第3話 妹
『━━━あー。笑った!!
なんかおぢさんがオチをつけてくれたので終わるね〜。
それじゃあみんな挨拶お願いしま〜す。
……それじゃあ皆さん!オツモニカ〜!
新しいチリスナーもありがとう!これからも仲良くしてね!
バイバ〜イ!』
こうして、チリツモニカの配信は終わった。
30分だけの視聴だったが、満足感が凄かった。
俺がコメントをしたら、それに対してモニカ
ちゃんが反応してくれるしチリスナーのみんなもノリが良くて普通に楽しかった。
それに
元気よくしゃべり、よく笑い、チリスナーのみんなを楽しませようと、コメントに対して真摯に向き合っている。
と俺はこの30分だけで感じ取ることができた。
まぁ正直、リスナーのことを
と呼んでいるのはいかがなものかと思わなかったこともない。しかし、それは1人1人のリスナーを大切にする。という意味にも捉えられるので、やっぱり応援したい。
「……次の配信いつかな……。」
そんなことを呟いて、俺は登録ボタンと高評価ボタンを押した。
「…よし。通知もONっと。」
これで俺がY tubeを見てる時にライブ配信の通知がくる。
完璧だ。
次は、配信開始の瞬間に入れるようにしとこう。
俺はその満足感のまま、眠りについた。
次の日、俺はニート生活を送っていた。
両親からしばらくはゆっくりしていい。と言われたこともあるが、今までがずっと忙しかったのでなんだか落ち着かない。
「……寝るか。」
そう思い、再び寝ようと目を閉じると
「佑ぅ〜〜〜!!」
と俺の名前を呼ぶ声と共に、ドアが勢いよく開かれた。
現れたのは、妹の小田桐 さゆりだった。
「おかえりっ!」
「……ただいま。」
「いやー。佑が帰ってきてくれて嬉しいなー!」
「…そっか。俺もさゆりに会えて嬉しいよ。
………ところでさ、どうしてそんなにテンションが高いんだ?」
妹のさゆりは、正直ここまでテンションは高くない。
俺が帰ってきたから。
が理由であれば俺も嬉しい。
しかし、さゆりはそんな女の子じゃない。
絶対に何か裏があるはずだ。
「…え〜?誰でも久しぶりにお兄ちゃんに会えたら嬉しいものじゃん?
……ところでさ、今日休日じゃん?
行きたいところがあってさ〜。」
やっぱりか。
奢って欲しいとかそういうところだろう。
まぁ、俺が入隊するまでに何度もさゆりに連れられて色んなところで奢らされてきたから今更どうってこともないけどな。
「はぁ。
んで?今日はどこに行きたいんだ?」
「さっすが佑お兄ちゃん!話が早いね〜!
それでね、今日はここに行きたくて…。」
そう言ってさゆりはスマホの画面を見せてきた。
「……『アサヒテラ?』」
「そう!この間友達が教えてくれたの。最近このお店が美味しいバウムクーヘンをだしたんだって。
それ聞いてわたし食べたくなってさ。」
う〜ん。流石女子高生。こういうスイーツの情報が早い…。
さゆりがそのバウムクーヘンの写真を見せてきたが、確かにすごく美味しそうだった。
そこで俺はふと思いついた。
ならこのバウムクーヘンをモニカちゃんにオススメするのもありだな。
「しょうがない。じゃあ行くか。」
「オッケー!じゃあ着替えてくる!」
そしてまた勢いよくドアを閉め、バタバタと音を立ててさゆりは自分の部屋へと帰っていった。
なんとなくわかると思うが、俺とさゆりは結構仲がいいと思う。
ま、いつかは俺も妹から嫌われる日が来るのだろう。それまでは仲の良い兄妹でいられればいいな。
と思いながら、俺も外出の準備をするのだった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここまでご覧くださり、ありがとうございます!
ぜひ、感想、評価等を付けていただければ、
ものすごくモチベーションが上がります!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます