第8話

今日ははやく目覚めてしまった。それにボーッとするし、なんだか体が熱い。

「あれ?おはよう。のんちゃん。」

「大毅……いい匂いするね……」

とキッチンでお弁当を作ってくれている大毅の背中に抱きつく。

「んふふおはよぉ大毅。」

大毅の背中はとても居心地が良く私がスリスリしてると大毅は火を止めて私のほうを振り返り、正面から抱きつく。

「くっ……可愛い……!」

大毅はなにかにやられたみたいなリアクションを取っているが私はかまわず大毅に抱きつく。大毅がおでこに手を当てると

「あつ!もしかしてのんちゃん俺の熱移った!?」

と慌てる。なにそれ……って思うが体がさっきより熱い。

「……!?ってか誰のキスマーク?これ」

「ほへ?」

大毅がなにかに気づき驚く。だけど私の頭は働かず

「なぁに?」

「上書き……」

また首にチクッとした感覚があり

「大毅……いたい……」

「のんちゃんは俺の……」

大毅は首に吸い付きそのあと私をお姫様抱っこし、私の部屋に入るなりベットに寝かせ布団を被せた。

「のんちゃん熱あるね」

「ないよー?」

「あるの。ちょっと大人しくしてて」

「はぁい」

私は大毅の言う通り待っていると数分後に大毅は飲み物や冷えピタなどを持ってきた。

「はい、のんちゃんおでこに冷えピタ貼るねー」

「やだぁ……つめたぁい」

「うんうん、冷たいねぇ。でも我慢して?」

「うぅ……だいきぃ……」

私がこんなにグズるので大毅はお父さんみたいに頭を撫でてくれた。そして眠気があり大毅は私が眠るまで手を繋いでくれた。















大毅side

のんちゃんが熱を出すのは久々でのんちゃんは熱を出すとこどもみたいになりグズりやすい。だけどいつもより素直で可愛い。生憎親は1週間前から仕事で県外にいるため家の事はみんなでやっている

「しゅんくんーのんちゃん熱出したー」

「まじで!?今体調どうなの?」

「今のところ落ち着いてる」

「大毅にしゅんくん、どうしたの?」

彗くんとひーくんが部屋からでてきて俺たちと合流した。

「のんちゃん熱出たって」

「まじ!?他に必要なもの買ってこようか?」

「助かるわー、今ポカリ切らしてるから買ってきてもらってもいい?のんちゃん熱出たとき寝付き悪くて泣きやすいからさ」

こういうときに兄弟は頼りになる。
















だがしかしのんちゃんの面倒は俺たちだって付きっきりで見たい。みんな各々やることをすぐに終わらせのんちゃんのそばにいる。

「にしてものんちゃん熱出たのってお前のせい?」

と彗くんに言われ俺は頷くしかなかった。

「まさかだけど……」

としゅくんは青ざめ

「手は出してません!」

「ならよかった……」

「手出してたら殴ってたなぁ」

とひーくんは笑いながら言った。のんちゃんの寝顔を見つめながら俺たちは話しているとのんちゃんは俺の手を捕まえて頬をスリスリしてきた。

「だいきぃ……」

と眠りながら俺の名前をつぶやく。夢の中でも俺のこと考えてくれてるの?と思ったら

「しゅんくん……ひーくん……すいくん……だいすきぃ」

と俺たちの兄弟の名前を言い終えたあとだいすきと言い俺たちは悶えた。

「可愛いの暴力だわ」

「のんちゃんはやく起きて〜可愛い目で俺を見て?」

「のんちゃんそんなに俺たちのこと好きなんだ?」

















「はやくおきて俺の眠り姫」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る