア、あなたは合格よ。でも、農地での勤務じゃなくボクのそばに居てもらうわよ。少し身体は辛いかも知れないけど頑張ってね」


「えっ……」


フレアは少し血の気の引いた顔をしている...

きっと、友達にも散々言われていたし、ボクの言い方も悪かった...

単純に剣士の護衛として雇いたいだけなんだけど...ね?


「ところで、フレアのご両親はずっと冒険者をやっていたのかしら?」


「あたしが産まれる前は王都で騎士団に入っていたようです。でも、あたしが産まれて時間を作る為に冒険者になって……モンスターに殺されてしまいました...」


「辛いことを思い出させてごめんなさい」


「いえ、そんな!もう5年前のことですから。あたしが7歳の時の話なので」


「なら、12歳ね。ボクもそろそろ11歳になるし、1つ上かしらね。その年齢でよくスラムで耐えたわね」


「はい...ですが、出稼ぎに行って帰ってくる大人も居るんです。なので子供だけでは無いです。15歳になると娼館の人が来て王都で娼婦の仕事を紹介してくれるんです」


「...そう。」


やっぱりスラムの女の人はそうなっちゃうんだよね。

出来るだけ早くみんなに領内での仕事をさせてあげられるようにしなきゃ。

今のボクではこの子達になんて言葉をかけてあげたら良いか分からなくて。

話題を変えて屋敷へと戻った。



「着いたわよ?フレアどうしたの?」


「いえ、あたし...汚い格好なのでお屋敷には...」


「気にしなくていいわよ?」


「でも!」


まぁ、スラムの子供からすると貴族の屋敷は敷居が高いわよね。


ボクは地面の砂を頭から掛けて、自分を汚した



「エリス様!何をさなるんですか!!」

「ほらっ、アーニャも汚くして!!」

「えっ!!エリスさまぁ...」


「フレア?ボクたちも汚いから気にしないで!」


屋敷に入るとマリンとかメイド達は驚いていたけど、口うるさいジョセフはいないし、そのままお風呂へと向かった。


「お嬢様...ここは?」

「お風呂よ?初めて見るかしら?」

「はいっ!」


フレアの目が輝いてる。

分かりやすい子だ。


「アーニャ、フレアをお風呂に入れる準備をしてくれる?」

「かしこまりました。フレアさん、脱がしますね。」


スラム出身という事で、清潔感のない下着。


だけど、体脂肪率が低いんじゃないかと思う程、筋肉があるのがわかる。

痩せてることもあって、腹筋は少し割れてるし、腕や足も引き締まっていた。


ボクの方が1歳年下だけど、おっぱいは同じくらいね。



「お嬢様...そんなに見られると恥ずかしいです」

「鍛えてるのかしら?」

「はい、今は木の棒ですが、剣術は両親との思い出なので。」

「そっか。おいで、お風呂に入るわよ!」


フレアの手を引いてお風呂へ入った。


「エリス様!私がフレアさんを洗いますよ!」

「いいの。これからはフレアに護衛として訓練してもらうんだから、ボクからの最初の労いよ。アーニャも後で洗ってあげるわよ」


「えっ...それはダメです!!」

「洗わせてちょうだい。感謝の気持ちよ」



だって...女の子の思想が占拠してきても、話す度にプルンプルンしてるおっぱいを触りたいんだもん!


「うっ...うっ...」

「フレア?どうして泣いてるの?」

「お風呂が...夢だったんです」

「ふふっ。そうなのね。これからは訓練で汗をかいたら入ってもらうわよ!」

「……はいっ!!」


アーニャのおっぱいを堪能したあと、3人で浴槽で身体を温めてから上がることにした。



「エリス様、フレアに屋敷のルールと着替えをさせる為に連れていきますね」


「うん、アーニャ宜しくね。出来れば剣術の先生も付けてあげて!ボクはお父様が帰ってきたら農地の話をするから。」



屋敷で1人になると、ボクは必ず倉庫に行くことにしている。

そこには歴代の領主が集めた本があり、家庭教師から学べない事を学ぶことも出来る。その中でも魔法についての本を読んでるんだけどね。


教師から学ぶ事って小学生レベルの事ばかりだし、年齢的にそうなのかと思ってたら、この世界の文化が遅れてるってだけ。

貴族の令嬢だからこれでも高等学部の勉強らしい...


あとはなるべく光属性は隠れて使う事にしてる。

だって...聖女のレッテルを貼られたら偽聖女の処刑ルートまっしぐらでしょ?

なら、聖女と呼ばれないように振舞ったらいい!

我ながら良い考えに至ったと思う!

でも、捕らえられそうになった時に逃げられるように魔法の訓練はしておかなきゃね!


という事で!


書斎に眠る魔法書から魔法を覚えているのだ!

不思議と全ての魔法がボクには扱えるようで、普通の人よりも属性も多く?てか、全属性使えるっぽい!


ヒールとか回復系は無属性魔法に属してるみたいだけど、光魔法でも回復系を唱える事が出来る。その効果は無属性のそれよりも数倍優れているという...

絶対に見せちゃダメだね……


ただ、何も無い所から液体などを作り出すことは出来ないみたいで、魔法も万能ではないようだね。

火とか雷。あとは土は魔力量に応じてそこら辺の物から物理変換出来るみたいだから使う人が多い。


1番欲しかった水魔法は……

この世界では上級魔法に位置しているし、ボクも貯水しなきゃ使えない魔法だった。


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