第153話 暖かいベッド(2/3)

小学校グループの19人は、これまで教室の冷たい床で薄い毛布をシェアしながら、寒さに身を寄せ合って暮らしてきた。


是非これからは暖かい布団で暮らしてもらいたいと思う。

そういう訳で僕は二階の教室を魔改造する事にした。


とりあえず絨毯を敷いてベッドと少しの家具を揃えようと思う。

アイジスに僕の持つイメージを伝えて早速教室を改変してもらう。


(改変が完了しました)


「アイジスありがとう!」


僕は教室だった部屋に入って確認する。


教室から無駄なオブジェクトを全て排除してもらって、床には暖かそうな明るい色の絨毯を敷いてもらい、壁紙は清潔感のある白でエアコンも完備、天井には大き目のLEDシーリングライトが2個、窓は少し小さくして厚さのある遮光カーテンを取り付け、ドアは開くタイプの一箇所にしてもらって、玄関スペースで靴を脱いで靴箱に入れて中に入るようなスタイルにした。


教室内にはコンパクトなシングルベッドを左右に5個ずつ並べ、その間に個人用の小さい収納とコート掛けを取り付けた。


ベッドは質の良いスプリングベッドで毛布と羽毛布団もあり、これで寒い夜も暖かく眠れるだろうし、枕は高級ホテルの物を用意した。


収納には個人持ちの洋服や下着類、私物を入れてもらうような感じだ。

ハンガー掛けもあって、コートやジャケットなどのアウターを掛けられだろう。


とりあえず向いの教室も同じように改変し、その隣の部屋を調理室兼ダイニングルームに改変した。


調理する台所には洗い場、ガスコンロ、電子レンジ、業務用の大きい冷蔵庫を用意し、各種調理器具、食器、調味料類も用意した。


ダイニングテーブルも10人用を2つ用意して配置する。


全て水操能力アクアキネシス電操能力エレクトロキネシスで通電等もしてあるし、ガスはプロパンガスで使えるように設置済みだ。





ーーーーー





僕はパーティ会場に戻ってパパに改変が完了した旨を伝えた。

色々と小学校設備の改変を行ったけど、僕は案出しだけで全てアイジスがやってくれたから一時間ぐらいしか掛かっていないはずだ。


僕は雄二ゆうじさん達に部屋の改変が終わった事を伝えに行った。

皆もうお腹は膨れたのか、飲み物を持って歓談中みたいだ。


雄二ゆうじさん」

「ああ、冴賢君。いなかったみたいだけど、どうしたの?」


「えっと、皆さんの寝る部屋を改造していたんです。気に入らなければ直せますので一度見てもらえますか?」

「えっ! うん、見せてもらうよ」


雄二ゆうじさんはどうせならと、子供達みんなに呼び掛けている。


そして明日奈さん、莉子さんや光司君、美久ちゃん、救助隊改めサイコ部隊のメンバーまで揃って部屋を見に行く事になった。





ーーーーー





「うわあ〜何だこれえ!」

「凄い……」

「信じられない!」

「えっ! ここってホテルだっけ?」

「こりゃあ凄えな!」


「「「「「わ〜い!」」」」」

「「「「「やったあ!」」」」」


雄二ゆうじさん麗華れいかさん有紗ありささん直哉なおやさんつばささんが驚き、目を丸くする。


子供達も靴を脱いで入り、ベッドにダイブしたりして大喜びしている。

明日奈さん、莉子さん達のホワイトフォート組は苦笑いだ。

少しやり過ぎてしまったんだろうか?


「二部屋ありますので、男女でわけて使ってもらえればと思います。何となく土足禁止にしたんですが、洋風に靴のままが良ければ変更も出来ますよ?」


「真子ちゃんは、どう?」

「うん! このままがいい! わ〜い、暖かいベッド!」


麗華れいかさんが真子ちゃんに聞き、真子ちゃんもベッドにダイブする。

真子ちゃんも声が出せる様になって、凄く明るくなったみたいだ。


「なんか、このままでも良さそうですね。私物を入れる収納も横にありますので、使って下さい。次はダイニングに案内します」


僕は皆をダイニングルームに誘導した。





ーーーーー





「ここは調理室兼ダイニングルームです。小学校グループの皆さんは、食事はここで調理して食べる様にして下さい。大型の冷蔵庫には卵や肉やハムなどの食材をたくさん入れてあります。お米は冷蔵庫横に大量に積んであります。調理器具や食材で欲しい物があったり、足りなくなったりしたら僕に言って下さい。電気、ガス、水道も使えますので、飲み水はここで補給するようにして下さい」


「「……」」

「食材が凄い量じゃない!」

「本当、卵も毎日食べられるね!」

「やっぱりここ、ホテル?」


「僕ここー!」

「私ここに座る!」

「私はここ!」


雄二ゆうじさんつばささんは驚き過ぎて言葉が出ないみたい。

麗華れいかさん有紗ありささんは驚きはしていたけど、女性らしく食材の確認をしている

直哉なおやさんはマイペースだ。


子供達も自分の場所を決めるのに夢中の様だった。

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