第39話 10層へ
大体レーラのアップデート内容も確認できたので探索を再開することにする。
それにしても、少しレーラが流暢に喋るようになったか?
今まではもう少しシステマチックな喋り方をしていた気がするけど、アップデートが入ってからちょっと人間っぽい喋り方に近づいた気がする。
もし今後もアップデートを続けていけばいつか本当に人間みたいに喋りだす日が来るかもしれないな。
「さて、9層の隠し部屋はあっちか」
とりあえず今までの探索と同じように隠し部屋を回りつつ、目についたモンスターを倒していこう。
パイライトスライムと戦闘をした場所が隠し部屋から近かったこともあり直ぐに到着した。
今回の隠し部屋は壁の一部が少し変色していたので、そこをつついてみると直ぐに剥がれてボタンが出現した。
いや、なんで壁の中にボタンが埋まってるんだよって思うんだけどさ。
とりあえずボタンを押してみるとゴゴゴッと言う音と共に壁がスライドしていった。
「いつも思うけど、謎だよなこの隠し部屋って」
そもそもダンジョンは誰が生み出しているものなのかも分からないので、隠し部屋のことについて考えても仕方ないか。
隠し部屋の中に入るといつもと同じように宝箱が鎮座していた。
ではレーラさん、鑑定お願いします。
《鑑定・・・宝物ランクF・防衛機構は存在しません》
うん、相変わらずFランクだな。
またネックレスかポーションかな?
そう思いながら宝箱を開けてみると中に入っていたのは水色の指輪だった。
「おぉ!ここにきて新アイテムか!!」
これはかなりテンションが上がる。
前に新アイテムが出てからかなり階層を下っているが、そこまでずっとネックレスかポーションしか出なかったので久しぶり?の新アイテムだ。
「結構綺麗な指輪だな。レーラ、これはどういうアイテムなんだ?」
《鑑定・・・宝物名:耐水防衛機構・Typeリング
ランク:F
使用方法:指への装着
装着効果:水系統攻撃に対する一定の耐性を獲得》
ほ~、なるほど。
装備品を鑑定すると使用方法と装着効果が出るようになったのか。
これもかなり嬉しいな。
「待てよ?今スライムナイフを鑑定すれば詳しく分かるんじゃないか?」
俺は念のために持ってきていたスライムナイフを取り出して鑑定してみることにした。
レーラさん、お願いします。
《鑑定・・・宝物名:スライムナイフ
ランク:E
使用方法:スライムを刃にすることが可能》
うん、全然分からなかった。
いや、少しは分かったんだけど既に俺の知っていることしか書いてなかった。
そう上手くは行かないか…。
まぁなんだかんだスライムナイフは気になるアイテムだし、レーラがアップデートするたびに鑑定してみるのも面白いかもしれない。
「とりあえず、この指輪は装備して先に進みますか!」
俺は新しく手に入れた指輪を装備して9層の探索を進めた。
・
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「さて、あらかた探索し終わったな」
あの後9層にある全ての隠し部屋を探索した結果、新たに指輪が2個手に入った。
もし千鶴が欲しがったらあげるのも良いかもしれないな。
あぁ、また真由にお土産にするのも良いな。
丁度2個あるしそうしようかな?
「よし、じゃあ10層へ向かいますか!」
9層でやることも終わった俺は10層へ向けて歩き始める。
ダンジョンは10層ごとにボス部屋と呼ばれる階層が配置されている。
それはこのスライムダンジョンでも変わらないので、次はボス部屋になるはずだ。
まぁスライムダンジョンっていうか、初心者用ダンジョンに定義されているFランクダンジョンは10階層までしかないので次が最下層になる。
さてさて、どんなスライムが居るのかな~。
「ここが10階層か」
10階層に続く階段を降りて行った先にはかなり広い空間が広がっていた。
今までは階段を降りた先に通路が続いているだけだったので、かなり新鮮な気持ちで足を踏み入れる。
その広い空間を見渡していると、中央に何か少し大きめの物体がある事に気が付いた。
そちらの方へ足を進めていくと、そこに居たのは少し大きいスライムだった。
「こいつがボスモンスターか?」
どんなスライムなんだろうな。
《鑑定・・・種族:幻獣
個体名:ジャイアントスライム
戦闘能力:D
思考能力:E
所持スキル:なし
ドロップアイテム:魔石(小)、スライム粘液
生態:スライムが数体結合した結果生まれた特殊個体
攻撃方法:突進》
ほーん、ジャイアントスライムって言うのね。
そう言えば、アップデート後にモンスターを鑑定すると生態と攻撃方法が表示されるようになった。
9層に居たフェイクメタルスライムも鑑定してみたんだけど、非常に悲しい生態だったので思い出すだけでも悲しくなってくる。
「うん、今はあいつのことは忘れて目の前のジャイアントスライムに集中しよう」
ジャイアントスライムね…全然ジャイアントって感じはしないけど…。
ホント、一回りか二回りくらいしか大きくなってないんじゃないか?
一応複数のスライムが合体して生まれたらしいし、何か特殊な行動とかしてくるのかな?
「でもまぁ、ひとまず戦ってみますか」
こいつを倒すことには変わりないので、俺は考えながら戦うことにした。
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