第4話
「ん〜!かっこいいね!!大毅くん!あ、こっちのポーズも!そうそう!」
大毅はカメラの音と当てられる光とともに写真撮影をしていく。スタッフさんは昔から大毅がお世話になっている人でとても気があっているし、見学に来た私までに声をかけてくれるからとっても優しい。
「あれ?もしかして望ちゃん?」
「!毎回大毅がお世話になっています!」
そこにいたのは大毅のモデルの先輩の
「大毅〜!って撮影中か!聞いてよ〜最近彼女がさ……」
「はいはい……」
雪先輩は彼女がいてよく私に惚気話をしてくる。私は恋愛にトラウマがあるが、話を聞くだけだったら大歓迎だった。
「あ!ちょ!雪先輩!俺ののんちゃんに近づかそしてないでくれる?」
「ちげぇーよ!俺の彼女の話聞いてもらってたの!」
「ほらほら、大毅!すぐに着替えてきなって!」
「のんちゃん、行くよ!」
と大毅は私の腕を掴みズカズカと歩いていく。そして楽屋に入ると大毅は私を後ろから抱きしめ
「ん〜疲れたぁ……のんちゃんの匂いだあ」
と甘えてくる。私はそれにドキドキしてしまい
「ほら、はやく着替えて帰るよ?」
「まだのんちゃんのこと堪能したい……」
「もー!暑いから!それに離れて!!」
「はいはい」
大毅が手を離した瞬間私は急いで楽屋を出た。
「も〜俺ののんちゃん可愛い……」
楽屋の外で大毅を待ち、一緒に帰る。
「ただいま〜」
「にゃ〜ん」
「んふふ、ただいまトモくん」
「俺もただいま〜って!トモ俺に威嚇しないで〜!」
我が家のペットのトモくんはオスの猫。昔からお母さんと私にだけに懐いていて男性陣には懐かない。トモはとっても甘えたがりで可愛い。
「トモ〜」
と私が抱き抱えるとトモは頬にスリスリしてきた。
「トモは可愛いねぇ」
とニコニコしてるとカシャっと音が鳴り
「のんちゃん……可愛い」
と大毅がスマホで私の写真を撮っていた。
「ちょ!やめてよ!」
「いーやだ!」
「あれ?帰ったの?おかえり!のんちゃん!」
玄関でワイワイと騒いでると兄弟みんなが迎えに来てくれた。
「今日はのんちゃんが好きなマカロニグラタンだって!」
「ほんと!?やった!」
「のんちゃん、はやくいこ!」
彗くんとひーくんに連れられて私は玄関を上がる。
「俺ののんちゃん取らないでよー!!」
と大毅の叫び声が。すると3人は
「俺たちのな?」
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