第47話 コボルトダンジョンの隠し部屋
コボルトを討伐したの隠し部屋の方へ向かう。
「さて、他の探索者が来る前に見ますか」
マップで示されている壁を見てみると、壁の一部が少し変色していた。
その部分を手で触ってみると変色した部分がボロボロと崩れだした。
するとおそらく何かをはめ込むための穴が現れた。
「でもこの穴小っちゃくね?」
変色していた壁に比べて、現れた穴のサイズは滅茶苦茶小さい。
何をはめ込めば良いのか考えているときふと思った。
この穴魔石と同じくらいのサイズだなと。
俺は先程手に入れた魔石(極小)を取り出して穴にはめ込んでみる。
「よっと、おぉ!正解っぽいな!」
すると壁がゴゴゴゴという音を立てながら横にスライドしだした。
しかし魔石で開く扉とかあるんだなぁ。
これはちょっと覚えておこう。
もしかしたら今後も同じような部屋が出てくるかもしれない。
「さて、宝箱の中身は何かな~?」
《回答・・・宝物ランクF・防衛機構は存在しません》
いつものように罠はないらしい。
俺は宝箱を開けてみる。
すると中には石のような物が入っていた。
「なんだこれ?」
《回答・・・宝物名:ミスリル鉱石(純度低)
ランクE
使用用途:製錬すると低純度のミスリルが作成可能
入手方法:隠し部屋、特定モンスターのドロップ》
「ミ、ミスリルかこれ!!」
これは驚いた。
まさかミスリルが低ランクダンジョンで手に入るとは思わなかった。
ミスリルはダンジョンからたまに手に入る鉱石で、既存のどの鉱石より武器や防具を作るのに適している。
さらにミスリルで武具を作成すると、稀に特殊効果が付与される場合がある。
この特殊効果が中々面白くて、身体強化のスキルが付いたり炎や雷といった属性が武具に付くこともある。
まぁこういった特殊効果が付くものは高純度のミスリルで武具を作った場合に限られるので、今回手に入った低純度のミスリルでは武具を作っても特殊効果が付くことはないだろう。
それでもミスリルは硬くて軽くてしなやかなので、武具作成に適している。
「もしかして、コボルトダンジョンの隠し部屋からはミスリルが手に入るのか?」
スライムダンジョンでは水耐性の装備とポーションが手に入った。
もしかしたらだけど、このコボルトダンジョンではミスリルが手に入るのかもしれない。
「これは、面白くなってきたな!」
もしかしたらこの隠し部屋が特殊だっただけで、他の隠し部屋では別のアイテムが手に入るかも知れない。
それを確かめる為に俺は残りの隠し部屋へ向かった。
▼△▼△
ミスリルを手に入れた後、俺は1層にある全ての隠し部屋を回った。
その結果、ミスリル鉱石(純度低)が2つとポーションを1つ手に入れる事が出来た。
これで俺の予測が正しかったことが証明された。
このコボルトダンジョンはミスリルが手に入るダンジョンであると。
今は1層だから純度の低いミスリルしか手に入らないけど、もっと下の階層では高純度のミスリルが手に入るかも知れない。
「そしてら俺の刀を新調しても良いかもしれないなぁ~」
俺は期待に胸を膨らませながら2層へ向かった。
簡潔に言うと、2層の探索も順調に進んだ。
コボルトを倒して、探索者に見つからないように隠し部屋を探索する。
ちなみにコボルトとの戦闘は慣れてしまえば非常に簡単だった。
あいつらは近くまでトコトコ歩いて来てくれるので、刀の範囲に入ったら切り付ければいい簡単な作業だ。
そして2層でもミスリルが複数個手に入ったんだが、ここで新たな問題が発生した。
「バック、重いなぁ~」
そう、ミスリル鉱石はそこそこの重さがあった。
スライムダンジョンで手に入れた装備は非常に軽かったので、バックが一杯になるまで入れても問題なかった。
それに比べてミスリル鉱石は1つがそこそこの重さがあるので、手に入れれば手に入れるほどバックが重くなっていく。
今持っているバックは一応探索者用のバックになっているので、頑丈に出来ているのだが長時間ダンジョンを歩くことを考えればこの重さは少しキツイ。
「どうしたもんかなぁ~」
スライムダンジョンは一気に潜れたけど、コボルトダンジョンではこまめに地上に上がるようにするか?
モンスターを倒せば成長因子で身体能力が上がるとはいえ、これ以上バックが重くなると探索に支障をきたす。
「コボルトダンジョンはちまちま進めることにするか」
とりあえず今後の探索方針について決めたので、俺は2層を攻略した段階で地上を目指すことに決めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます