第007話 呪 文(カフェインレス)
翌日。
とりあえずシャワーを浴びて、スウェット生地のラフな服装に着がえると、ソファに
アークウェット大尉はちゃんと
確認してみようかと
何とかという名前の代表首長が暗殺されて、暫定的にその
レゴラス首長国連合のあるヴルーム星系は、お隣と言えばお隣の星系なんだけど、距離にすれば三〇〇光年以上離れている。五〇光年を三日で飛ぶ
サンドウィッチを食べ終えて残りのコーヒーを飲みほすと、TVの画面が次のニュースに切り替わった。
アルジェノン
この二つの国は、二〇年も前から戦争を続けている。どちらも
グリュンヴァール公国には行ったこともない。ラファエル星系を中心とした公王制の国家だと聞いているけど、知識としてはそのくらいだ。
にしても、
まあ、どちらも俺には関係のない星系のニュースだということで、とりあえずは片付けてしまおう。人の生死がかかっている問題ではあるけど、だからといって俺がどうこうできる問題でもない。戦火がこの国に及ばないかぎり、俺の
そう考えてみると、宇宙の大きさに比べたら、人間が一生のうちに行動できる範囲というのも案外狭いものだよな。
銀河系の直径は一〇万光年。その厚さは一〇〇〇光年。
そこには、二〇〇〇億個の星があると言われている。
七つの「
補給なしでの
その範囲におさまる星系の数は、有人だと三つだけだ。まあ、拠点を移動すれば球体もあわせて移動するけど、二五年以上、この星系で暮らしてきたからな。離れようかという意識もあまりない。母親の墓も
――お前はこれからどうするんだ?
ふいに、アークウェット大尉の昨夜の言葉が呼び
このまま
いや、違うな。
そもそも
軍にいるときは何も考えなくてよかったのに、ひとつ狂うとすべてが狂ってくる。
「さーて、どうしましょうかね、大尉」
思わずアークウェット大尉の横顔が頭に浮かんでしまった。いったいどうしてだ?
きっと、
……コーヒーを飲んでしまった。よかった、カフェインレスだ。
とりあえず、昨夜のお礼だけでも
クワバラ、クワバラ――。
どの種族の言い伝えかは知らないけど、
そうして俺は、放り投げた
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