9膳目:飲む点滴・糀とお湯だけで作る甘糀
俳句では、「甘酒」は夏の季語になっています。
甘酒は室町時代にはすでにありましたが、江戸時代には、物売りが夏に冷やし甘酒を売って人気があったそうです。
実際、甘酒の成分は、ビタミンB、アミノ酸、食物繊維、ブドウ糖、オリゴ糖などの栄養素が豊富で、暑い夏の疲れを取るのに良いことが大きかったのだと思います。
そのことから、夏の季語に甘酒が入っているようです。
明治以降になると、
でも、当時はまだ冷蔵技術が未熟で、雑菌などに対する知識も少なかったため、夏の甘酒に雑菌が繁殖して食中毒ということも多くあったようです。
そのため、しだいに甘酒は冬に作って飲むものに変わって行きました。
現代は冷蔵庫がありますし、殺菌の知識も持っていますから、夏に甘酒を作っても大丈夫になりました。
自分で甘酒の素(甘糀)を作るというと、ご飯を炊いたりお粥を作ったり面倒なイメージがありますが、実は米糀とお湯と炊飯器があれば簡単に作れます。
米を足すより、少しコストが高くなりますが、個人的には糀だけの甘酒の方が、アッサリしていて飲みやすいと思います。
また、甘糀は甘酒にするだけでなく、お砂糖の代わりに甘味として使うこともできます。
コウジという漢字は、麹と糀ふたつあります。
麹は中国から入って来た「漢字」。糀は明治時代に日本で作られた「国字」です。
昔中国では主に麦を使って作ったので麹になったそうで、日本のでは米を使って作りますので、糀となりました。米の花と書いて糀。発酵した状態が花が咲いたように見えるそうで、きれいな字だと思います。
また、コウジ菌は、日本の
国花が桜、国鳥は
国を代表する動植物が決められていますが、コウジもその一つで、国の菌に指定されています。
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甘糀の作り方
近況ノートに写真があります
https://kakuyomu.jp/users/kukiha/news/16817330661009370849
▼材料▼
米糀(冷凍) 200g :ほぐしてパラパラにする(室温)
60~65度のお湯 約400ml (生糀は約300ml)
※保存瓶 :煮沸消毒して乾燥させる
※電気炊飯器 乾いた布巾 菜箸 (ヨーグルトメーカーなどでも)
道具はすべて清潔に洗って乾かしてから使います。
1)ほぐして室温にもどした糀を炊飯器の内釜にいれる。
2)お湯を注ぎよく混ぜる
3)内釜の上に乾いた布巾をかぶせる。
4)菜箸二本を内釜の上に渡して隙間を作り、炊飯器のフタをする
5)炊飯器のスイッチを保温にして6~7時間温める
(途中で2~3回軽くかき混ぜる)
6)トロリとして、味見をして甘くなっていれば完成
7)煮沸消毒した保存瓶などに入れて冷蔵庫で保存する。
8)3日以上保存する時は鍋に入れて一度沸騰させ(火入れ)、発酵を止めてから冷まして冷蔵保存する。
※お湯の量は、糀の乾燥状態によって変わります。糀が浸るくらいに調整してください。
※麹菌は70度以上になると死滅するので、発酵中は温度を上げすぎないように注意してください。
※炊飯器によっては甘酒用スイッチがある場合もあります。
●甘酒の作り方
甘糀を鍋に入れてお湯でゆるめ、(お好みで塩ひとつまみ、おろし生姜少々)を入れてひと煮立ちさせます。
カップに入れてお湯または水、豆乳などで割るだけでも飲めます。
【糖質制限されている場合】
糀の甘酒には砂糖は入りませんが、ブドウ糖などの糖類があります。
ブドウ糖は単糖類で、体に入るとすぐに吸収され、血糖値が上がりやすい糖ですので、飲まれる場合は控え目にされた方がいいかもしれません。
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