第67話 伯爵家の魔法好き令息

 ダンジョン探索二回目も終わり、一年生の大きな行事も終わった。

 本当は公式戦がある予定だったが、社交界デビューパーティーがフォギー侯爵達の企てで、仕切り直しがあったことで今年は中止となり、来年となった。

 そして、俺達はあと一ヶ月で二年生に進級する。

 進級までの間、特に何も行事はなく、あるとしたら一年生最後の試験だけだ。

 試験があると聞いた、筆記が苦手なディジェム含む友人達の顔色が悪かった。


「ヴァル様が仰っていた、ふるいが怖くて、頭に入らないのですが……」


 教科書を持つ、ヴォルテールの手がぷるぷる震えている。

 ここは王城の南館の俺の部屋だ。

 部屋にはアルパインとヴォルテールがいる。

 何故か順番で俺が、友人達に勉強を見ることになり、今日はアルパインとヴォルテールの番だった。


「ふるいを気にしていたら、やってられないよ、ヴォルテール」


「そうなんですが、父からヴァル様の護衛を続けたいなら、十位以内を維持しろと言われまして……。胃が痛いんです」


「セレスティアル伯爵も凄いね。あ、もしかして、アルパインも顔色が悪いようだけど、似たようなことをシュヴァインフルト伯爵から言われた?」


「はい……。俺はギリギリの十位だったので、同じく十位以内を維持しろと言われました。更に、剣の護衛は頭が筋肉だけの人間は務まらないから、ちゃんと頭を使って、ヴァル様をお守り出来る護衛にならないと外すとも言われました……」


 剣と魔法の師匠は息子に対して厳しいな。


「俺としては、二人には友人としても、護衛としても、とっても精神的に支えてもらってるんだけどなぁ。護衛が二人で良かったと思ってるのに。他の人だったら、何度も替えてもらってると思うよ。だから、一緒に勉強して、十位以内を維持しよう」


 穏やかに微笑んで、護衛二人に言うと、彼等の目が潤んだ。


「ヴァル様! 僕達、頑張ります!」


「俺達もヴァル様をこれからも護衛をしたいです!」


「ありがとう。俺も頑張るから、これからも宜しくね」








 そして、筆記試験が終わり、次の日に闘技場で実技試験が行われる。

 実技試験の内容は、得意な属性で、今出せる最大の魔法を放つ、またはオリジナルの魔法があれば、それを放つことと、召喚獣を喚んで、目標物に何か攻撃をするという内容だった。

 召喚獣と共に魔法を同時に、目標物に攻撃というのもいいらしい。

 その内容に、俺は非常に困った。

 俺の得意な属性って、何? オリジナルの魔法って、何処まで出していいんだ……? 

 全属性持ちで、セレスティアル伯爵曰く、究極魔法も使える……というか、いつの間にか教えてもらっていた俺は何の魔法を放てば正解なんだろう。

 滅多にない聖属性や無属性は人前では使わないようにしているが、それ以外は使う。主に戦闘時に。

 ちなみに、俺がよく使う空間収納魔法は無属性だが、便利なのでこれはウィステリアや友人達にも教えている。

 オリジナルの魔法って、もしかして、紅達に似せた魔法のことかな。

 あと、俺の召喚獣の誰を喚べばいいんだろう。

 今回の試験は、他の学年の生徒や教師も見学が出来る。というのも、二年生になると部活動が出来るようになるからだ。

 この実技試験を見て、自分達の部にスカウトを考えているようだ。

 もちろん、部活動をしなくてもいい。前世で言うところの所謂、帰宅部だ。

 俺は王族だし、公務があるので、部活動をする時間がないので、必然的に帰宅部になる予定だ。

 個人的には、前世でもしたことがなかったので、部活動は興味津々だが、流石に時間的にも、体力的、精神的にも余裕がない。

 乙女ゲームの第二王子は部活動をしていたが。

 現在より、王族が少ない分、公務が多いはずなのに、ゲームの第二王子は何故、部活動が出来たのか。まさか、仕事を兄である国王夫妻に丸投げしたのか? まぁ、ゲームであって、実際ではないからいいけど。

