先生

 何ってクラス発表の紙を見ると今度は見事なっちゃんが舜くんと同じクラスじゃん‼︎

 

 わたしは、功太と違うクラスだったけど…ま、でも隣のクラスだからよかった。

 

 でも、功太…

 なっちゃんは、舜くんと一緒で嬉しいだろうけど、でも…功太は辛いだろうな。

 

 そもそも、功太ってなっちゃんが舜くんのこと好きなの気づいているんだろうか…?

 

 もし、気づいていたなら…辛いよね。

 

 …

 

 なっちゃんは、舜くんと同じクラスになり先生にも恵まれてクラス解放が早くなった。

 

 

 でも、今度はわたしのクラスの先生がまぁよく喋ることなんのって。

 

 トークショーかってくらいよく喋る。

 でも、面白いし許せてしまう不思議なこの感じ…。

 

 そして功太もまた話の長い先生ってか、おじいちゃん先生でよく話を忘れて思い出すのに時間がかかるらしい。

 

 もうすぐ定年らしいがなんでも先生は、やり遂げる‼︎これがぼくのモットーです‼︎といつも言っているらしい。

 

 まぁ、頑張るのは素晴らしいことだよね。

 

 なので、わたしは先生たちのおかげで昇降口までよく功太と一緒に行けるのだ。

 

 わたしは…嬉しいよ。

 でも、功太は…毎回なっちゃんと舜くんが仲良くおしゃべりしているところを見るのやっぱり辛いんだろうな。

 

 功太は、そんなそぶり全然見せないけどさ…だからなおさらわたしの方がなっちゃんたちのキラキラの笑顔見ちゃうと胸がチクッとしてしまう。

 

 そして今日もなっちゃんの笑い声が聞こえて…く…

 

 

 キャッ

 

 わたしは、そんなこんなことを考えていたから思わず階段を一段踏み外してしまった。

 

「おい、大丈夫かよ」

 

 …功太がわたしをしっかり支えてくれていた。

 

「…功太」

 わたしは、思わず功太をじっと見つめてしまっていた。

 

 功太…ずっとこのままわたしを離さないで。ずっと…ずっと一緒にいようよ?

 

 そう心の中でつぶやいていた。

 

 するとわたしのキャって声を聞きつけて来たなっちゃんと舜くんが、

「あー、またあのゲームしてるー」

 と呆れていた。

 

 …

 

「ゲームじゃねーよ。かづがつまずいてさ」となっちゃんたちに説明。

 そしてわたしも、

「あの、そうなの。で、ついでに見つめてキュンさせようと…」

 と、またとっさにゲームのフリをしてしまった。

 

「やっぱゲームじゃん」

 と舜くんは、呆れていた。

 

 なっちゃんも、呆れながらも怪我しなくてよかったねと言ってくれた。

 

 続く。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る