妹は爆弾メイド!

<登場人物>

・レイラ

屋敷に仕えるボディーガード兼メイド

基本真面目で物凄く照れ屋。少しドジっ子で頑固。中々のシスコン。

基本は二丁拳銃、マシンガンで戦う。

役の性別変更不可。 


・ショウ

レイラの主。

レイラのことが好きでからかいがち。

元モデルの化粧品会社の代表取締役。

裏の顔があり、銃の扱いが上手い。

役の性別変更不可。


・ライラ

レイラの妹。

ショウの元で働くメイド兼警備員。

血の気は多いけど、はちゃめちゃかわいい超シスコン。

普段は爆発物や硝煙弾、閃光弾や地雷を使いこなし、ドローン操縦で屋敷の警護をしている。

役の性別変更不可。


上演時間目安は15分前後です。

話や登場人物が変わるようなアドリブ、改変不可


--------お話はここから---------



ライラ:ご主人様?


ショウ:どうしたの、ライラ


レイラ:お姉様にケガをさせた輩の身元はわれましたが…

どのように処分すれば良いでしょうか…!!


ショウ:一旦落ち着こう、ね?


ライラ:これが落ち着いていられるものですか!!

お姉様の美しい御御足が負傷したのですよ!!


ショウ:まあ、そうなんだけど…

SPや運転手のみんなも負傷したんだけどなあ……


ライラ:お姉様がついていなかったら全滅でしたわ


ショウ:はぁ……


ライラ:何です?その間抜けな相槌は!


ショウ:え?!僕!!


ライラ:ご主人様はお姉様が強さを認めたお方ですが…

私、まだ信じられません!


レイラ:ライラ、ご主人様に失礼ですよ


ショウ:レイラ、起こしちゃったね

ごめん


レイラ:ご主人様は何も悪くないです!

ライラ、声が大き過ぎです


ライラ:お姉様ーっ!!

おはようございます!!


-レイラに抱きつくライラ


レイラ:あらっ!


ライラ:足痛くないですか?お姉様


レイラ:ライラ〜…(ふくれっ面で頬をつつく)


ライラ:えへへ〜お姉様〜♡


レイラ:ご主人様に謝りなさい


ライラ:え〜…


レイラ:ご主人様がいなかったら

私、最悪命を落としておりました


ショウ:レイラはケガしてるの隠すクセがあるから

いつも言ってるよね、ケガしたらすぐに言ってって


レイラ:申し訳ないです…ご主人様…


ショウ:レイラは本当にボディーガードが板についてるよね

敵の前でケガしても声をあげないんだもの


レイラ:(小声で)だって……私がケガをしたら

ご主人様のお傍にいられる時間が減ってしまいますもの…


ショウ:(聞こえないフリをしながら)ん?なんて言ったの?


レイラ:えっ!…いぃぃぃいえ、別に何も…(照れる)


ショウ:そう?


ライラ:(ムッとして)ご主人様ぁ〜

お姉様のかわいさを独り占めされるおつもりですか?!!


ショウ:そんなつもりは無いよ

ライラは妹なんだから僕の知らないレイラをたくさん見てるでしょ?


ライラ:ええ勿論、産まれた時からお姉様の傍におりますので!


レイラ:ライラ、落ち着いてください!


ライラ:お姉様こそ!目を覚ましてください!


レイラ:えっ?


ライラ:ご主人様はお姉様がその強さを認めたお方です

でも私はまだ認めておりません!!


レイラ:え??認めないって何をです?


ライラ:ご主人様が将来、私の兄になるなんて…認めておりませんっ!!


レイラ:な、ななななな何を言ってるの!ライラ!!


ショウ:ふむ…ライラの言うことも一理あるね


レイラ:???


ライラ:ご主人様、そこで一つ…提案があります


ショウ:提案?


レイラ:提案って、ライラ!ご主人様に対して失礼ですよ!


ライラ:お姉様のお声は常に聴きたいのですが、今は口出しをしないでください!


レイラ:あー…はい(お口にチャック)


-レイラの動作を見てショウが笑う


ショウ:(笑いながら)レイラ、そんなに背筋を伸ばして黙らなくてもいいのに


ライラ:ご主人様!お姉様がかわいいからってジロジロ見過ぎですよ!!


ショウ:ジロジロだなんてそんな(笑)

ジーッと見てるけどね


ライラ:ぐぬぬ…!!

コホン、本題から逸れてしまうところでした

ご主人様、先日の不逞の輩…目星はついたのですよね?


ショウ:そうだけど…

というか、ライラが特定してくれたよね


ライラ:はい


レイラ:ライラ、あなたもしかして…


ライラ:お姉様、まだお口にチャックです


レイラ:はいぃ…(お口にチャック)


ライラ:お姉様の美脚にキズをつけたあの憎き輩の巣窟をどちらが先に殲滅させることが出来るか…勝負です!!