 そんなことを考えていると、ウィステリアが近付いて来た。


「緊張しますね、ヴァル様」


「そうだね……。ウィスティが放つ魔法はオリジナル?」


「いえ。私が出せる最大の魔法を放とうと思います。オリジナルは作ったことがないので。あとは桔梗ちゃんと頑張ろうと思います」


「そうだよね……。普通は最大の魔法だよね。召喚獣も一体だよね。俺、どうしよう……」


 溜め息混じりに呟くと、ウィステリアがくすくすと笑った。


「ヴァル様なら、すぐ決められると思ってました」


「俺だって、贅沢な悩みなのは分かってるよ。どのみち目立つだろうし、そこは諦めてるけど。ただ、何処までのを出すのが正解かなって思って」


 肩を竦めながら苦笑すると、ウィステリアがまたくすくすと笑う。可愛いなぁ。


「いっそのこと、紅と、俺のオリジナルの火の魔法で紅を作って、夢の共演とか?」


「それ、とっても見たいです。ヴァル様の体調が治られてから、魔力操作が更に制御出来ていらっしゃるって、桔梗ちゃんも言ってましたし、私も見たいです!」


 目を輝かせて、ウィステリアが言った。

 残念ながら、まだ月白と花葉に預けた魔力を受け取ってないから、完璧に制御出来ていないが。


「ウィスティの要望なら、俺も応えないといけないね。綺麗で格好良い紅を魔法で作って、ウィスティに喜んでもらわないと」


 穏やかに微笑むと、ウィステリアも微笑んだ。







 そして、闘技場で実技試験が始まった。

 前回の実技試験の最下位の生徒から、今回の実技試験が始まった。

 最下位から始まるのは決まっていることらしく、他の学年の生徒や教師等の見学者達が徐々に集まって来た。


『……最下位の生徒から見続けている変わり者もいるのだな、この魔法学園は』


 順番を待っている俺に、右肩に乗る紅が念話で呟いた。

 ウィステリア達、女性陣は制服で実技を行うと、色々大変なので、訓練用の服に着替えるために闘技場に備え付けの更衣室にいる。

 その他の男性陣の友人達は、実技試験前の腹拵えという名の緊張緩和をしに、同じく闘技場に備え付けの食堂に行っている。

 この闘技場は公式戦にも使うので、観客として観に来る王都の人達を含む国民達も、その食堂を使用出来る。

 俺はお腹も空いていないので、のんびり闘技場の観覧席の隅っこで気配を消して見ている。

 気配を消すと、意外と気付かれていないことに内心驚いている。


『まぁ、稀に磨いたら光る逸材がいたりするからね。最下位でも』


『秘密の店とやらで答えが書かれた用紙を購入していなくても、最下位になる者がいるものか?』


 珍しく紅が理解不能といった表情で念話で呟く。


『うーん……そうだね。可能性の一つとして、同じ家門、派閥で爵位が低い者の子が優秀で、仕えている主の子が残念だったら、爵位が低い親は自分の子に何と言う?』


『……成程な。しかし、それは稀なケースではないか? もしかすると、王族や宰相、大臣、高位の貴族の目に留まる可能性もある。そちらの方が己の家の利益にはなるだろう』


『普通はね。でも、そう考えられない者もいるんだよ。例えば、家の借金を肩代わりしてくれたとか、難事があった時に支援してもらった恩義とか、色々とそういうしがらみがあるんだよ』


『……人間は変わった考えの者もいるのだな。召喚獣の我には理解出来ぬ』


 溜め息混じりに、紅は首を緩く振った。


『気持ちは分かるけどね。俺も理解不能な奴がいるし』


 ちょうど、最下位の連中でそいつの順番になり、アリーナの中央で緊張した面持ちで、「ヴァーミリオン王子!」と叫んで、きょろきょろとしている。


『え、あいつ、リオンを探してるんじゃない?』


 短剣に擬態している鴇が嫌そうな声音で、念話で呟いた。

 俺はすぐさま姿を消す魔法を自分に掛ける。


『リオン、拒絶反応が凄いね』


 蘇芳が呆れた声で念話で呟いた。


『……嫌なものは嫌だ』


『気持ちは私も分かるけどね。でも、リアちゃん達はどうするの? もうすぐ来るんじゃない?』


『リア達には分かるようにしたから大丈夫。俺の周囲に来たら、リア達も姿が消えるような魔法にしてるよ』


『我が教えた魔法を使いこなしてるな。流石だ、リオン』


 謎の褒め言葉を紅からもらい、つい小さく笑った。


『お褒めに預かり、光栄だよ。紅』


 そう言いつつ、アリーナで実技試験で出題された、最大の魔法を使おうとして、上手くいかなくて癇癪を起こしている奴を見る。

 闘技場に、魅了魔法無効を付与した魔石を設置していることには気が付かないのだろうか。

 まぁ、その魔石には認識阻害の魔法も付与してるけど。

 そもそもの話、魅了で最大の魔法を使った時点で色々とアウトだろ。

 禁止されている魅了魔法を人前で使おうとする考えもどうかと思うし、こいつ、魅了しか使えないのだろうか。

 転生者で、ゲームとか漫画とかそういったのが好きなら、魔法が使えると分かったら、色々な魔法を使いたいとか思わないのだろうか。

 まぁ、人それぞれ考えが違うから、あくまで俺の考えだが。


『……あいつの考え、俺には理解不能だ』


『分かる人って、元女神とその母くらいじゃないの?』


『そうだろうね』


 溜め息混じりに鴇が呟きに、激しく同意したくなる。


『そういえば、元女神の母親って名前、何て言うの? リオン』


 蘇芳が俺に不思議そうに尋ねる。

 俺に聞くのか。


『神と人間の魂が一つになった、今の君なら知ってるでしょ。だから聞いておきたい。君の剣だけど、人型になれる訳だし、リアちゃん達に何かあった時に、リオンの代わりに守れるように私も対応出来るようにね』


