第128話 アイジスの力(1/16)
SP達を殴り倒した僕は台所にママ達といる女性自衛官達を見る。
彼女の名前は知らないけど治療してあげて食事を提供した事もあり、僕の力をある程度は知っているはずだ。
あの女性自衛官は僕と目が会うと小銃から手を離して上へと挙げ、同僚の男性にもそれを強要した。
それを見て敵対する気はないと判断した僕は、小銃だけアイテムボックスに格納して家を飛び出し、外にいた自衛官全員の小銃も直ぐにアイテムボックスに格納した。
「何っ! 銃が!」
「銃がない!」
「馬鹿な!」
「銃はどこだ!」
自衛官達は急に消えてしまった自分の銃を探して慌てふためいている。
「隊長! 私達にもアイジスさんの声が聞こえていました!」
「おう! 俺も聞こえたぞ!」
「冴賢殿! このホワイトフォートを守りましょう!」
「そうよ! ここは私達の街よ!」
パパと同じ様にアイジスからの
「うん、みんな! ホワイトフォートを守ろう! イザとなったらサイコ武器を展開して応戦して! パパから最悪は殺しても構わないという許可は出てるから。僕は上空から暴漢を排除するよ!」
僕は救助隊の皆にそう言い残して、直ぐにホワイトフォートの上空に飛び上がった。
ーーーーー
僕はホワイトフォートを見渡せる位置の上空に
「アイジス! 僕の思念をホワイトフォートにいる全員に飛ばせる?」
(はい。マスターの
「じゃあ、これから僕が思念で話す事を全員に通知して!」
(承知しました)
(このホワイトフォートに侵入した全員に告げる。僕の名前は荒井冴賢! 住民への暴行・略奪行為をしている者は今直ぐに止めるんだ! この警告に従わない者は実力で排除する! 繰り返す。住民への暴行・略奪行為をしている者は今直ぐに止めるんだ! この警告に従わない者は実力で排除する!)
「アイジス、まだ暴行や略奪をしている者はいる?」
(警告に従わない11名の者を敵対者として検知しました。攻撃対象としてサーチ機能でマーキング済です)
このホワイトフォートでの乱暴、狼藉は僕が許さない!
僕はサイコバレットを数十個生成した。
「サーチ、敵対者ロックオン。撃て!」
僕の合図で、アイジスの補助により今までよりも精密に制御されたサイコバレットが、ホワイトフォート内で暴れている複数の者に突き刺さった。
ーーーーー
ホワイトフォート内の住宅に侵入し、女子高生達にわいせつな行為を強要していた男達の身体に、窓ガラスを割って飛来したサイコバレットが突き刺さる。
(バリン! ガガッ! ドガガガッ!)
「何だ? ぎゃああ!」
「ひぎいっ!」
「があっ! 痛えええ!」
集約店舗で商品を略奪し女性店員に暴行を働こうとしていた男達に、入口から飛来したサイコバレットが突き刺さる。
(ヒュゴッ! ガガガガッ! ガガガッ!)
「うがあっ!」
「ぎひぃ! あだっ!」
「ぐおっ! 痛え!」
「でげっ!」
食堂の女性店員に暴行を働こうとしていた男達に、入口から飛来したサイコバレットが突き刺さる。
(ヒュン! シュガガガッ! ガガッ!)
「ぎゃっ! いだだだ!」
「ぐはぁ! やべてえ!」
「いぎっ! 何だ?」
「ぐがっ! い、痛え……」
僕のサイコバレットは今までは直線的な弾道でしか撃てなかったんだけど、アイジスに細かい制御をしてもらうと、曲げて当てたりも出来るみたいだ。
僕の超能力のサポートや代行も出来るし、アイジスの力は本当に凄い!
(敵対者の無力化が完了しました。続いて侵入者全員の武装解除を行いますか?)
「そうだね。このホワイトフォート内で武器を持って好き勝手はさせたくないからね。まずは呼び掛けてみるよ」
(暴行・略奪者は僕が排除した! ホワイトフォートへの侵入者は、武器を床や地面に置くんだ! 自衛隊の者も全てだ! 一分以内に従わない場合は、これも実力で排除する!)
僕が時間を待っていると眼下から複数の自動小銃で一斉に攻撃された。
(ダダダダダダダダダダダダダッ!)
(ダダダダダダダダダダダダダダダッ!)
(ズダダダダダダダダダダダダダダダッ!)
(ダダダダダダダダダダダダダダッ!)
(ズダダダダダダダダダダダダダダッ!)
小銃の弾は
「落ちないぞ!」
「どうなっている!」
「実弾が効かないのか……」
「人間じゃない……」
僕を攻撃した自衛隊や民兵達が絶望的な声を上げるのが薄っすらと聞こえる。
「時間だ。今度は持っている武器だけを対象にしてくれる?」
(承知しました。武装解除していない者の武器を破壊対象物としてマーキング済です)
僕はアイジスのマーキングに合わせる様にサイコバレットを生成し、武装解除していない者への攻撃を開始する。
そして流星の様な青白い煌めきが絶え間なく地上に降り注ぎ、全ての侵入者達の武器を破壊していくのだった。
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