第103話 変異体との接触(10/16)
「ここに何かが近付いて来ています! 僕が見てくるのでここに居てください!」
「わ、わかった!」
僕は
やっぱりサーチでは紫だ。
紫色は初めて見る反応だから、これが白蛇さんが言っていた変異体かも知れない。
真っ直ぐここを目指している様にも見えるけど、こちらが感知されていたりするのだろうか?
そのまま数分待つと、遠目だけど姿を確認する事が出来た。
その姿は、元は人間である事が伺えるけど全身の筋肉が異様に発達し、皮膚が無く筋繊維がむき出しで見えているグロい感じだ。
顔も似たような感じだけど鋭い歯の口が顔の半分以上を占め、あとはギョロっとした目があり、鼻と耳の位置には何も無くただ穴が空いているだけだ。
これはやはり変異体で間違い無いだろう。
変異体は、僕を気味の悪い目で認識すると速度を上げて襲い掛かってきた。
「キシャーッ!」
「くっ!」
僕は口を大きく開けて噛みついてきた変異体の攻撃を横に転がって避ける。
凄い速さだ! もしかして僕よりも早いかも知れない。
変異体は転がって逃げた僕に向き直ると両手を高く掲げて襲い掛かってきた。
その爪は鋭く、引っ掻かれたら恐らく感染してしまうだろう。
僕はその攻撃を紙一重で避けていたけど、急にもう一段速度を上げて襲い掛かってきた攻撃を避けられずバールを水平に当ててやり過ごした。
「ぐうっ!」
だけどその勢いで押し倒され、さらに上から大きな口で噛み付いてくる。
(ガチン! ガチン!)
「うわわっ!」
その攻撃を僕はバールを盾にして、必死で顔を左右に振って避け続けた。
その間に腕に力を入れて押して引き剥がそうとしたけど、全然動かない。
何てパワーだ!
(ゴオォン!!)
この状況をどうしようかと思っていたら、僕を押し倒していた変異体が急に数mほど吹き飛ばされていった。
見ると
そのバットも少し曲がってしまっていた。
「何だあ!? ありゃあ!」
「
「くそっ! こんな化け物みたいな奴までいるのかよ!」
「
「でもよ! あんなのお前一人じゃ無理だろ!」
「大丈夫です! 奥の手があるので下がっていて下さい……はあっ!」
虎太郎さんの安全もあるし、僕は出し惜しみせずに超能力を開放して
直ぐにサイコバレットを空中に5発ほど生成し、変異体の頭部を狙って放つ。
変異体はそれに反応して頭部を腕でガードして守り、ダメージは無い様だった。
僕はその隙に高速で接近し、身体強化した力で変異体を空中に蹴り上げる。
流石に変異体といえども空中では身動きが出来ないだろう。
僕も空中に飛び上がって
ーーーーー
「……お前、一体何者だよ?」
「それは後で話します。まだ他にも変異体がいるかも知れないので、まずはここを離れましょう! 今直ぐ
「あ、ああ! 分かった!」
一応、サーチで範囲内を警戒していたけど他の変異体は近くにはいない様だ。
しかし変異体について少し気になるのは、まるで僕を狙っていたみたいだった事だ……ただの獲物としての認識だったのかな?
とりあえず待っている間にアイテムボックスからスマホを取り出して、変異体のグロい死体? を何枚か撮影しておく。
集落に持って帰るのはリスキーなので報告用に写真だけ撮っておこう。
こういう用途にはスマホもまだまだ使えそうだ。
その後、慌てたようにやってきた
「マジか!? この車、空を飛ぶのかよ! だ、大丈夫なのか?」
「ええ、特殊仕様なんです。大丈夫ですよ! とりあえず
そして飛行しながら
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