ショウ:なるほど、良いね

それはシンプルでわかりやすい


レイラ:ライラ!!ご主人様になんてことを…!!

ご主人様!妹が失礼ではちゃめちゃかわいい子で大変申し訳ございません!!


ショウ:レイラのシスコンも中々重症だよね


レイラ:はぅ!!(照れる)


ライラ:お姉様ぁ〜(キュン)…!

コホン、また本題から逸れるところでした


ショウ:で、この勝負は何時開始かな?


ライラ:午前0時、この時間でしたらご主人様もお仕事を終えていますし

あの位の規模であれば30分もかからずに殲滅出来るかと


ショウ:さすがに情報共有はしてくれるよね?


ライラ:はい、勝負はフェアでなくては意味がありません

既に敵地のマップと警備員の配置、動向…防犯カメラの位置とトラップの情報も共有します


ショウ:それで大丈夫?


ライラ:大丈夫?とは?


ショウ:ライラにハンデを与えなくても良いの?


ライラ:(ムッとして)先ほど私、勝負はフェアでなくては意味が無いと言いましたよ


ショウ:そうだったね、ごめん


ライラ:いま、ご主人様のタブレットへデータを送りました


ショウ:うん、ありがとう


レイラ:ご主人様が直接敵地へ出向くなんて…!!いけません!!代わりに私が行ってきます!!


ショウ:この勝負に勝てばライラが僕を兄として認めてくれるんだよ?

ご家族にも祝福してもらえる関係になるにはとても手っ取り早くて効率的だ


レイラ:えええええ??!!

ご主人様……??!!!


ショウ:僕がライラに負けると思う?


レイラ:妹ははちゃめちゃにかわいい子ですが…ご主人様には勝てないと、私は思います


ライラ:お姉様、ライラの応援はしてくださらないのですか?


レイラ:うぅぅぅ…私はご主人様のメイド兼ボディーガードです…

ライラは産まれた時からはちゃめちゃにかわいい妹…

どっちを応援するかなんてそんな…


ショウ:レイラ、妹に祝福されない結婚と祝福される結婚…どっちがいい?


レイラ:…え、えええええ?!!!!


ショウ:もちろん、後者だよね


レイラ:…はい…

?…というか結婚…とは???


ライラ:私の目の前でお姉様とイチャつくなんて…本当に余裕ですね、ご主人様!


ショウ:はは、そう見えたならごめん


ライラ:(ふくれる)むぅ…なーんかこちらの調子が狂ってしまいます


レイラ:ライラ、ご主人様に迷惑をおかけするなんてメイドとして有り得ない…いえ、解雇覚悟ものですよ!


ライラ:お姉様…

ですが、これは大事なことなのです!!

お姉様には申し訳ないのですが

この真剣勝負に私、負ける訳にはいきません!!


レイラ:ご主人様に申し訳ないは一切ないのですね…


ショウ:レイラ、そこは気にしないで

僕は久しぶりの敵地だから…腕が訛って無いと良いなあ


レイラ:私もお供します!


ショウ:大丈夫だよ

レイラはお留守番しててくれる?

まだ足治ってないでしょ?


レイラ:その通りなのですが…

なんでこんな展開になっちゃったのー!!



-午前0時



レイラ:(N)ついにこの時がきてしまいました…!

午前0時、私はご主人様からの言いつけでお留守番です。

ご主人様もライラも無事帰ってくるとは思いますが…ソワソワしてしまいますっ!!


-敵地到着


ライラ:ルールは先刻お伝えした通りです


ショウ:いつも言ってるけど、

殺しはご法度だからね


ライラ:はい、そこは心得ております


ショウ:必ず生け捕りにして警察へお願いすること


ライラ:生け捕りの方が難易度が高いので、良い勝負が出来そうです


ショウ:ライラは血の気が多いなあ(笑)


ライラ:笑っていられるのは今だけです!ご主人様!!


-ライラ、手榴弾で門を爆破


ショウ:へ??真正面からいくの?!!


ライラ:私、まどろっこしいことは無駄だと思う省エネ主義ですので!


ショウ:まあ、別に構わないけどね(銃声)


ライラ:私お手製の爆弾たちです

どうぞ骨の髄までご堪能あれ…!!


-小型ダイナマイトを次々と投げつけ、建物へ入るライラ


ショウ:派手にやるなあ、ライラも

レイラも結構派手な武器使うし

姉妹って本当に似るものだね(銃声)


-爆発音が響く建物内


ショウ:うわあ…天井が崩落してる

まわり道……しなくていっか

よっ、と!


