意味不明
その日の帰り道、なっちゃんはいつも通り明るく振る舞っていた。
でも、無理矢理の明るさってわたしにはすぐわかる。
なっちゃん…
そして、家に帰り二人きりになったのでなっちゃんに聞いてみた。
「今日なんかあった?」
と。
すると、
「…え?ううん…でも、強いて言えば…少し疲れちゃったかも。」
といい、ベッドにゴロンと横になってしまった。
なっちゃん…
よっぽどなにか辛いことがあったんだね。
次の日なっちゃんは、目が少し腫れているような気がした。
…今はそっとしてあげよう。いつかなっちゃんが話してくれたときは、その時は一生懸命話聞くからね。
だからそれまでは、なっちゃんを見守ろうと決めた。
でも、その日はすぐにやってきたのである。
いつものように二人で入浴中なっちゃんは、少し難しそうな顔で、
「舜くんのこと…どう思う?」
と聞いてきた。
なのでわたしは、
「えっ?舜くん?うーん、どうって明るい人?とか…あとは、モテるよね」
というとなっちゃんは、
「あとは?」
と、さらにおかわり要求。
…えと。
「っていうか、なんで?」
と聞くとなっちゃんは、シャワーをとめてわたしをじっとみて、
「この前、放課後…聞いちゃって」
と肩を落とした。
「えっ⁉︎何を聞いたの⁉︎」
ま、まさか…舜くんが誰かに告白しようとしてること…⁉︎
てか、舜くん誰かに告白した⁉︎
それ、なっちゃん目撃した⁉︎
とプチパニックしていると、
「舜くん…かっちゃんのこと好きなんでしょ?」
なんて言い出した。
えっ⁉︎
わたし⁇
なんでそう思ったんだろう…?
「なっちゃんは…だれに何を聞いたの⁉︎」
というと、
「舜くんの好きな人のタイプ。」
と言ったあと、かなしい顔をした。
あー…、なっちゃんのためにリサーチしようとして、意味わからないこたえをもらったときだ…。
うーん…。
あれは…
ほんとに意味不明でトランポリンでジャンプしたのにぜんっぜん弾まなかった時くらい意味不明だったんだよなー…。
あ!でも、わたしみたいな容姿ってことはもしかしてなっちゃんなんじゃ。
「ねぇ、舜くんなっちゃんのことが好きなんじゃない⁉︎」
というとなっちゃんは、
「それはないよ」
と、バッサリ言い放った。
えー…
わたしは、舜くんなっちゃんのことが好きなんじゃないかなぁって思うんだけどなー。
だって容姿がわたしみたいな人だよ⁉︎
…
謎は、解明されぬまま数日が過ぎたとある日…
面倒なことになったのである。
続く。
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