第39話 力の開放(7/29、サイコバレット)
僕は
強化された身体能力で地上から10m以上の高さに上がる。
空を飛べるわけではないけど、これから撃つ技は上空からでないと効果が薄い。
サイコブレードで感染者を切ったとしても、前後から挟まれた状態で100体以上の感染者を始末するのはかなり時間が掛かってしまう。
その間に戦闘班は感染者の波に飲まれてしまうだろう。
今はこれを使うしかない。
僕が
生成は僕の周囲にしか出来ないので射角を確保する為に上から撃つ必要がある。
驚く事に射撃する際にサーチで相手をロックオンが出来る。
ロックオンした場合はいくつ同時であっても正確に狙いを付けることが可能だ。
白蛇さんはサーチ一つにどれだけの趣向を凝らせていたのだろうか。
(シュドドドドドドドドッ!)
僕はサイコバレットによる広範囲攻撃を発動し、一瞬にして100体ほどの感染者を殲滅した。
一斉にバタバタと糸が切れた様に倒れる感染者たち。
「あいつ何で光ってんだ!」
「馬鹿な! あれだけいたゾンビが!」
「感染者が一瞬で?」
「人が空を飛んだのか?」
だけどまだ感染者は残っているんだ。
僕は左右の両方の手にサイコブレードを生成し、残った感染者を屠ってゆくのだった。
ーーーーー
現時点で見えるところに動く感染者はいない。
僕がサイコブレードとサイコバレットで殲滅したからだ。
「君はいったい……」
リーダーの男性が僕を怯えたように見て話す。
僕はそれには何も返さなかった。
達也達釣出班の高校生達は、かなり気まずそうな顔で僕を見ていた。
理解出来ない力に怯えている様にも見える。
少し待つと運搬班と護衛の戦闘班がリアカーと共に戻って来た。
結果的には全員揃い犠牲者無しで物資の調達が完了したのだ。
運搬搬の人達も怯える瞳で僕を見ていた。
たぶんスーパー内から遠目で僕が戦う姿が見えていたんだろう。
「皆さん!」
僕は集まった皆に話しかける。
全員が怯えた様子で僕の話を遮る事は無かった。
「この中に僕を殺そうとした人達がいます。事前に戦闘班を援軍が必要だと言って間引き、その後に駐車場の感染者達を僕の背後に引き連れて来た者達です。危うく僕と同じ戦闘班の人達も殺されるところでした」
「……」
「僕は昨日言ったはずだよね! 次は手加減しないと! 僕は僕の基準で君達を断罪させてもらうよ、事前に共謀した者も同罪だ。何か言い残す事は無い?」
僕は高校生達を睨み付けながら告げる。
白蛇さんからも敵対者には必ず罰を与えろと言われてる。
多分、ここで甘い顔を見せると光司君や美久ちゃんも危なくなるんだろう。
「ひぃ!」
「ご、ゴメンなさい!」
「助けて……」
「だ、だから俺は止めようって言ったんだよ!」
「俺はもう敵わないと思ったけど、達也の奴が……謝るよ、殺さないでくれ!」
「お、お前が悪いんだよ! 真理だって裏切ったじゃねえか! 俺だけじゃねえ! お前、親友を殺せんのかよ!」
高校生達は、各々謝罪や後悔、罵倒を口にした。
「終わったみたいだね。じゃあ、これから僕の基準で断罪させてもらうよ」
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