奥さん

 朝からドキドキの連続だった初日。

 

 

 帰りは、別々だったけど朝は毎朝一緒に行こうって功太が言ってくれた。

 

 あーあー…功太ってほんと優しいよなー。

 

 こんなんじゃ、すぐに彼女できちゃうんじゃないかな…。

 

 …

 

 彼女かー…。

 

 そもそも功太は好きな人いないんだから、だれかに告白されたらウェルカム状態ってことなんだよね…?

 

 

 新しい学校には、かわいいこたくさんいるんだろうなぁ。

 

 わたしの学校にもたくさんかわいいこいるもんなー。

 

 でもでも‼︎

 わたしだって負けない‼︎

 

 誰にか知らないけど、負けない‼︎

 

 てなわけで、高校生になりより一層オシャレに力を入れた。

 

 なっちゃんには、なんか最近肌きれいだねぇ。なんて褒められた。

 

 そう‼︎

 まずは、内側から攻めます‼︎

 

 食べ物とかも気をつかうけど、心も大事よね〜。

 

 だから、わたしは自分のと功太にも休みの日よくフルーツと野菜の入ったスムージーをお裾分けにいくの。

 

 仲良くスムージーを飲みゲームをする。

 

 少し風邪気味な功太には、ハチミツとレモン多め。

 

 だるそうにしていたら梅干しのおにぎりもセットで持っていくの。

 

 かづきって世話やきおばあちゃんみたいって言われたけど、全然気にしないっ‼︎

 

 

 だってそのあとに功太ってば、

「いい奥さんになれるんじゃない」

 なんて言ってくれたの。

 

 嬉しい‼︎

 

 なら、功太の奥さんに立候補したいです‼︎なんて言えたらいいのになぁ。

 

 そこまで言える自信がない…。

 

 そもそもが、彼女候補にすら上がれていないのに、いきなり奥さんに昇格なんてないよねー…。

 

 まずは、奥さんでもおばあちゃんでもなくて彼女を目指そっと。

 

 …

 

 彼女。

 

 えと…

 

 そもそも彼女目指すって…何すればいいのかな?

 

 

 …

 

「なっちゃーーん‼︎」

 わたしは、なっちゃんを呼んだ。

 

 すぐ隣にいたなっちゃんは、

「なに?」

 と手に持っていた携帯を置いてわたしの話を聞く姿勢になってくれた。

 

「なっちゃん…、なっちゃんってやっぱりすごいよね!できる女臭がするもん」

 とわたしがいうと、

「えっ?何急に…てか、女臭ってなんか言葉が…なんか…」

 となっちゃんは、女臭に戸惑っていた。

 

「あー、言い方良くなかったか。えと、なっちゃんは、女子力が高いのかなー」

 

「えと、かっちゃん?急にわたしをおだてて…あー、もしかして新作のスイーツわたしにおねだりしようとしてるー?」

 となっちゃんは、少し警戒した。

 

「ち、違うよ?ただ…ただね…わたしは、奥さんでもなくおばあちゃんでもなく彼女になりたいの。」

 というと…

 

 なっちゃんは…

 

 続く。

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