 確かにその可能性もあるから、知っておいてもいいかもしれない。本音は口にしたくもないが。


『……マルーンって名前。前世でたまたま意味を知ったけど、海老茶色って意味もあるけど、人を孤島に置き去りにする、島流しにする、孤立させるって意味もある』


『……はい? 何で、リオンはそれを前世で調べてたの?』


『いや、色の名前や意味に興味があって、調べてただけなんだけどね。そしたら、他の意味も出て来て覚えてただけ』


『……置き去りとか、孤立とか、そのまま元女神の母親じゃないか。神のリオンやリアちゃん達の魂の一部、ハーヴェスト様にやったことだよ。僕は許せないね』


『でも、神のリオンやハーヴェスト様の母親でもあるんだよね? 何で、元女神にだけそこまでしてあげてるの? 私にはそれが分からない』


 鴇が更に嫌そうに言うと、続けて蘇芳が疑問を呟く。


『それは……』


「ヴァル、周りに不穏な空気が漂ってるけど、何かあったか?」


 背後からディジェムが心配そうに見ている。その後ろにはウィステリア達も同じように心配そうにしている。


「俺には何も。さっき、実技試験で、チェルシー・ダフニーが先生達を困らせていたから、不快に思っただけだよ。ついでにきょろきょろして、俺の名前を叫んで、探していたみたいだし」


 苦笑して、ディジェム達に伝えると、あからさまに安堵の息を漏らした。


『……蘇芳、さっきの話はまた後で』


『分かった。夜に教えて』


 蘇芳に念話で伝え、アリーナを見ると、癇癪を起こして喚くチェルシー・ダフニーが教師によって強制退場させられているところだった。

 これはまた最下位だろうな。


「……成程。それで気配を消して、更に姿を消す魔法を掛けてた訳か」


「……嫌なものは嫌だからね」


「気持ちは分かる。俺としては、前みたいにキレてなくて良かったよ。それで、あちらの最下位は何の魔法使おうとしたんだ?」


「今使える最大の魅了魔法を使おうとして、闘技場に付与した魅了魔法無効の魔石が反応して不発。使えないことに癇癪を起こして喚いてたよ」


「え、本当にあの編入生は馬鹿ですの? 最大の魅了魔法を使った時点で捕らえられますのに、それが分かりませんの?」


 イェーナが呆れた声で、溜め息を吐く。


「まぁ、不発に終わったから、今回は捕らえられないのは痛かったかもね。チェルシー・ダフニーが使う時だけ、解除しておけば良かったね。失敗したな」


「ヴァル様。次回、しませんか?」


 身を乗り出して、グレイが俺に提案する。

 一番の被害者だから、彼の目が本気だ。


「次回の実技試験の内容が分かったら、各方面に伝えようか」


「……ヴァル、グレイ。物騒だから、もう少し落ち着いてくれないか。ウィスティ嬢、止めてくれないか?」


「そうですね。あの、ヴァル様、グレイ様。落ち着いて下さい」


「俺もグレイも落ち着いてるよ? ウィスティ」


「そうですよ、ウィステリア様」


 ウィステリアに優しく微笑むと、彼女の顔が真っ赤になった。

 隣でうんうんとグレイも頷いている。


「ディル様、ヴァル様もグレイ様も落ち着いていらっしゃいます!」


「……ウィスティ嬢。貴女の婚約者に絶対、騙されてるぞ」


「騙してないよ、誤魔化してるんだよ」


 にっこり伝えると、ディジェムが溜め息を吐いた。


「尚悪いわ」









 それから、実技試験は進み、俺達の順番になった。

 十一位だったグレイ、十位のアルパイン……と進んでいき、二位のウィステリアまで終わった。

 ウィステリア達は、それぞれの属性の今使える最大の魔法と召喚獣を喚んで、目標物に攻撃した。

 ウィステリアはフェンリル女王の桔梗、ディジェムはドラゴンの黒曜、オフェリアはアクア王国の王女とバレる訳にはいかないのでリヴァイアサンの藍玉は喚ばずに、カーバンクルを喚んで、魔法と召喚獣と共に同時に攻撃していた。

