ライバル⁉︎

 俯いているわたしの手をとりなっちゃんは、ふふっと笑ったかと思うと、

「かっちゃんは、素直になればすぐ彼女になれるんじゃないかな?」

 とアドバイスをくれた。

 

 ⁈

 

 素直…?

 

 

 なっちゃんがなにを言いたかったのかよくわからないけど、功太の前で素直になってみようと思った。

 

 思った矢先…

 

 全然素直になれない事件が勃発。

 

 

 毎朝功太と一緒に登校してるんだけど、とある日功太の同じ高校の可愛らしい女の子が功太におはようって爽やかかわいい笑顔で挨拶してきたの。

 

 くっ…

 

 朝からなぜそんなにあのこはキラキラとしているのだろう…

 

 ぐぬぬぬぬぬぬ…

 ゆ、許せんっ‼︎

 

 と思ったけど、功太がおはようと返したのでわたしも隣でぺこりとお辞儀をした。

 

 

 すると、そのこは…わたしに向けてニッコリと微笑んでくださった…

 

 うぐっ…

 く、苦しい…

 

 笑顔の矢が…矢が胸にズキュンと…

 

 こ、これは…もしかしたらこ…功太の胸にもグサグサと刺さっているんじゃなかろうかっ⁉︎

 

「こ…功太」

「ん?」

「あの人…か…かわいいねー」

 と探りをいれた。

 

 すると功太は、

「あー」

 と言った。

 

 あー⁇

 

 なんじゃそりゃっ⁉︎

 

 どっちーー‼︎

 

 否定しないってことは、やっぱりかわいい認定だよね⁇

 

 くーーっ‼︎

 くやしいーーー‼︎

 

 

 くーやーしーいー‼︎

 

 もうその場で地団駄踏みたいくらいヤキモキした。

 

 …

 

 でもっ!

 でもでも、わたしはそんなことじゃめげませぬっ。

 

 だって〜、功太と毎日一緒だし〜何よりも功太が満員電車でわたしを守ってくださるんだから〜。

 

 と、脳内お花畑にすることにした。

 

 

 したんだけど…

 

 …

 

 毎朝お花畑に頑張ってしていたんだけど…さ…

 

 あのかわいいこがさ…

 

 功太に毎朝おはようって言ってくるわけよ。

 しかも、軽くボディタッチのおまけ付きでさ。

 

 はぁ?

 てか、そもそも同じ時間の電車にわざと乗ってんじゃないのっ⁉︎

 

 これは、わざとなんじゃないのっ⁉︎って思うわけよ。

 

 もう、わたしのつくり上げたお花畑を土足で花を踏んづけてくるあのかわいい笑顔の女の子…。

 

 かわいいけど…ぜんっぜん可愛くないっ‼︎

 

 

 そんなあのこが駅で…

 

 駅でいきなり…

 

 わたし達の目の前でまさかの…

 

 

 続く。

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