ライバル

 女の子は…まさかの大コケをしたのでありました。

 

 て、天然っ⁉︎

 

 守ってやりたい系⁇

 これは、演技?

 

 …それともガチ⁉︎

 

 よくわからなかったけど、わたしはとっさにそのこのところに駆け寄った。

 

「大丈夫⁉︎」

 と。

 するとそのこは…

 えっ?

 みたいな顔をわたしに向けた。

 

 そして、

「なんであなたがこんなわたしに優しくしてくれるのよ」

 と、つぶやいた。

 

 …

 やっぱりか。

 

 でも、そんなことはどうでもいい‼︎

 

 それより…血。

 足から出ている血をどうにかしないと。

 

 わたしは、自分のハンカチで血の出ているところを押さえた。

 

 そして、

「あなた、ここおさえていて」

 と、そのこにハンカチをおさえてもらっている間にわたしは、ガサゴソと膝をついてバックから絆創膏を出した。

 

 ペリっ、ぴたっ。

 

「よし、もう大丈夫‼︎」

 

 …

 

 …あ、よくみるとなんか…チラホラと…注目されていた。

 

 で、功太と目が合うと功太は、パチパチと拍手をしながら、

「ナイス!」

 と言った。

 

 すると周りの人からもパチパチと拍手をいただいた。

 

 あはは…は。

 

 そして、無事手当も終わり功太に

「功太…、この人怪我してるから一緒に学校いってあげなよ」

 というとそのこは、わたしにこっそり

「ごめん。今までいじわるして…ほんとごめん」

 といい、

「あ、大丈夫!じゃ」

 と功太にいい、行ってしまった。

 

 わたしが唖然としていると功太が

「香月、かっこよかったね」

 と言いながらわたしの頭をポンポンしたかと思うと、わたしの膝をみて、

「おまえ…自分もひざ擦りむいてんじゃんかよっ」

 って呆れ顔をしながら、わたしのひざのゴミを払ってくれた。

 

 頭ポンポンがすっごく心地よくて、その日はずっとあの感触が忘れられなかった。

 

 

 次の日から、そのこは功太メインじゃなくてわたしにも挨拶してくれるようになった。

 

 そして、この間のお礼にと新しいハンカチをくれた。

 

 手紙も。

 

 ほんとは、わたしから功太を奪ってやろうって思っていたらしい。けどあなたには、敵いません。なので、お詫びのつもりでわたしもあなたの恋を応援しますみたいな文章が書かれていた。

 

 そして、

 ごめんなさい。 ありがとう。

 と最後の文にかいてあった。

 

 

 その日以来たまに駅で一緒になるけど、功太以上にわたしに声をかけてくれるようになり、今ではいいお友達となった。

 

 続く。

 

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