 皆、オリジナルの魔法ではなく、今使える最大の魔法を放っていた。

 グレイの順番の時から、他の学年の生徒や教師等の見学者達が増えた。

 そして、一位だった俺の順番になったのだが、いつの間にか闘技場の観覧席が満席になっていた。


『……多くない? 増えたよね? 何で満席?』


 蘇芳が念話でげんなりとした声で呟く。


『まぁ、伝説の召喚獣を見たいんじゃないか? 俺の召喚獣って皆知ってるからね』


 アリーナの中央に移動しながら、念話で返す。


『あとはリオンを間近で見たいんじゃない? 第二王子で、麗しい訳だし』


 鴇も俺に念話で返す。麗しいはいらないなぁ。


『我を見たとしても、本気を出せぬからな。我としてはつまらぬ』


『そうだね。紅からすると本気じゃないんだよね。本気に見えるように手加減出来る? この程度か、と紅が侮られるのは腹が立つからね』


『目標物を消し炭にするので良ければするぞ。それなら侮られないだろう』


 アリーナ中央から、端に立つ二つのゴブリンの形をした目標物を見て、紅が言う。彼は俺の右肩に乗っているが、俺やウィステリア達以外には見えないようにしている。


『じゃあ、右の目標物は紅が、左が俺が消し炭にするよ。火の魔法で今まで一番綺麗で、格好良い紅を作ろうと思ってるから』


『ついに出来たか、あの魔法』


『前から出来てたけど、魔力過多症になったり、俺の精神的疲労が最近多かったから上手く出来なかったんだよ。今は割と精神的疲労が少ないから大丈夫だと思うよ』


『そうか。どのくらい我に似ているか、楽しみだ』


 期待に満ちた声音で、紅が笑う。

 クレーブス先生が俺の近くにやって来る。


「ヴァーミリオン王子。準備は宜しいですか?」


「はい。問題ありません。ただ、何故、こんなに見学者が多いのでしょうか?」


「それは同じ学年以外では、魔法学園でも滅多にお目に掛かれないヴァーミリオン王子と、生きている間でも遭遇出来ない伝説の召喚獣のフェニックスですからね。どちらも見られるとあっては観に来ますよ」


 いつの間にか、俺は遭遇確率が低い人に認定されていた。まぁ、元々が引き籠もり気質だから反論出来ない。


「そうですか。期待に添えられるよう努力しますよ。ところで、あの目標物をうっかり壊したら、問題ありますか?」


「大丈夫ですよ。タンジェリン学園長から存分にやっても構わないと、ヴァーミリオン王子宛てに伝言を頂いていますので」


 にっこり微笑んで、クレーブス先生が告げる。

 彼もタンジェリン学園長と同じように思っているような表情だ。

 俺を侮るような連中に牽制を掛けろということだろう。


「分かりました。フェニックス共々、目標物を消し炭にするつもりなので、先に謝っておきますね。申し訳ありません」


『……棒読みじゃん、リオン』


『心のこもってない謝り方だね、リオン』


 俺の二振りの剣の蘇芳と鴇が呆れた声で呟いた。


「それでは、ヴァーミリオン王子。間近でフェニックスが見られるのが楽しみなので、少し離れますね。心の準備等整いましたら、始めて下さい」


 そう言って、クレーブス先生は他のクラスの先生やタンジェリン学園長がいる、目標物とは反対側の端へと小走りで戻って行った。

 クレーブス先生が離れたことで、始まると感じた観覧席を含めた闘技場内が静まり返った。

 小さな声でも反響しそうだ。

 なので、紅ではなく、フェニックスの名前で呼んだ方が良さそうだ。


「――フェニックス」


 いつもと変わらない音量で紅を呼んだつもりが、やはり静まり返った場所だからなのか、俺の声が少し響く。

 紅が俺の右肩から離れ、元のフェニックスの姿で右隣に立つ。見学者達からしたら、俺の声で喚ばれ、現れたように見えるはず。

 俺の髪と同じ色の紅色の大きく艶のある胴体と大きく綺麗で艶があってふわふわした羽根、何本も分かれた三編みのような紅色と紅緋色、朱色が混ざった尾、鋭い濡羽色の爪が生えた脚を持つ、友人で相棒が隣に立っている。

