席替え

 朝、学校に行くとホームルームで先生がいきなり、

「次の時間に席替えをしよう!」

 と言い出したのである。

 

 ま、席替えが嫌なわけじゃないけど…

 

 

 なんか嫌な予感が…と思っていたらやっぱり予感的中。

 

 舜くんの隣になってしまったのである。

 

 舜くんは、多分なっちゃんのことが好きなんだとわたしは思うんだけど…なっちゃんは、舜くんがわたしのことを好きだと思っている。

 

 なので、隣の席とかになると…なんかなっちゃんに申し訳ない。

 

 うーん…なんとかして誤解を解きたいけどなー。

 

 …

 

 隣の席の舜くんをボーっとみながらいい案を練ったが出てこない…。

 

 もう残り少ない歯磨き粉並みに出てこない…

 

 と思っていたら舜くんがいきなりまた⁉︎な発言をしてきた。

 

「そんなにこっちみないでよ。恥ずいから」

 と。

 

 …えと、うん。

 

 え?

 

 舜くん…照れて…る⁉︎

 

 え⁇

 

 なんで照れる?

 

 あー…、そりゃわたしも誰かにずっとみられてたら恥ずかしいかー…な?

 

 うーん…

 

 わからない…

 

 舜くんは、なぜに恥ずかしい⁉︎

 

 考えても考えてもよくわからない…

 

 

 

 もう、訳が分からなくて現実逃避することにした。

 

 家に帰り、現実逃避。

 

 現実逃避のおかげでリラックス。

 

 はぁ〜、この漫画やっぱおもしろーっ‼︎

 

 ソファでくつろぎ漫画タイムは、最高‼︎って転がってたら、

「そろそろ帰ったほうがいいんじゃん?」

 と功太が言った。

 

「あー…」

 

 …そう。

 ここは、功太の部屋。

 

 わたしは、功太の部屋に入り浸り本に没頭していたのである。

 

「もしかして、なつと喧嘩した?」

 

 心配そうな顔の功太。

 

 …

 

 功太は、なっちゃんが心配なんだろうな。

 わたしは、昔からなっちゃんと喧嘩すると功太の部屋に入り浸るのだ。

 

 だから、今日も喧嘩したと思ったみたい。

 

 

 漫画を閉じてジーっと功太をみた。

 

 すると功太もわたしのことをジーってみた。

 

 お互い全然目を逸らさない。

 

 ジーっ 

 

 

 結構長いこと見つめあってしまった。

 

 すると、いきなり功太がハッとした顔になり、

「オレ、ドキッとしたりしてねーぞ‼︎いきなりゲームはじめるとかズリーぞ」

 と言い出した。

 

 えっ?

 そういうつもりじゃなかったんだけどな…

 

 てかさぁ、功太ってばドキッとしたの?

 わたしに⁇

 

「ドキッとした?なんて聞いてないよ?あー、まさか功太自分からそんなこと言うなんて、わたしに見つめられて照れたかぁ?」

 というと、

「は?ま、まさか。て、てか…喧嘩の理由は?」

 と聞いてくる功太。

 

 功太は…

 やっぱりなっちゃんが心配?

 わたしよりやっぱりなっちゃん?

 

 なっちゃんと喧嘩してないけどな…

 

 てか、功太そんなに顔赤くして焦りすぎだよ…

 

「喧嘩してない。それより今日わたし席替えして隣の席が舜くんで、舜くんみてたら…あんまりみつめないで、恥ずかしいからって言われたの。アレはどういう意味なんだろう…?ってね…ねぇ、功太どう思う?」

 

 と聞くと功太は…

 

 えっ⁉︎

 功太⁇

 

 続く。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る