第85話 夢からの目覚めと会議(8/21)
僕はお昼前になって仮眠から目覚めた。
白蛇さんとの二度目の
寝起きにキャンピングカーのベッドで上半身を起こした状態で、少しボーッとしていたんだけど、近寄る明日奈さんを見て驚愕した。
ふ、服が少し透けて、む、胸が見えそうだ!!
「冴賢くん起きたのね。どうしたの顔が赤いけど……熱でもある?」
「な、な、な、何でもないよ! 寝起きだからかな!」
僕は慌てて顔を背けて誤魔化した。
や、やっぱりあれは夢じゃなかったんだ!
たぶん
(すーはー! すーはー!)
僕は目を瞑って深呼吸して胸の鼓動を抑えつつ、透視オフ! 透視オフ! と必死に心の中で叫び続けたのだった。
ーーーーー
透視能力を無事にオフに出来た僕は、避難民の昼食をどうしようかと考えた。
夜は歓迎と顔合わせのバーベキューにしようと思っているので、軽めの麺で済ませる事にした。
避難民の住居の割り当てだけど明日奈さんに聞いたら、家族連れ、単身女性は別棟で完全に別け、ご老人と単身男性は交ぜて割り当てたとの事。
例外的に子供だけの場合は家族連れか独身女性に面倒をみてもらうとの事だ。
8棟ある棟別に班長と副班長を決めたとの事で、早速班長達を呼び出して昼食の選択を取りまとめてもらう事にした。
下記のメニューを班ごとに決めてもらう。
・蕎麦(かきあげ)
・蕎麦(海老天)
・うどん(かきあげ)
・うどん(海老天)
・ラーメン(塩)
・ラーメン(醤油)
・ラーメン(味噌)
パパたち家族と、早苗ちゃん達、僕と明日奈さん、佐々岡さん達にも注文を決めてもらい、直ぐに決まったパパたち家族分から配膳を行なう。
皆、温かい麺類は久しぶりみたいで満足してくれたみたいだった。
昼食後、パパ、ママ、明日奈さん、佐々岡さん、光司君、そして避難民の各棟の班長を呼び出し、会議を行った。
まずは冒頭パパから、夕食は新しく来た避難民の歓迎会と、集落の既存メンバーとの顔合わせのバーベキューを行う事を改めて通知してもらった。
一応朝から集落の皆さんに避難民の経緯の説明と、歓迎&顔合わせ会の開催を伝えてあるとの事だった。
バーベキューコンロ、炭、網などは20ほど用意するので、各班からも下ごしらえや配膳の手伝いを二名ずつ出してもらう事、終わった後の後片付けも二名ずつ出してもらう事を伝達した。
後は簡単なルールの説明と中学生以下の子どもは学校に通えるので、その申し込みも棟の班長に纏めて欲しい事を伝え、一旦全員での会議を終えた。
ーーーーー
「おおお! 本当に水道も出たし明かりもついたぞ!」
「これで冷蔵庫も洗濯機も掃除機も使えるわ!」
「トイレもすぐ流せる〜!」
パパが驚愕して叫んだ。
ママや玲奈も凄い笑顔で嬉しそうだ。
「白蛇さんに色々と教えてもらったお陰だよ」
僕は白蛇さんに教えてもらった
白蛇さんはしばらくとしか言ってなかったから、具体的にどの位の期間使えるかわからないんだけど、切れたらまた再接続すれば良い。
ガスはプロパンなので元々使えているので、これで電気・ガス・水道の現代的な生活インフラが整ったと言えるだろう。
白蛇さんには本当に感謝しかない。
「しかし、どんどん人間離れして行くな。お前は……」
「でも、凄いですよ! 水道も電気も使える様になるなんて!」
僕たちは全体会議後、主要メンバーだけで会議を続けていた。
僕が白蛇さんに夢でまた会って、各種能力を授けてもらったという説明を行ったらパパと光司君が感想を漏らした。
「でもここはその白蛇様のお陰で安全なんでしょ?」
「うん。佐々岡さんの言う通りで、ここでもし人が死ぬ様な事があっても感染者にならないような加護があるらしいよ。病気も少なくなるらしいし」
「それは本当にありがたいぞ。内部に感染者が不意に発生する事によっての内部崩壊が避難所の一番のリスクだからな! そこは白蛇様に感謝しかないな」
「うん。僕は毎日必ず白蛇さんに感謝の祈りを捧げるよ!」
皆、同意してうんうん頷いている。
「でも、変異体? それが来ると思うと怖いわね」
「うん。変異体は脅威だと思う。でも白蛇さんの結界を破らないと、ここには入れないらしいからね」
「良かった!」
「こりゃあ、物資の調達はしばらく禁止だな」
明日奈さんも変異体の脅威を感じているようで、ここには入れないと知って安堵していた。
でもパパの言うようにしばらくは外に出るのは控えた方が良いかもしれない。
白蛇さんに教えてもらった力で、早めにバリケードを作って安全圏を確保したいと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます