終了⁇

 そんなこんなで高校生活もだいぶ慣れてはきたんだけど…

 

 …ただ、どうしても慣れないことがある。

 

 

 それは、朝の電車だ。

 

 

 何が慣れないってさ…

 

 

 その…

 

 近いんだよ‼︎

 とにかく功太が近いんだよ‼︎

 

 そりゃ、混んでるし…わたしを守ってくれているのは、よくわかる。

 

 でもだよ、近すぎなんだよーー…。

 

 

 もうドキドキがとまらないわけよ。

 たぶん…功太にもバレてるんじゃないかなぁ…。

 

 …

 

 あー、もう毎朝毎朝心臓がはりきってバクバクバクバク大騒ぎです…。

 

 どうしよう。

 もう心臓がもたないかもよ?

 

 一日で心臓が何回バクバクするのかは、わからない。

 でも、確実に朝だけとにかくバクバク回数が上回っている。

 

 日々最高新記録更新中……って‼︎

 そんなの新記録でても嬉しくなーいっ‼︎

 

 もう…あれだ。

 認めるしか…自分で声に出して認めるしかないな。

 

 とうとう…とうとうあれを認める日が来てしまった。

 

 

 電車を降りてようやく人混みから少し間逃れたところでわたしは、ついに…ついに功太にとあることを宣言した。

 

「ねぇ…功太…」

「ん?なぁに?」

「あのね…あの…わたし…」

「うん。もしかして気持ち悪い?大丈夫?」

 と功太は、わたしを一生懸命心配してくれた。

 

「ううん。そうじゃなくて…うんと…わたし…負けました。」

 と宣言した。

 

 それを聞いた功太は、え?何に負けたの?とキョトン顔をしていた。

 

 だから、わたしはもう一度きちんと言った。

 

「あの、ずっと前からやってたドキドキしたら負けってやつ…あれね、実はずっと前からわたし…ほんとは負けてた。」

 と功太に伝えると功太は、

「えっ⁉︎マジで⁉︎」

 と驚いていた。

 

 …うん。

 そうだよね。

 

 実は、ずっとあなたのことが好きでしたって言ってるようなもんだもんね…。

 

 やだよね…キモいよね…。

 

 こわくて功太の顔がきちんと見れない。

 

 …

 

 功太…、功太は、なんて返してくれるんだろう。

 

 冗談っぽくキモいなぁ!って言いながら笑い飛ばしてくれる?

 そして、明日からも普通に接してくれる?…それとも、へーそうなんだ。でも、ごめん。オレはその気持ちには応えられない。明日から別々に電車乗ろうってお断りされる…?

 

 …

 

 どちらにせよ、わたしは降参したのだからもうあのゲームは、終了だ。

 

 だから、やっぱり朝も別々に行くことになるんだろうな…。

 

 続く。

 

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