ゲーム

 功太がいきなり変なことを言い出したのでみんな吹き出して大慌て。

 

「「「ちょ…布巾」」」

 

 …

 

 …ふぅ。

 ようやく落ち着きを取り戻したわたしたち。

 

「えっ、てか二人ってそういう関係⁈」

 と舜くんは、わたしたちを交互にみた。

 

「「まさか‼︎」」

 わたしと功太は、声を揃えてこたえた。

 

「えと…じゃあ…なんでそのー…」

 と不思議そうな舜くんに功太は、

「ゲーム」

 とこたえた。

 

「あー‼︎えっ?てか、まだやってたのっ⁉︎」

 とびっくりするなっちゃん。

 

 あー。

 わたしも思い出したわ。

 

 そういえば、恋人がすることを真似して照れたら負けってやつやってたっけ…と。

 

 でもずっと引き分けなんだよね。

 

「あー…、じゃあさっきかづきちゃん顔真っ赤だったから照れ…」

「照れてないっ‼︎」

 

 わたしは、舜くんの声をさえぎるかのように大声で否定した。

 

 照れたら負けどころか好きなのバレちゃうじゃんっ‼︎

 

 わたしのさえぎりに舜くんは、それ以上何も言わなかった。

 

 そして、慌ててわたしは話題を変えた。

 

「み、みんなはさ…部活何入る?」と。

 

 

 すると、功太と舜くんはサッカーだよと答えた。

 

 なっちゃんは、バスケ。

 

 …へー。

 みんなもう決めてるんだ。

 

 わたしは、バスケなんて無理だなーって思っていたらなっちゃんが

「まだ見学期間あるし、焦らなくても大丈夫だよ」

 とニッコリした。

 

 舜くんもうんうんって頷いた。

 

 功太は…じっとわたしを見てたけど何も言わなかった。

 

 なので、わたしは功太にさっきの仕返しをした。

 

「あー、ならサッカー部のマネージャーになろっかなぁ。てか、功太専門のマネージャーとかねっ♡」

 と言いながらとびきりの笑顔もプレゼントしてみた。

 

 すると、ジュースを吹き出した功太。

 

「あ、これは勝負ありじゃね⁉︎功太照れ…」

 

 舜くんの言葉をさえぎるように功太は、

「照れてねーしっ‼︎」

 と言い放った。

 

 …また引き分けー。

 

 

 でも、少しくらいドキッとしてくれてもいいのになぁ、と残念に思う。

 

 …

 

 そして、ガッカリするわたしと、呆れる舜くんとなっちゃん。

 

 

 話題はかわり、

「ところで、二人のアクセサリー色違いのお揃いでかわいいね」

 と舜くんが褒めてくれた。

 

 なので、友達にわかりやすいようになっちゃんがブルーでわたしがピンクなんだよと教えてあげた。

 

 なるほどーと、納得の舜くん。

 

 ま、功太はそんなのつけてなくても見破っちゃうんだけどね。

 

 こうして、ハプニングもありつつ舜くんの割引券のおかげで楽しくお茶会みたいなのができた。

 

 仲良くなれたのはよかったんだけど…

 

 だけどね…

 

 続く。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る