第40話 地下室の秘密
日本の裏社会にも奴隷商はいた。表向きは児童施設になっていて、私はお父様に買われた。そしてこの屋敷に連れて来られてすぐに、地下室へ呼ばれ体の一部を切り取られた。その後、綺麗な女の子の服を着せられ、おねえちゃんに妹として紹介された。おねえちゃんはとても綺麗な子だった。でも、そう。きっとこのおねえちゃんも私と同じ…お父様のコレクションなのだと思った。けれど扱いは全く違うことはすぐにわかった。
お父様は週に一度、私を地下室に呼んだ。地下室には不気味で綺麗なものがたくさんあった。お父様はコレクションと言い、そのコレクションの中には私の一部も含まれていた。
「服が汚れるといけないから脱ぎなさい。」
私は黙って服を脱ぐ。
「手は後ろにまわしなさい。」
私は言うとおりにする。
お父様は私に手枷と足枷をつける。
そして、拷問の長い夜が始まる…。
ある日、おねえちゃんがともだちを連れてきた。私以外の子と楽しそうに遊ぶおねえちゃんを見て不愉快だった。
(そうだ。あの子を地下室へ案内してあげよう。)
その子が逃げ出す前に手枷と足枷を付けてあげた。なんだか、とってもお似合い。
そこで私は、お父様の楽しさがどんなものなのかを理解した。
(楽しい!楽しい!もっと遊ぼう?)
泣き叫んでいたその子は動かなくなってしまった。
(なんだ、つまらない。こんなに簡単に壊れちゃうだなんて、欠陥品だったのね。じゃあ、直してあげなくちゃ。)
私はパックリと割れた頭を糸で縫った。
(おかしいな?)
なぜだかどんどん汚くなっていく。
「凜、ここで何をしているのだね?」
私はその子をお父様に紹介した。
それを見たお父様はとても機嫌が良かった。
「あとは片づけておく。」
その後、お父様は私を地下室へ連れていくことはなくなった。そのかわりに、誰かを連れて来て遊ぶことは許された。おねえちゃんがともだちを連れて来なくなってからは、遊ぶことができなくなったけれど。
「なんてことだ。行方不明になっている子供たちが6人もいただなんて!この時の捜査はどうなっていたんだ!無能か‼」
松村は神代家の火事以前のことも調べ、神代家へ遊びに行ったはずの子供たちが行方不明であり、すぐに捜査が打ち切られていた…いや、実際には行われていなかったことを知った。
「松村警部!大変です‼警視庁に時限爆弾が仕掛けられていると通報が入りました!」
「なにぃ⁉ガセとかそんなんじゃなくてか?」
「連絡してきたのがマーティン・ホフマンさんという方で、松村警部に伝えればわかると。」
「そうか…仕掛けられた場所は聞いてないか?」
「わからないそうです。」
「今すぐに、処理班に連絡しろ!そして緊急に避難だ!」
「了解です!」
「まったく…神代家はどうなってるんだ?」
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