第2話 イルミナ「ドラゴンの探し方を言い忘れていた」

 俺は神殿の外に出てとりあえずお決まりのことをやってみることにした。


「ステータスオープン」



名前:カイン

レベル:1

攻撃力:10

防御力:8


スキル:

クラフト 鑑定



「ふむ」


 なるほどなるほど。


 とりあえずスキルを試してみるか。


【クラフト】


 そう言うとクラフトメニューが開いた。


【なにをクラフトしますか?】

・槍

必要材料:

石×2個

木の棒×3本

草×5枚


「ふぅん、なるほどね」


 次にインベントリを開いてみることにした。なにか一つくらいは持っているアイテムがあるかもしれないしな、てか持っててくれ。


 現在の持ち物を確認してみたのだが。


【インベントリ】

なし


(まぁ、そりゃそうか)


 当然のように何もなかった。


 今は足りないものばかりだが、とりあえず必要な材料を集めるところから始めることにする。

 えぇっとまずは木の棒でも集めてみるか。

 近くにあった森の中に入り、木を切り倒すことにした。


「ふんっ!」


 バキィ!という音とともに切り株だけが残った。


【獲得アイテム】

・木の棒×3


 さて、次は石だな。


 そのあと、俺は石と草を必要個数集めてからもういちど。


【クラフト】


 スキルを使うと。

 メニューが開いた。


 すると


【作成可能なアイテムがあります】

・槍


 と出てきて


 今まで灰色の文字になってて押せなかったクラフトするという項目を押せるようになっていた。


(よし、クラフトしてみよう)


【クラフトしますか?】


→はい いいえ


 迷わずはいを選択する。


 すると画面が変わった。


【槍のクラフトに成功しました】


 よし、できたみたいだ。

 それから俺は出来上がった槍を装備して近くの川に向かってった。


 その川の中を覗いてみる。


【鑑定】スキルがオートで発動した。


 すると中を泳いでいた魚の名前が表示される。


名前:フィッシュ

種族:魚類

ランク:F

説明:普通の魚。食用可


 と表示された。


 その泳ぐ魚を見て俺は槍を構えて

 そのまま

 突いた。


「おらぁ!!」


 ザシュッ!! 魚の腹に刺さって、川の中から引き抜いた。


【獲得アイテム】

・フィッシュ(小)


 それから槍に刺さってた魚が消えた。

 多分インベントリに勝手に収納されたんだと思う。


 そう思ってインベントリを開いてみると


【インベントリ】

・フィッシュ(小)×1


 とちゃんと収納されてた。


「よし」


 俺は小さくガッツポーズ。

 それからもう少し川に目を落として魚を見てみる。


 よく見てみるとけっこうな数の魚が泳いでる。


名前:タイガーフィッシュ

種族:魚類

ランク:E

説明:大きな牙を持つ凶暴な魚。体長は最大で1メートルを超える。


名前:ブラックフィッシュ

種族:魚類

ランク:D

説明:黒い鱗を持った巨大な魚。全長2メートルほどある。肉食で獰猛な性格をしているため危険度が高い。ただし肉は非常に美味である。また骨も薬の材料として使えるので高値で取引される。


 他には、


名前:ホワイトフィッシュ

種族:魚類

ランク:D

説明:白い鱗を持った小さな魚。非常に弱い魔物であるが繁殖力が強く群れで行動するため注意が必要。また、食べることができるため食料にもなる。一匹あたりの値段は安い。


 などがいるようだ。


 ゲーム世界の主人公は魚とかおいしそうに食ってたのを思い出す。


 俺は馬のアンナに話しかけた。


「食べてみようぜ、この魚」

「ブルン」


 首を震わせるアンナ。

 その横で俺は


【クラフト】


 もう一度クラフトメニューを開いた。


 魚といえば料理法は決まってると思うんだ。

 そのなかでもオーソドックスな食べ方を選んだ。


 それは焼きだ。


 ということで焼くために必要なものを作る。


【なにをクラフトしますか?】

・たきび

必要素材:

木の枝×3


(必要なものは木の枝だけか、それなら)


 さっき槍を作った時のあまりがあるはずだ。


 それを使おう。


 そうして俺はたきびを作ってそれでさっき捕まえた魚を焼いていくことにした。


 そうして焼きあがった魚を食べていく。


「うめぇ。アンナはどうよ?」


 そう言ってアンナのほうを見るとすでに食べていたようだ。


「って 、食うのがはええよ?」

「ブルン」


 顔を見る限りどうやらおかわりをご所望のようである。


(そういえばここまでの道ずっと歩きっぱなしだったもんな)


 そう思った俺は少しばかりご褒美をやってみることにする。

 たきびで追加の魚を焼いてみる。


「ほら、焼けたぞ?」


 そう言って、俺は串ごと投げてやった。


「ブルルル♪」


 嬉しそうに尻尾を振る。


「ほれ、どんどん食え。腹いっぱいになるまでな」

「ブルン!」


 いやぁ、この世界に来たときはどうしようかと頭を抱えてみたが、意外とスローライフをできている。

 ドラゴンなんて倒す必要はなかったんや。


 そんなことを思っていると


「おぬしら」


 天から声が聞こえてきた。

 どうやらイルミナが話しかけてきているらしい。


「ドラゴンを探す方法を教えるのを忘れていたな」


 と話しかけてきた。

 俺は原作のゲームをプレイ済みだ。

 探す方法なんて知ってる。


「こうでしょ」


 剣を抜いて頭上に掲げてみた。

 すると光が集まってその光が収束して一点を示していた。


 原作ではこの光が示す方向にひたすら移動するとドラゴンに出会えるのだが。


 俺は行くつもりなんてない。もちろんね。


 だってめんどくだくね?

 ドラゴン倒さなくても生活できるのに俺が倒しに行く必要なんてない。


 それに少女ひとり助けるのにドラゴン16匹ってよく考えたら釣り合ってなさすぎじゃねぇか?


 これが自分の押しキャラなら助けるけど別にあの女の子俺の推しキャラじゃないしな。


 正直このままほったらかしにしてこのままスローライフ送りてぇとか思ってる。

 てかイルミナ黙り込んじゃった。


「イルミナ?」


 そうやって聞いてみるとやっと反応が返ってきた。


「そのうちいけよ?ドラゴン退治」


 そう言ってきた。


 まぁ、指示は無視するんですけどね。


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