いきなり発言

 その日の夜、わたしはなっちゃんと恋バナトークをした。

 

 ってか、毎日が宿泊学習状態。

 

 一緒にお風呂に入り恋バナ。

 そして寝る前も恋バナ。

 

 小学生の頃の恋バナは、いつも自分たちの話じゃなくて、誰ちゃんが誰ちゃんを好きらしいとか、誰くんは、誰ちゃんも何ちゃんも好きらしいよとか、いつも人の恋バナばっかりで盛り上がっていた。

 

 で、なっちゃんはというといつも好きな人いるの?って聞くとあっさりいない!と答える。

 

 …こーたのこと好きだよね?って言いたいけど、怖くて聞けない。

 

 ちなみに、わたしもなっちゃんに好きな人いる?って聞かれてもいないよって答えている。

 

 ほんとは、こーたが好きって言いたいけど…そんなこと言えるわけがない。

 

 で、今日は…

 

「なっちゃん好きな人とかイケメンとか発見した?」

 って冗談で聞いてみた。

 どうせ、いないよって言われるんだろうけどね。

 

 なんて思っていたら、

「えっ…あー、うんと…い、いないよ」

 としどろもどろにこたえてきた。

 

 えっ⁉︎

 なっちゃん…。

 

 もしかして、好きな人できた⁉︎

 一目惚れとか⁉︎

 

 …てか、もしかして改めてこーたがやっぱり一番いいって再認識したとか?

 

 …

 

 わたしが驚いているとなっちゃんは、

「かっちゃんは?」

 と聞いてきた。

 

 わ、わたしは…こーたを…

 

 …

 

 

 でもやっぱり、

「い、いないよ〜」

 と答えた。

 

 …

 

 なんか二人してお互いに何かを感じとったけど…

 

 怖くてその先が聞けなかった。

 

 

 双子って、よく通じ合ってるとかいうけど…でも、まったく同じ人間じゃないから完璧には、お互いのこと知ってるわけじゃない。

 

 

 

 それから数日後

 

 約束していた四人でドリンクを飲みに。

 

 

 功太と舜くんは、結構もう仲良しだ。

 

 そして何気に座った席…

 

 えっ⁉︎

 正面に功太が…、わたしの正面に功太がいるんですけどーーっ‼︎

 

 座ったと同時に功太とバッチリ目があってしまったので、慌てて目を逸らした。

 

 もう、なんで功太なっちゃんの向かいの席に座んないのよーっ。

 

 

 なんて、一人功太に心の中で抗議中。

 

 ドリンクを飲みつつ…ドキドキ。

 

 

 で、またチラッと功太を見ると功太もこっちみてたーーっ。

 

 えっ?功太…何?なんでこっち見てた…?なんて思ってたら功太ったらいきなりわたしに真面目な顔で、

「かづき、愛してるよ」

 って言ってきたの。

 

 はぁーーっ⁉︎

 

 功太以外のみんながドリンクを吹き出したのは、いうまでもない。

 

 続く。

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