第2話

私の朝はいつも憂鬱だ。なぜかというと……

「おーっきて!のんちゃん!」

そうコイツ。私の1個下で幼なじみである中嶋 大毅なかじま だいきは人懐っこくて、とてもいい性格だとみんなに言われるが私にとってはただの野次馬でしかない。

「うるさい……」

「あ!起きた!おはよう!のんちゃん!」

とほっぺにキスするのが日課。昔からのルーティンになってしまいとっくに慣れてしまった。

「ほら、学校行こ!」

「着替えるから……外行って」

「んふふ、じゃあご飯一緒に食べよーね!」

「はやく行って……」

私は寝ぼけながら返事をする。大毅は私に軽くハグするとパタパタと下に降りていく。

「いただきます。」

ご飯をもぐもぐ食べる。

私に親はいない。だから私は中嶋家にお世話になっている。私の親はお母さんは私を産んでから亡くなって、お父さんは私が3歳になったとき交通事故で亡くなった。そんな私を中嶋家は引き取ってくれて感謝でしかない。大毅の他に兄弟がいて大毅は末っ子。

「おはよう。のんちゃん。」

と私のおでこに口付けたのは長男で高3の俊平しゅんぺいくん。家族の間ではしゅんくんと呼んでいる。中嶋家は全員頭脳明晰、容姿端麗だがその中でも特にずば抜けているのはしゅんくんだ。しゅんくんはとても大人ぽくてよく私の勉強も見てくれる。それに人のことをよく見てくれる。

「あー!しゅんくん、俺ののんちゃんに触るな!」

とぷくーっと頬を膨らます大毅。

「あー!大毅がどさくさに紛れてのんちゃんにギューってしてる!!」

ものすごい寝癖で現れたのは次男のすいくん。彗くんは俊平くんと双子である。彗くんは笑った顔がとても無邪気で可愛い。とても優しい性格だが、なぜか学校では冷たいと言われていて未だに謎が多い人だ。

「大毅どけ!んふふ、おはようのんちゃん」

「おはよう。彗くん」

「なんで俺より嬉しそうなの!?ちょ、彗くん、俺ののんちゃんなの!」

「大毅より落ち着くわ〜」

「のんちゃーん……俺泣くよ?」

朝からワイワイしているとソファで音楽を聴いていた三男の陽向ひなたくんが

「うるさい……俺ののんちゃんなの……」

と私の腕を引っ張り私を抱きしめた。

「ひーくん!それはダメだ!!」

ひーくんは学校ではクールらしいが、大毅並に甘えたな性格で唯一兄弟のなかで私と同い年でクラスも一緒。ほとんどずっと一緒にいるし、絶対私の味方でいてくれる。見た目はひょろっとしているがケンカは兄弟の中で一番強い。クラスではずっと寝ているがまたそれがかっこいいだとか言われている。授業中もおかまいなく寝るので私がいつも起こしている。他の人が起こすと怒るが、私が起こすとニコニコしながら起きる。それに授業中に勉強も教えてくれるから毎回助かる。そしてこの大毅は四男で兄弟の中でも一番人気だ。可愛い顔をしていて、その顔でみんなを虜にしていく。それと兄弟の中で一番くっつきたがり屋だ。

世界で一番やかましいモーニングルーティンだと私は思っている。だけどこんなに暖かい家族ほかにいるだろうか?













学校も一緒に登校しているが、中嶋ファミリーのファンからの目線が痛い。

「きゃー!中嶋家よ!」

「かっこいい!」

「こっち向いてー!」

たしかにかっこいいと思うが、そんなに?と私は思ってしまう。私は4人の歩く真ん中にいる。なぜかわからないが、昔からこれだったから慣れてしまった。

「なんで星野 望ほしの のぞみと毎日一緒なの?」

あ、自己紹介が遅れた。私は星野 望。一応これでも勉強も上位、運動もできる。だけどモテるとは言えないし、できるとしたら料理とか色々……苦手なのは男子。なぜかというと初恋のときに告白したらその日からいじめられたからだ。トラウマでしかない。だけど中嶋兄弟は大丈夫。

「星野さん!おはようございます!」

とある男の人が挨拶してきた。すると周りにいた人たちが

「うわ……あの人終わったな……」

と言う声が。私は頭に?を浮かべる

すると4人が私をギュッと抱きしめ私は焦る。

「あ、あの……?」















「ごめんね。のんちゃんは俺たちのものだから」

「のんちゃん可愛さを振り回したらダメだよ?」

「のんちゃんこの男消していい?」

「のんちゃんいい匂いする〜」














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