た、助かった

 わたしの中では、大失敗に終わったドッキリ。

 

 そしていよいよ夏休みが始まる。

 

 夏休み早々やってくるのが夏祭り。

 

「イェーイ‼︎夏祭りー‼︎」

 と、張り切る功太。

 

「夏祭りは、夕方だよー。まだお昼にもなってないのに。」

 と少し呆れるなっちゃん。

 

「たしかに」

 と言いつつも…うん…まぁ、実はわたしも内心ウキウキだった。

 

 夜の屋台のご馳走にむけてお昼ご飯は、そうめん。

 

 やっぱり夏はそうめんだなあと夏を満喫していると、風鈴がチリンチリンといかにも夏ですよと言わんばかりになっていた。

 

 今日は、一日中快晴だと朝天気予報でやっていた。

 

 澄んだ青空がとてもきれい。

 

 そうめんを食べた後ボーっとしていたら、

「ほらほら、次はかっちゃん」

 とお母さんに手招きされた。

 

 え?と思ってお母さんの方をみると、すでになっちゃんが浴衣を着ていた。

 

 うわぁ、なっちゃんかわいい。

 

 でもさ、わたしも同じ顔だし鏡をみているような違和感が少しあった。

 

 着なくてもなっちゃんみたら…あー、あんな感じかーってね。

 

 お母さんは、お揃いの浴衣で髪もお揃いも可愛くてありじゃないって提案してくれたけど、でも今日はあえて二人とも別の浴衣で別々の髪型に髪飾りを用意したんだ。

 

 なっちゃんは、紫系でわたしはピンク系。

 

 髪型もなっちゃんは、アップでわたしはユルフワ。

 

 駅で功太と舜くんと待ち合わせしてるの。

 

 カランコロンと下駄の音がなんともウキウキしてしまう。

 早くお祭り行きたいなってウキウキ度が増す気がしてならない。

 

 お祭り、お祭り、りんご飴〜

 

 もう頭は、お祭りでいっぱい!

 って思ってたら…いきなり知らない男の人達に話しかけられた。

 

「うわー、かわいいねー‼︎てかさ、よく見たら双子⁉︎」

「わー、マジだわー。すげ〜」

 と。

 

 えっとー…。

 わたしがいつも通りフリーズしているとなっちゃんが、

「あの、わたし達急ぎますので」

 と足早に歩き出したのでわたしもなっちゃんに遅れをとらないよう一歩進むと…ガシっと手を掴まれた。

 

 えっ⁉︎やだ‼︎しかも痛いし…

 

 泣きそうになってきた。

 

 …

 

 それをみたなっちゃんが、

「やめてくださ…」

 と言いかけたときいきなり、

「かづー…、おまえ何堂々と他の男と手繋いでんだよ⁉︎あのー、このこオレの彼女なんっすけど。」

 と功太がわたしの肩を抱き寄せた。

 

「あ…えと…」

 わたしが驚いていると今度はもう一人が

「なら、こっちの子でいいや。気の強い子オレ好きー」

 と今度はなっちゃんが絡まれてしまった。

 

 すると、トイレから出てきた舜くんが、

「あれ?なつきちゃん…そちらはお兄さんかな⁇たしかお兄さんは、警察官だったよね。はじめまして、お兄さん。うちの父も警察官なんですよ。」

 というといきなり顔色をかえた男性たち。

 

 そして、顔を見合わせて

「あ、オレたち用事思い出したわ」

 とそそくさと逃げ帰って行った。

 

 すごっ‼︎

 

 功太と舜くんは、ハイタッチをした。

 

「「ありがとう」」

 とわたしとなっちゃんは、お礼を言った…んだけど…

 

 えっとー…手が…

 

 功太の手がさ…

 

 続く。

 

 

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