 個人的には、そのふわふわな羽根を実技試験そっちのけで触りたい。

 紅が準備万端だと言いたげな金色の目で、俺を無言で見つめる。

 俺も紅に応えるように小さく微笑み、左手に火属性の魔力を込める。

 少し込めると、左手から炎が現れ、徐々に紅の形を作っていく。

 魔力を込めるとどんどん炎は大きくなり、大きさはフェニックスの半分くらいになった。

 姿形もフェニックスそっくりに出来て、我ながら今までで一番綺麗で、格好良い紅が作れたのではないだろうかと自画自賛する。

 俺の魔法を見た、観覧席の見学者達がどよめく。


「それじゃあ、行こうか」


 小さく、不敵に微笑み、ちらりと紅を見る。


『消し炭にしよう。リオンも同時にその魔法で、目標物を消し炭にすると面白いと思うぞ』


「俺も君と同じことを思ってたよ、紅。じゃあ、同時に行こう」


 左手を肩くらいの高さに上げ、火の魔法の紅そっくりさんが構えると紅も構えた。

 深いところで繋がっている俺の相棒なので、魔法と同時に動いた。

 ゴブリンの形をした目標物を、火の魔法の紅そっくりさんは体当たりで消し炭に、紅は炎を纏った爪で攻撃して消し炭にした。

 あっという間だった。

 目標物がなくなり、火の魔法の紅そっくりさんは消え、紅はやっぱりつまらなそうに俺の元に戻って来た。


「お帰り。お疲れ様」


『あの程度で疲れるか。つまらぬ』


 本当につまらなそうに念話で呟く紅の眉間を撫でる。


「君が満足する相手を近々探さないと、臍を曲げられそうだね」


 苦笑しつつ、紅が幻獣界へ帰る振りをして、姿を消す魔法で隠し、いつもの赤い鳥に戻って俺の右肩に乗る。

 というか、満足する相手なんているのだろうか。簡単に見つかるものだろうか。


『もう、いっそのこと、リオンがフェニックスと戦えばいいんじゃない?』


 鴇が呆れた投げ遣りな声で念話で呟く。


『ふむ。それは考えたことがなかったな……。リオン、我と戦わぬか?』


『いや、何で、何処で? 俺が紅と戦ってどうするの?』


『閉ざされた世界だったら、出来たかもねー。僕は行きたくないけど』


『俺も二度と行きたくないよ。もうないけどね。そもそも紅と戦ったら、周りがマズイんじゃないかな……』


 とりあえず、実技は終わったので、アリーナを離れようとすると、一人、観覧席から周囲の人や警備兵を振り切り、飛び降りて、こちらにやって来るのが見えた。


「ヴァーミリオン殿下、少しお待ち下さいっ!!」


 叫びながら、観覧席から飛び降りた人が走ってくる。

 それに気付いたヴォルテールが転移魔法で、アルパインと共に俺の元にやって来る。

 何だか護衛っぽい。


『いや、五歳の時からのリオンの護衛だろう』


 呆れて紅が突っ込んだ。


「ヴァル様、大丈夫ですか?!」


 アルパインが俺の前に立ち、腰に佩いている剣をいつでも抜けるように柄を握る。


「大丈夫というか、あの人は何? 俺に用事?」


「あの人、三年生の先輩ですね。ヴァル様、お心当たりありますか?」


 ヴォルテールも右手に魔力を溜めながら、俺に問う。


「全くないね。二年生のシスルやロータスはともかく、三年生には知り合いはいないからね」


「そうですよね……。ヴァル様は王位継承権対策で、あまり交友関係を広くされてませんしね……」


 自他共に認める引き籠もり第二王子なので。


「では、あの先輩は何の用事があって、ヴァル様に近付こうとされてるのでしょうか」


 不思議そうに呟くヴォルテールの声を聞きつつ、俺は違うことが気になり、それどころではなかった。


「……あのさ、俺に何の用事なのかより、気になることがあるんだけど、あの先輩がここに来るまでの時間、長くない?」


 眉を寄せて、三年生の先輩らしき人を見る。

 あの先輩、周囲の人や警備兵の静止を振り切り、勢い良く観覧席から飛び降り、走ってくるのだが、思ったより遅くて、不審人物に感じてくる。


「そうですね、確かに」


 アルパインが警戒しつつ、頷く。


「……多分なんですけど、あの先輩、観覧席から降りる時に身体強化魔法を使ったのだと思うのですが、着地が思いの外、痛くて、痛いのに気付いたのが走っている最中で、どんどん痛くなってきて、走るのが段々辛くなってきたのかと思います」


 ヴォルテールが細かい状況説明をしてくれる。

 何だろう、少し実体験が入っているように細かい。


「ヴォルテールは何故、そこまで細かく説明出来るのかな?」


「……魔法が好きな人で、ヴァル様の魔法を初めて見た人なら必ず通る道です。僕も六歳の時にやりました。王城の魔法訓練場の観覧席から飛び降りて、魔法を間近で見たくて、ヴァル様のところに近付こうとして、それをやりました。覚えてませんか? なので、僕はあれからヴァル様を見つけても、短距離転移魔法で行くようにしました。ヴァル様が例えば、誰かの魔法を間近で見たいとなっても、僕やあの先輩のようなことにはならないと思いますけど」


