ゲーム

 困り果てたわたしは、もう無になることにした。

 

 …

 

「どうしたの?かっちゃん?」

 

 わたしが黙って黙々とジュースを飲んでたらなっちゃんが心配してくれた。

 

「あー…、疲れたっぽい…けど、もう大丈夫!」

 と元気アピールしてみた。

 

「そ?ならよかった」

 となっちゃんは、安心した様子だった。

 

 

 あぁ、どうしよう。

 舜くんがわたしを本当に好きかもしれない。さっきのまだって言葉がどうしても引っかかる。

 

 魚の骨が引っかかってるならご飯をごっくんすれば良い。

 

 でも、言葉が引っかかってる場合は…何をごっくんすればいい?

 

 と考えていると功太と目がバッチリと合ってしまった。

 

 えと…

 

 なぜかお互いガン見。

 

 …

 

 結構長いこと見合ってしまった。

 

 何を話すわけでもなくジーっと。

 

 功太…

 どうしよう。

 功太…

 

 …

 

「あーっ!二人して見つめ合ってるぅ。ヒューッ♡」

 と利太がいきなり変なこと言い出すから思わず、

「違う!これは、ゲーム‼︎照れたら負けなやつ」

 とわたしは、思わず言ってしまった。

 

 すると功太が

「あー、そうそう」

 と話を合わせてきた。

 

 ま、今のはお互いゲームじゃないただガン見していただけなんだけどね。

 

 たぶん。

 

 それを見ていた利太が

「なら、あのゲームやろ!」

 と楽しそうに提案してきた。

 

「あのゲーム?」

 なっちゃんが不思議そうに聞くと、

「照れたら負けゲーム」

 と言いながら利太は、なぜかエッヘン顔をしていた。

 

 あー、やろうとみんなノリノリだったので急遽照れたら負けゲームが開催された。

 

 席順で隣の人に言っていこうってなり、最初は兄弟対決。

 

 利太が功太に。

 

 これは余裕だろうとみんなが思った。

 

 で、利太が功太に

「お兄ちゃん、だっい好きっ。世界一のお兄ちゃんがだーいっ好きだよ」

 と心を込めていった。

 

 

 すると功太は、

「やべ、照れるじゃん」

 と言った。

 

 …はい。

 利太の勝ちー。

 

 まさかいきなりの負け功太。

 

 で、次は功太がなっちゃんに。

 

 …これはガチ告じゃありませんか⁉︎

 

 ドキドキ、ドキドキ。

 

 そして功太がなっちゃんに

「好きだよ」

 と言ったーー…。

 

 するとなっちゃんは…

 

 なっちゃんは…

 

 続く。

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