-上の階まで一呼吸で登る


ショウ:(小型タブレットを見ながら)…二階の警備はかなり固いってあったハズだけど……おかしいな、人ひとりいない……


-屋上、息を切らしているライラ


ライラ:はぁ、はぁ……

情報収集は完璧だったはず…なのに……

手持ちの爆弾もごくわすが…

詰んだかもね……

だけど!負ける訳にはいかない!!


-残りの爆弾を全て取り出す


ライラ:…殺しはご法度!!

なので!気絶してもらうわ、

このジョロキア・ハバネロ・クサヤ爆弾でね!


-周囲に酷い匂いが放たれる


ライラ:これはお姉様と共に護衛についていたSPと運転手の分!!


-爆発音とともに悲鳴が響きわたる


ライラ:次は潰された護衛車4台とご主人様が乗ってた車1台の分!!


-爆発音と阿鼻叫喚


ライラ:嗅覚視覚聴覚にも響く

私謹製の爆弾です

存分にご堪能あれ…

これは!!お姉様の美しい御御足を傷付けた分!!


-爆発音と煙幕の中から防護マスクをつけた男が現れる


ライラ:くっ…!防護マスクに防弾チョッキ!!…私、図体だけ大きい男は好みじゃないの!!


-距離を一気に詰められ、首を掴まれるライラ


ライラ:うっ…!…

こ、の手を離しなさい!!…

私…の首を絞める、なんて……

いい度胸してる…わね……


ショウ:ライラ!!


-銃声と共にライラの首を絞めていた男が倒れる


ショウ:ライラ!しっかりして!!

ライラ!!


ライラ:う…うぅぅぅ……(気を失う)

(M)結局助けられちゃったんだ……私……


-ライラの昔の記憶


ライラ:お姉様…!どうして?!!

私が無茶なことしたのになんで庇ってくれたの?


レイラ:姉は後から産まれてくる妹を守るために、…強くあらねばなりません


ライラ:(涙を流す)私のツメが甘かったから…!!


レイラ:いいえ、ライラは十分強いです


ライラ:…え?なんで……?


レイラ:ターゲットを奥の手を出さざる得ない状況まで追い込むことが出来たのは、ライラのおかげです


ライラ:(泣き出す)…お姉様っ!!


レイラ:ライラ、泣かないの…

まだ敵が近くにいたら狙撃されますよ


ライラ:お姉様…



-ライラの意識が戻る



ライラ:……あれ?


ショウ:ライラ!目が覚めて本当に良かった!!


ライラ:…ご…主人様……?


ショウ:あ、防護マスクしてたら分からないか…


-防護マスクをはずす


ショウ:首に跡が残ってる…痛みは?


ライラ:…少し痛い程度です


ショウ:まさか防護マスクに防弾チョッキの全身武装…

僕がここまで来るのに時間がかかったから相手に用意された

ライラ、痛い思いをさせて本当にごめん…


ライラ:いえ…そんな…

元はと言えば私が勝負をけしかけたので…自業自得です


ショウ:この勝負がなかったらみんなやレイラの分の報復は出来なかったよ

こんな短時間でターゲットを奥の手を出さざる得ない状況まで追い込むことが出来たのは、ライラのおかげだね


ライラ:…!!!


ショウ:早く帰ろう、ライラ

レイラが寝ずに待ってるかもしれない

というか、絶対寝てないと思う!


ライラ:はっ…!!それはいけません!!

ご主人様!早く帰りましょう!!


-午前2時、屋敷到着


レイラ:ご主人様!!ライラ!!


ライラ:お姉様!


ショウ:レイラ、ごめん…

ライラにケガをさせちゃった…


ライラ:ご主人様、大したケガじゃないので私は大丈夫です!


ショウ:ライラはレイラと違ってちゃんと痛いって言うから

応急処置は移動中にさせてもらったよ


レイラ:ライラ…

もう無茶苦茶なことはしないでください


ライラ:はい、お姉様…

申し訳ございません…


レイラ:ライラ、次また同じようなことをしたら私、怒りますからね

ご主人様、お怪我はありませんか?


ショウ:僕は大丈夫


レイラ:?…ご主人様、失礼します!!


-レイラ、ショウの腕を掴む

 

ショウ:……レイラ?


レイラ:ご主人様!これはれっきとした擦り傷です!!


ショウ:大した事ないよ


レイラ:いけません!

消毒しますよ、失礼します!


-ケガの処置が終わり、各々自室へ戻る


ライラ:(M)……お姉様、ご主人様のこと大好きなんだろうなあ〜

ご主人様もお姉様と結婚のことまで考えてるし……二人、良い感じ…だもん…

…………って!何考えてんの?!私!

今日はご主人様がお姉様の相手に相応しいかどうか…

それを見るために勝負したのよ!なのに!

このむず痒い気持ちは一体何なのーー!!


-二話・完-

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グレイシャス・メイド ネコ山 @nekoyama0312

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