 そういえば、あった気がする。

 確か、ヴォルテールの様子に気付いたセレスティアル伯爵が珍しく大笑いをして、俺が慌てて回復魔法を掛けた気がする。

 だからといって、その理由で短距離転移魔法を覚えたヴォルテールもヴォルテールだなと思う。

 あ、ということは、あの先輩も回復魔法掛けないとしばらく歩けないはず。

 あの先輩、よく見るとうずくまってる。


「……あったね、そういえば。俺は魔法以外にも剣を教わってるから、あの高さなら大丈夫だね。じゃあ、あの先輩のところに行って、回復魔法を掛けよう」


「変な動きをあちらがしたら、俺が問答無用で捕らえますから、ご安心下さいね、ヴァル様」


 アルパインがにっとシュヴァインフルト伯爵に似た、歯を見せる笑みを浮かべる。


「その時は宜しく」


 そう言って、俺はアリーナの中央寄りでうずくまっている三年生の先輩のところへ向かった。





「……大丈夫か?」


 とても痛いのか、うずくまってる三年生に声を掛けると、身体がビクリと身じろぎした。


「あ、ヴァーミリオン殿下……いっ」


 俺に気付き、三年生は慌てて臣下の礼を取ろうとしたが痛いらしく、顔を顰めた。痛みが強いのか、額に脂汗が滲んでいる。


「私に何の用件なのか聞く前に、先に回復魔法を掛けてもいいか?」


「えっ、あ、ハイ。恐れ入ります……」


 慌てて頷き、三年生は恥ずかしそうに俯いた。

 三年生の足を見ると、制服のボトムスの上からでも分かるくらい、足首が腫れている。

 これ、捻挫というか、骨折してない?

 これでよく着地した後に、少し走ったな。

 とりあえず、このままだと歩けないので、回復魔法を掛けると、足首の腫れがなくなり、三年生の顔から脂汗が引いた。痛みがなくなったようだ。


「終わったと思うが、痛みは? 立てるか?」


「あ、ハイ、痛みはありません! ありがとうございます」


 慌てて頷いて、三年生は浅葱色の目で俺を見つめた。髪は銀色で、太陽に反射してきらきらと光っている。

 三年生は俺に言われるまま、ゆっくりと立ち上がる。


「立つことも出来ました。ありがとうございます、ヴァーミリオン殿下」


「いや、治ったのなら良かった。ところで、名前を聞いてもいいだろうか?」


「あ、ハイ。あの、私はアクバール伯爵家の次男のサイプレス・ライト・アクバールと申します。先程は助けて下さった上に、突然失礼致しました」


 うん、突然で本当にびっくりしました。


「治ったのなら良い。アクバール伯爵令息、場所を変える。ヴォルテール、ウィスティ達に個室に行くと伝えて欲しい」


「分かりました。伝えて参ります。クレーブス先生にもお伝えしておきます」


 頷いて、ヴォルテールはウィステリア達がいる観覧席へ転移魔法で向かった。


「私達も行こう」


「はい、ヴァル様」


 アルパインも頷き、アクバール伯爵令息を連れて、闘技場から離れた。








 いつもの王族専用の個室に着き、とりあえず、防音の結界を張る。

 ソファにアクバール伯爵令息を座ってもらうと、アルパインは俺の左斜め後ろに立つ。

 何だか、護衛っぽくて驚く。


『だから、アルパインはリオンの護衛だろう』


 静かに紅が突っ込んだ。

 元々は護衛だし、分かってはいるけど、俺の中では友人という意識の方が強い。斜め後ろってハイドレンジアがよく立つから、アルパインがしてくれるとは思わなかった。


「……それで、私に何の用であんな怪我をするようなことをしたのか、聞いても?」


「あ、いえ、その……ヴァーミリオン殿下の魔法に感動しまして、間近でもう一度拝見したくて、いつの間にかお待ち下さいと叫んで、身体強化魔法を掛けて、観覧席から飛び降りてました。本当に申し訳ございませんでした」


 恥ずかしそうに顔を赤くして、アクバール伯爵令息は頭を下げた。

 いや、それ、怖い。

 衝動的な行動で大怪我って、しかも、俺の魔法見たさで、は怖い。


「……私の魔法をもう一度見たいと言ってくれるのは嬉しい。が、それで怪我をするのは困るのだが……。見たいなら、教室や王族専用の個室に来るとか、方法はあるのではないかな?」


