うっかり

 功太に好きと言われたなっちゃん。

 

 照れもせずスンとしていた。

 

 …

 

 …あぁ、功太。

 ゲームとはいえ、なんともあわれな…

 

 

 そしてなっちゃんのお隣は、わたし。

「好きだよ」

「ありがと」

 と、こちらは淡白に引き分け。

 

 

 でさ…わたしのお隣は舜くんなんだよねー…

 

 …

 

 とりあえず

「好きだよ」(友達として)

 と言おうとしたら舜くんがまだ何も言ってないのに、

「ごめん…顔見ただけで照れる」

 と自ら負け宣言。

 

 えええっ…⁈

 

 こ、これは…

 やっぱり…舜くんって…わたしのこと好きなんじゃないのっ⁈

 

 …と心配になった。

 

 すると利太が席替えしようと提案してきてテキパキと席順を決め出した。

 

 そしてなっちゃんが舜くんの隣だったのでなっちゃんは、意を決していざ告白‼︎と思いきや舜くんがまた

「ムリムリ〜、恥ずいです」

 と告白前にギブをした。

 

 ⁉︎

 舜くん…は、究極の照れ屋さんなんじゃ…

 

 よくわからないが、なんだか一安心。

 

 で、わたしが利太に好きだよというとまさかのスンどころかあっという間にスルー。

 

「え、利太リアクションとかなんかしてよ」

 とわたしが慌てていうと、

「あー、オレにはりっちゃんっていう彼女がいるからごめん」

 となぜかフラれた。

 

 あー…、そう。

 

 

 そんなこんなで何周もして最後に、一番照れた人が一番照れてない人へ究極の照れ告白するという罰ゲームが…。

 

 

 よりによってなぜ…

 

 …

 

 意外と一番照れたのは、功太だった。

 

 舜くんと僅差だったけどね。

 

 で、一番照れてないスン人間は…わたしでした。

 

 なので功太から告白を受けるのはわたし。

 

 ゲームでもやっぱり、やっぱりそこは嬉しい。

 嘘こくだとわかっていてもドキドキ。

 

 ドキドキ…。

 

 功太は、わたしをじっと見つめて

「かづき、好きだよ」

 と言ってくれた。

 

 わたしは、もうその状況が嬉しかった。

 

 なのでうっかり素になっていた。

 

 で、思わず

「うん。わたしも」

 とこたえていた。

 

「えっ、うんって…しかもわたしもって…な、なんだよ」

 と功太が戸惑った。

 

 ハッと我に返りわたしも

「あ、これはゲームだから…その、ノリみたいな…ね?」

 と慌てて否定。

 

「あー、なんだぁ」

 となっちゃん。

 

「もしかして、二人ってまだあのゲーム続いてる?」

 と舜くんが聞いてきた。

 

 なので、

「「もちろん‼︎」」

 とわたしと功太の声がハモったのでありました。

 

 続く。

 

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