第7話
大毅side
「ん……」
目覚めると俺の隣にはのんちゃんがいた。
「可愛いなぁ……好きだよのんちゃん」
のんちゃんの頬を撫でると今までのことが走馬灯のように駆け巡って顔に熱が集まった。
「俺……なにしてんだよ……」
と小さな声でつぶやく。
しばらくのんちゃんの寝顔を見つめる。俺は産まれたときからのんちゃんのことが大好きだった。それを認識させてくれたのはのんちゃんのお父さんが亡くなったときだった。彗くんがのんちゃんをあやしていたときに俺はのんちゃんをこの手で守って幸せにしたいと幼いばかりに思った。それから過ごしていく度にのんちゃんを誰にもとられたくないし、のんちゃんを独り占めしたいとも思い始めた。
「おい、離れろ」
「はぁ、いつの間にいたの?彗くん」
そこには俺を睨んでみる彗くんがいた。
「俺は熱でのんちゃんに看病してもらっただけでーす」
「とりあえず……のんちゃんに熱移るから」
と彗くんは眠るのんちゃんをお姫様抱っこしようとして俺は彗くんの腕を掴んだ。
「おい、なにするんだ」
「なにって?のんちゃんは俺を看病してくれてるからここにいて欲しいから連れて行かないでよ?」
「なら俺が看病してやろうか?」
とワイワイしてるとのんちゃんが寝返りを打つ。
「ん……だいすき……」
「っ!!」
眠るのんちゃんはとても可愛くて俺と彗くんは争いをやめてしばらくのんちゃんの寝顔を見つめていた。
日が暮れ体調も良くなりのんちゃんはあのあと起きて俺の看病をしてくれた。
「ありがとうね、のんちゃん」
「べ……べつに!一緒に過ごす家族なんだから当たり前でしょ!」
とのんちゃんは顔を赤くしながら言う。俺はそんなのんちゃんを抱きしめるとのんちゃんは暴れ出す。だけどキスをするとすぐに黙るからとっても可愛い。もう脳がぶっ壊れてることぐらいわかってる。だけどそのくらいのんちゃんが愛おしくて堪らない。
「のんちゃん」
「な、なに?」
「一生俺の隣にいて笑ってて?」
「?……うん」
意味が分かってなさそうなのんちゃんのほっぺを触り愛おしくのんちゃんを見つめた。
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