第23話 講習会1
「それじゃあ行きますか!」
今日は講習会の日だ。
持ち物はスキル証明書と身分証、動きやすい服装に戦闘職希望の人は武器と記載されていたので、それらを持って家を出る。
講習会が行われる場所は、MDDが所有している建物になっている。
別名講習所というらしい。
この講習所は全国にあるのだが、人口の多い県には複数の講習所が存在している。
俺が今から向かうのは家から一番近い新宿の講習所だ。
大体電車で一時間くらいかな?
電車に揺られながら講習所へ向かっているが、電車の中にも探索者らしき人たちがいる。
大きめのリュックを背負いながら、武器っぽい物を持っている人たちは大体探索者だ。
その探索者らしき人たちを眺めながら電車に揺られていると、あっという間に新宿へ到着した。
講習所は比較的駅から近く、歩いて迎える距離にある。
10分ほど歩き、一つのビルに到着した。
大体10階建てくらいかな?ここがMDDの所有する講習所である。
ビルの中に入ると一階はエントランスになっており、受付があった。
「すみません、今日の講習会に申し込んだんですけど」
「はい、確認しますのでスキル証明書を提示していただけますでしょうか?」
「あ、はい。これです」
「少々お待ちください...はい、確認できました。そちらにあるエレベーターに乗って三階へお進みください」
「ありがとうございます!」
受付を済ませてエレベーターに向かう。
しかし本当に大きいところだな、少し下世話な話しだがそれだけ儲かってるって事なのかな~。
受付で言われたようにエレベーターで三階に向かうと、講習会会場と書かれた看板と扉が目の前に現れた。
「ここかな?とりあえず入ってみるか」
その扉を開くと、広い部屋の中に長い机と椅子が設置されていた。
もうすでに30人ほど人が集まっているようで、席もボチボチ埋まっている。
部屋の正面にはホワイトボードが設置されているが、特に何も書かれていない。
席は自由でいいのかな?
とりあえず人の少ない席に座ることにする。
まだ講習会が始まるまで時間があるので、部屋の中にいる人たちを観察してみる。
ざっと見た感じ武器を持っている人が半分、持っていない人が半分くらいの割合かな?
基本的に武器は専用のケースや袋に入れているので、どんな武器を使うかまでは分からないけど。
この人たちはどんなスキルを手に入れたんだろうか?少し気になるな〜。
《鑑定・・・種族:人間
個体名:近藤健司
戦闘能力:F
思考能力:D
所持スキル・身体強化(弱)》
そんなことを考えていたらレーラの鑑定が発動した。
今のは丁度目に入っていた男性の情報かな?
なるほど、身体強化か、てか(弱)ってなんだ?
《回答・・・スキル・身体強化(弱)は身体能力を1.1倍します》
おぉ、倍率が低いのか。
それだと(中)とか(強)もある感じかな?
《肯定》
やっぱりそうなのか。
その倍率もダンジョンでモンスターを倒すことで上がっていくのかな?
《肯定》
ふむふむ、身体強化はそんな感じなんだな。
他のスキルはどうなんだろう?
《鑑定・・・種族:人間
個体名:田中沙織
戦闘能力:F
思考能力:C
スリーサイズ:72・63・70
所持スキル・鉱物探査(弱)》
あの、ごめんなさい......鑑定するつもりはなかったんです。
てかなんで男の時はスリーサイズ表示されなかったのに、なんで女性の時だけ表示されるんだよ!?
マジでごめんなさい、これは迂闊に女性に対して鑑定をしないほうがいいな。
訴えられてもおかしくないし、間違いなく負ける。
ちょっと今の事は記憶から消して、別の男性を鑑定しよう。
あの人とか強そうだな、座り方が結構綺麗だし。
レーラさん、鑑定お願いします。
《鑑定・・・種族:人間
個体名:吉田幸谷
戦闘能力:C
思考能力:C
所持スキル・槍術(弱)》
お、この人は武器系のスキルを持ってるのか。
しかも槍なのね、よく見たら結構長い袋が足元に置いてある。
何となくだけど、この人は武道を嗜んでいる気がする。
俺も小さい頃から舞鎖流を学んでいるので、武道経験者は何となく察する事ができる。
武器系のスキルは確かその武器の扱いが上手くなるスキルだよな?
《肯定》
これも(弱)だとそこまで上手くならないのかな?
《肯定》
なるほどね、ありがとうレーラ。
《・・・》
そんな感じで暇つぶししていると、結構良い時間になってきた。
もうすぐ始まるかな~と思っていると、スーツを着た男性が部屋の中に入ってきた。
この人が教官の人かな?
「さて、時間になりましたので探索者講習会を始めさせていただきます」
さて、いよいよ講習会が始まる。
どんな話しが飛び出すか分からないけど、聞き洩らさないように集中して話しを聞いて行こう。
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