「仰る通りなのですが、その、私も本当に飛び降りるつもりはなくて……。次の時は飛び降りません。転移魔法で御前に伺います」


 へらっと気の抜けた顔で微笑み、アクバール伯爵令息が告げた。

 いや、伺いますじゃなくて、そもそも次があると思っているのだろうか。

 突然、目の前に転移魔法で現れたら、俺に対して過剰に反応する召喚獣や配下達が黙っていない。


「……それだけで、私に声を掛けたのか?」


「えぇと……もう一つ、ありまして……。その、ヴァーミリオン殿下」


 気の抜けた笑みから、今度はキリッとした表情に変え、アクバール伯爵令息は俺を見た。


「もし、もし、今後、殿下の私設騎士団や魔術師団を創られることがありましたら、私を魔術師として採用頂けませんか?」


 キリッとした表情のまま、アクバール伯爵令息は俺に告げる。


「……私設騎士団や魔術師団を創るのは別として、私に採用して欲しい理由は?」


 創る予定は今のところないのに、何故、採用して欲しいと言うのかが分からない。

 そういえば、レイヴンも似たようなことを前に言っていたな、とふと思い出す。


「殿下の下で、魔法を極めたいと思いました。それと、殿下の下にいらっしゃる戦力が足らないのではと感じましたので、微力ながら、お力になれないかと思いました」


 なかなか鋭いところを突くな、この人。と、顔には出さないが、内心、苦笑いをする。


「戦力が足らないとは、何処を見て感じた?」


「不敬を承知で申し上げると、殿下の配下の方は当主や次期当主になる方が多いと感じました。殿下の側近のエクリュシオ子爵や護衛のシュヴァインフルト伯爵令息、セレスティアル伯爵令息。あとは最近、配下になられたドラジェ伯爵令息や殿下の薬師のフォッグ子爵も。今は魔法学園に在籍なさっているのでいいですが、卒業後、当主や次期当主になると、領地経営等で殿下のお側に常に就くことがなかなか難しくなるかと思います。私は次男なので、殿下の下に常にいることが出来るので、是非にと思いました」


 確かに、その通りだ。

 俺の側近や友人達は当主や次期当主が多い。

 ハイドレンジア、アルパイン、ヴォルテール、シスル、ロータスがそうだ。

 イェーナは兄がいるから次期当主ではないが、婚約者のアルパインと結婚すれば、次期当主の妻として彼と共にいると思う。

 リリーも同じくシスルと。ピオニーも魔力過多症が完治したことで、これから決まる婚約者次第ではイェーナやリリーと同じだと思う。

 ディジェムとオフェリアは元々がカーディナル王国ではないし、エルフェンバイン公国とアクア王国なので、魔法学園卒業後はこの国から離れる。

 レイヴンは前に自分は次男だから、俺に付いて行くと言っていたから、きっと来ると思う。

 アッシュも次期当主になる予定だったが、フォギー侯爵が異母姉を異母妹として報告していたことが分かり、戸籍を修正した。その結果、アッシュの異母姉が次期当主になった。

 叩けば埃が出まくっているようで、まだフォギー侯爵の処遇が決まっていないが、恐らく侯爵から伯爵に爵位が落ちると思う。

 グレイも元々は平民だが、今はヘリオトロープ公爵の縁戚のグリーシァン子爵の三男という身分を持っている。

 この中で、今後下賜される予定の領地に来てくれそうなのは俺の婚約者のウィステリア、アッシュ、グレイ、レイヴンだろう。多分、ハイドレンジアとミモザ、ヴォルテール、シスル、ロータスは無理矢理付いて来る気はするけど。何せ、過保護で過激派なので。

 そうなると、俺の召喚獣を除くと、確かに戦力は今より落ちる。

 なので、魔法学園に通うこの三年間で優秀で、次期当主にならない生徒を探す目的もあった。

 色々と邪魔されてるが。ヒロインや元女神達に。


「成程。よく見ているな。だが、魔法を極めたいのであれば、宮廷魔術師師団長のセレスティアル伯爵の下に就いた方がいいのではないか? 彼は私の魔法の師でもある」


「それも考えましたが、残念ながら、私は宮廷魔術師にはなれないのです。得意属性が特殊なので」


「特殊?」


 言われて、こっそり魔力感知で確認する。

 ああ、確かに特殊だ。

 無属性と聖属性、光属性だ。

 属性の擬態もしているようで、光属性で擬態している。

 魔力の覚醒をしたからなのか、魔力感知で擬態している属性も、する前の属性も分かるようになった。何、そのレベルアップ。

 全属性プラス神しか持てない属性持ちの俺よりは特殊じゃないよと言いそうになるのを抑え、表情を変えずに、アクバール伯爵令息に聞き返す。


「……はい。私は、無属性と聖属性、光属性を持っています」


「……まぁ、特殊だな」


「もし、宮廷魔術師になったとしても、私は宮廷魔術師団のお力にはなれないかと思います。それよりは殿下の下で、魔法を極めた方が殿下のお力になれるのではと思ったのです」


「……特殊な属性でも宮廷魔術師団の力になると思うが……。アクバール伯爵令息は何の魔法を極めるつもりでいる?」


「ヴァーミリオン殿下が先程、使われたようなオリジナルの魔法を極めたいです。そういう理由でも宮廷魔術師団のお力にはなれないかと思います。あの、殿下は他にもオリジナルの魔法がまだありますよね? そのオリジナルの魔法や他の方のオリジナルの魔法を集め、一つの魔導書にしたいと考えています」


 アクバール伯爵令息は目を輝かせて、俺を見つめる。

 オリジナルの魔法を集めた魔導書?

 アクバール伯爵令息の言葉を聞いた俺は少し目眩がした。

 俺が考えたオリジナルの魔法も含めて、紅から教えてもらった魔法は魔導書に集められると非常に困るものが多い。

 俺の魔法の師匠のセレスティアル伯爵なら、危険性とかを考えた上で、使いこなせると思う。

 他の魔術師は危険性を考えずに使う可能性もある。なので、教えるものと教えられないものがあるし、彼の目の前で教えられない魔法を使わないように気を付けないといけなくなる。

 面倒だ。


『……ねぇ、これって、魔法好きというか、魔法オタクってヤツじゃない? 僕、初めて見た』


 鴇がちょっと引いた感じの声音で呟く。

 特に鴇はずっと閉ざされた世界にいたから、こういう人がいるというのを神の俺を通して、人間の俺の記憶を見たくらいしかないから、余計に驚きというか、引いている。


『……まぁ、魔法オタクなんだろうね。俺はそれで対応を変えるとかはしないけど』


 ヴォルテールと仲良くなれるんじゃないかなと、つい思ってしまう。

 そこで、ふと、頭に過ぎったことを聞く。


「オリジナルの魔法、ということは既存の魔法のほとんどは覚えているということか?」


「使えませんが、分かります! なので、オリジナルか既存かは分かります!」


 身を乗り出すように、アクバール伯爵令息が言う。

 若干、引きそうになりそうなのを抑え、表情を変えずに問う。


「……魅了魔法も分かるか?」


 俺の問いに、斜め後ろに立つアルパインが小さく息を飲む音が聞こえる。


「分かります。先程の実技試験の時に、平民の生徒が使おうとしていましたよね? それがすぐ無効になっていたのも分かりました。闘技場に魅了無効の魔法を付与した魔石を置かれたのは、殿下ですよね?」


「そうだな。よく分かったな」


 認識阻害も魔石に付与していたはずだが、よく分かったな、この人。


「魔力の色が、殿下と同じでしたので分かりました。ガーネットクラスの生徒の皆さんが彼女の魅了魔法に掛かっていないのは、殿下のおかげなのだろうというのも分かりました。彼女、他の学年でも使おうとしていました。それは私やドラジェ伯爵令息が解除していましたが」


「……そうか。迷惑を掛けて申し訳ない」


 俺とアルパインが頭を下げると、アクバール伯爵令息が慌てた。


「いえっ、殿下やシュヴァインフルト伯爵令息のせいではありませんよ。あの平民の生徒が使うのが悪いのですから!」


「ありがとう。アクバール伯爵令息は魔導具に関しての興味はあるか?」


「え、はい。魔法も魔導具も私の興味の対象です。殿下も魔導具にご興味がおありですか?」


「まぁ、まだ魔導具に関しては勉強も出来ていないが、興味はかなりある」


 カメラとか動画の録画とか、主に、ウィステリアの可愛い写真や動画を保存出来る魔導具が!

 って、変態じゃなくて、ただ、俺の心のフォルダ以外でも見たいだけです。

 やましくありません、健全な青少年です。


『……必死だな、リオン』


「アクバール伯爵令息。例えば、魅了魔法を使っていることを可視化出来る魔導具を作ることは可能か?」


 心の荒れ模様はとりあえず置いて、至極真面目な第二王子風の表情を取り繕い、アクバール伯爵令息に尋ねる。


「そうですね……時間は掛かりますが、可能ではないかと。素材が色々貴重なものばかりですが……」


 ちらりと俺を見ながら、アクバール伯爵令息は呟くように言う。


「もし、それを殿下が必要ということでしたら、私が作りましょうか? 私を殿下の配下にして下さるのでしたら、魔法学園卒業後にすぐに取り掛からせて頂きます。如何でしょうか? あ、もちろん、殿下に危害を加えるだとか、麗しい殿下の貞操を狙うなど考える者達から、私もお守り致します。将来的にも私設騎士団や魔術師団を創られた際にはすぐ志願致します」


『ふむ。よく見ているな。この者は魔法オタクはともかく、リオンの役に立つ者ではあるぞ』


 紅がアクバール伯爵令息について太鼓判を押す。

 恐らく、彼の思惑等を見て、俺に対して安全だと分かったのだろう。


「分かった。私設騎士団や魔術師団についてはまだ考えていないが、アクバール伯爵令息の知識は私にとって助かる。俺の配下になってくれるか?」


 私から、一人称をいつもの俺に変え、右手を差し出す。


「はい、殿下。私のことはサイプレスとお呼び下さい」


 アクバール伯爵令息――サイプレスが俺の右手に触れ、頭を下げる。


「これから宜しく、サイプレス」


 小さく微笑むと、サイプレスは嬉しそうに笑った。

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