第023話 再 会(サプライズ)
アークウェット元大尉は、その二日後にやってきた。
彼女への連絡は、ヴァンタム星系に到着してからすぐにおこなっていた。
アークウェット元大尉、いやミランダ先輩は、
ミランダ先輩が軍を除隊したことは、連絡をとったときに聞いた。二〇代で大尉という、あまり例のない出世コースに乗っていたのに
時間よりはやく
藍色の髪を持つ文官メイド――モニカ・イースリーが、
「ご主人様、前方に
その三〇分後には、船影が確認できる距離にまで接近した。スクリーンに拡大投影された真紅の宇宙船には、《ロンデニオン商会》のロゴが白抜きされている。なんとも派手な宇宙船だな。
全長は約二〇〇メートルだという。一人で来るには大きすぎる宇宙船だ。
「あの
マルガがそう判断する。
俺は
「こちらモビィ・ディック、アーシェス・レーン。聞こえますか?」
初めて耳にする船名より
『――こ、こちらルージュコメットⅡ、ミランダ・アークウェットだ。突然出てきたな、ファルターク。いったいどうなっている?』
いきなり出現したラースガルドに驚いているのだろう。先輩の声が少し
「詳しい説明はあとでします。ここから先は他の者に誘導させますので、その指示にしたがってください」
『……りょ、了解した。指示を
俺は
第〇〇四宇宙港の
「なかなか
俺が藍色の髪をした文官メイドに感心していると、
「あの程度のことでしたら
「俺は最近、誰かのせいでハッチを見ると鳥肌が立つようになってしまったけどな」
「ご主人様が
マルガが落ち込んだ様子で
隣にいた文官メイドの身体が、なぜかふらついた。
目前で
赤いフライトジャケットと黒いデニムパンツというお揃いの服を身に着けた二人が、つかつかとした動作で俺たちに近づいてきた。ミランダ先輩のジャケットの胸ポケットには、見慣れたサングラスがつきささっている。
目の前にたった先輩の表情がなぜか
「ご心労をおかけしてすみませんでした、ミラン――」
ぱーん、という音とともに、左頬に激痛が走った。
え、なんで? どうしていきなり殴られた? 俺まだおつかい頼んでないぞ。
「なんだファルターク、この女は! 誘導した女もだ! お前はここで何をしている⁉」
あ、そこ。
俺は、前に出ようとしたマルガを制すると、
「説明しますから、まずは落ち着いてください」
「説明⁉ メイド服の女を何人も
眉間に
「ですから、それを説明しますから――」
「そうですよ、ミランダさん。落ち着いてください。殴るのは、先輩の言い訳を聞いたあとでバキバキッといきましょう!」
喰い気味にかぶせてくるエレオノーラの言葉も強烈だ。かつての部下のほうに顔をむけると、エレオノーラは、泣き笑いのような表情を浮かべて小さく
「さぷらーいず……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます